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声優志望の妹が初実況で炎上!? 天然少女と引きこもりの兄

作者: 3太郎
掲載日:2026/02/22

「お兄ちゃん」「お兄ちゃん」「お兄ちゃん」


私は声優を目指す17歳の女の子

身長は160センチ、体重は内緒

顔は中の中と自己評価、分類するならタヌキ顔

怒るとキツネ顔になるちょっと真面目な性格です。

趣味は読書と朗読、小学校の時、友達に朗読で褒められたのをきっかけにして、声優に興味を持ち今は養成所などには所属しないで頑張っています。



特にこの「お兄ちゃん」が得意中の得意で

百もの「お兄ちゃん」バリエーションがあるのです。

文字表記なら只の「お兄ちゃん」ですが、台詞になれば唯一の「お兄ちゃん」とこう聴こえるのです。


どうですか?

私の声で声優になれるでしょうか?

皆さんには届きますか?


あっ

もちろんお兄ちゃん以外もできますよ。

コホン…では、試してみましょう。

「生麦生米生卵」「生麦生米生卵」「生麦生米生卵」

「隣の客はよく柿食う客だ」「隣の客はよく柿食う客だ」「隣の客はよく柿食う客だ」

「この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた」「この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた」「この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた」


どうでしょう?

噛まないで言えました?


エッ?

言えて当たり前だって?


ってな感じで日々声優目指しています。


そんなある日

ちょっとした変化のきっかけがあったのです。

ゲーム実況者で半分引きこもりの兄が、機材を新調するので、自分が今まで使っていたモノを私に譲ってくれたのです。(一応無料で、そして声優で売れたら倍返しで、と一言私に注文を付けて……)


セットアップは兄が私の留守の時に終わらせてくれて、今日の夜からでも出来ると教えてくれた。


机の上には注意事項と実況のコツなんかが書いてあるメモが置かれていた。

あの兄が……

こんなに親切で驚いた──


「フフフ」

私もSNSは少しはやっていて、フォロワーさんは少しはいるのだ。もちろんそこに告知済みである。


私はいつもより少し丁寧にお化粧して、チェックのスカート ×白色カーディガン。秋らしい柄を取り入れつつ、清楚系にまとめた。もちろん顔出しはNGで首からバスト辺りまでは出そうとは思っている。


ゲームはお兄ちゃんから初心者でもできるときいた、有名アプリのブロック消しのゲームにした。


そして電源をいれて、実況がスタートした。

いきなり50人もの視聴者がカウントされる数字を見て、舞い上がる。心臓の鼓動が早まる、唾をのみ込む音がマイクに入らないか心配になるくらい、うまく飲み込めない。


「あーあー……皆さん今晩は、マイです」


早速チャット欄に書き込みが入る。

チャット欄に文字が走る、緊張と更新スピードがあって、思考が追い付かず、言葉が出ない……


何か言わなくちゃ…

「あー…。えっと、あのー……。」

ダメだ緊張から汗が一気に吹き出す。火照る顔、うわずる声、出る言葉は相変わらず、

「あー…えっー…」だけ

緊張したら、ここまで出ないものなの…

声優志望でちょっと自信があったんだけど…


こう言う時は深呼吸だ、私はゆっくり鼻から空気を吸い込んで、ゆっくり吐いた。

それをゆっくり三回繰り返し、やっと緊張が和らいだ。


「皆さん今晩はです〜集まってくださって、ありがとうございます。声優目指している女の子です。ゲーム実況しながらお話していくので、楽しんで貰えたら嬉しいです。」


よし、やっと話せた。

この調子でやれば大丈夫かな…

私は、なんとか緊張の呪縛からの解き放たれ、話すことができた。

「それでは、ゲーム実況始めます。"私が小学生の時に流行った、もうブームも過ぎたゲーム"だけど…」この言葉が荒れる原因となった──


画面には一斉に

「ええ!まだ現役トップ3に入ってるけど」

「ブーム過ぎた草」

「草草草」

「じゃあ今高校生くらい?」

「胸の谷間見えすぎて草」

「ブサイク…」

「荒れてて草」

「声優志望なのに声普通すぎWWWW」

「ビジュ声優にもなれそうにないw」


私の不意の一言でチャット欄は一気に荒れた……


「ええええ…ヤバいどうしよう」

パニックになる私、涙も溢れてきて画面も滲む…



「プツン……」



えっ?「お兄ちゃん(バリエーション93お兄ちゃん)」

見上げたら兄がそこに居た。


そして悲しくて、泣いた。

涙が止まらない、止めようとしても決壊したダムのように流れてくる涙……


兄が一言

「ドンマイ」


「うん──……ごめんなさい、お兄ちゃん(バリエーション21お兄ちゃん)」



「バーカ、メモに書いてただろ!話す前はよく考えて話せって、生配信は煽り入れてくる連中も居るんだから、それに個人特定に繋がるワードは話すなってメモに書いてただろ!」


「うん…」うんと返事するのがやっとだった。


「今、アカウント削除したから、それと心配だったから、お前には内緒でボイチェン(ボイスチェンジャー)で声を変えてたから身バレは大丈夫だ!画面加工も施しておいたしな」


「えっ?本当!?」


「当たり前だ!お前は自覚なしの天然だしwこうなると思って先回り!実況歴10年の俺を舐めんなよ」

兄は笑ってそう言った。


私は兄に救われた、半分引きこもりで、いつも何をしているのか分からない兄だと思っていたけど……違ってた。


「でも腹立つよな、声優志望なのに声普通すぎってコメント!ボイチェン通しての声だってーのw、あんなコメント気にすんなよ!頑張れよプロの声優」


「俺も実況で天下取ってみせるし……無理かも、だけどw」


「お兄ちゃんなら大丈夫!(バリエーション53のお兄ちゃん)」


私のドキドキが生配信は失敗に終わったけど

よく分からなかった兄のことを理解できたので良かったと思ったのだった。


「お兄ちゃん大好き❤(バリエーション100のお兄ちゃん)」


おわり







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