第四話
翌日、仕事から帰るとラフなカットソーとフレアスカートに着替える。そして、夕食もそこそこに済ませて、ベッドに横になりゲーム機を装着した。早速ログインである。
ゲーム内に入ると、フレンドリストを確認した。まだ、おにおんぐらたんさんのフレンド欄がオン状態になっていない。どうやらまだ仕事から帰っていないようである。
とりあえず、《鉱山都市メタルフォール》周辺で狩りをする。
しばらくするとメッセージ着信音が聞こえた。フレンドリストを確認すると、待ちに待ったおにおんぐらたんさんからのメッセージが届いていた。
『仕事から帰ってログインしたよ。今どこです?』
『今、狩りをしていたから、これから《鉱山都市メタルフォール》に戻りますね。広場に集合で!』
返事を送ると、敵に少し遭遇したけど、急いで向かった。
「お待たせしました」
「いや、大丈夫ですよ。大して待っていませんよ」
優しい人だな~と思いつつ、ほっとする。おにおんぐらたんさんは、VRゲームは初心者と言っていたけど、他のゲームとかの経験とかがあって、ガチ勢だったら怒られていそうだ。まあ、私も今まで色々なゲームをやっていたから、少しガチ勢寄りかもしれないけど……。
「じゃあ、一緒に次の街を目指しましょうか」
台詞だけ聞くと爽やかな青年という印象がある。見た目は牛人間ですが。
「そうですね。今日中に次の街まで行きたいですね」
そして、狩りを続けていく。もうこの周辺の敵は、おにおんぐらたんさんの敵ではなくなっている。実際にどのくらい強くなっているのかは、本人にも分からない。なぜなら、このゲームは『隠れステータス』となっており、ステータスどころか、レベルすら見えなかったりする。運営さん。リアリティが売りと言っても、そこはゲームらしく強さが見えた方がありがたかったよ。
手探りで敵を倒しつつ、次の街に進んで行く。相手が弱いのか、私の回復を使うことなく、私もメイスで敵を殴りつけている。回復スキルの能力も上げたい。と言ってもスキルのレベルも見えない仕様になっているから、今どのくらいなのかも分からない。
次の街は山の上の方にあるので、登山をしつつ向かう。ゲーム内なので疲労がない為、山登り気分を味わいつつ、登っていく。
特に問題もなく、次の街に着いた。
私たちのいるエリアは山岳地帯なので、靄がかかっている。《ミスティマウンテン》は頂きにあるせいか雲などに覆われやすいのかもしれない。とりあえず宿屋に向かい、セーブしておいた。




