元嫁と犬
今回は汚いおはなしです。その手の話が嫌いな方やこれからお食事の方、お食事中の方はご注意ください。
笑い話のつもりで書き始めましたが、哀れみを誘う話になってしまったかもしれません。
元嫁は結婚してしばらくはお勤めをしていましたが専業主婦になりました。なので家事全般を任せていました。
彼女は炊事、洗濯などはそつなくこなしましたが、掃除や整理整頓が苦手でした。というか、言うまでやろうとしません。
もちろん大変なこと、例えば外周りとか換気扇、風呂場のカビ落としなどは僕がやっていました。
僕も神経質なほうではありませんが、さすがに足の踏み場もなくなると注意します。すると大きな段ボール箱を持ってきて、床に散らばったものをなにかに構わずにぶち込むのです。その箱を部屋の隅に追いやって、「でーきた」です。
そんな嫁が犬を飼いたいというのです。嫌な予感がしました。でも、しつこい押しに負けて僕は言ってしまいました。
「外で飼う犬だったらええよ。そのかわり、ちゃんと世話してよ」
ところが嫁が叔母から貰ってきたのは赤ちゃんチワワでした。ケージやおもちゃや首輪など、一式を叔母に買ってもらっています。もう返してこいとも言えません。外で飼えるのか聞くと。
「外でやか飼えるか! 死んでしまうわっ」
怒られてしまいました。見事な逆ギレです。
ある日、床に落ちているチョコボー〇を見つけました。
「もー、ちゃんと拾とけよ。犬がくうぞ」
独り言をつぶやきながら指で摘まみあげました。しかし、間近で見るとチョコボー〇のような光沢がありません。形も少しいびつです。
「……ん⁉ おわっ!」
そうです、それはチワワのうんこでした。あのときの僕の嫌な予感が的中したのです。僕は【うんこを素手で摘まんだ男】の称号を手に入れてしました。
ほかにも、布団で寝ていて背中に硬いものが当たっているのを感じて起きあがると、カラカラになったうんこが。【うんこのうえで寝る男】もゲットです。
またあるときはきれいに畳まれたタオルを取ると、なかからポロリとうんこがこぼれ落ちました。食卓の下に3回分くらいのうんこの塊があったことだって何回もあります。
興味がネトゲに移った嫁は、可愛がるだけでまったく犬の躾けをしないのです。ケージのなかのおしっこやうんこが散らばったペットシートもかえてもらえず、そのうえでチワワが寝ています。そんなチワワを平気で抱っこして撫でてやるのです。彼女は【汚物耐性】を備えているのか全然気にしません。
さすがに、もう無理かも、と思いました。
ありがとうございました。