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2話 俺とは


「先生、練習とはなにをするのですか?」


「簡単に言えば複合魔法ですね」


「複合魔法?」


「知りませんか?」


「はい...。申し訳ございません」


 まあそうだよな。今の世界では高位魔法を覚える方が手っ取り早く実力を上げられる。だから複合魔法なんて時間がかかるのは覚えたりしない。じゃあなぜ俺がそれを知っているかって? それは俺が転生者だからだ。


「では説明していきますね」


「お願いします」


「複合魔法とは言葉の通り複数の魔法を合わせることです。ですがデメリットもあります。基礎魔法には基礎魔法でしか合わせることができません」


 魔法にはバランスが必要なため、どちらか一方の威力が強すぎると弱い方は消えてしまう。


「...。では上級魔法は上級魔法としかできないのですか?」


「はい。ですので現状シャルロット様ができるのは基礎魔法の複合のみとなります」


「わかりました」


「本当は難しいのですが、シャルロット様ならできると思います」


 そこから俺がお手本を見せる。右手にに火玉ファイヤーボール、左手に風切エア・カッターを唱えて両手をくっつける。すると火玉ファイヤーボールの周りに小さな風がまとい始めた。それを見てシャルロット様が驚き始めた。


「すごい! 先生って本当にすごいのですね」


「すごくなんてないですよ。なんたってこれは誰にでもできる技術ですので」


「嘘ですよね? だって見たことありませんよ?」


「...。まあ一般的には知られていませんからね」


 だって俺が前世で生み出した魔法だから知られているわけない。でももう200年近く経っている以上、使っている人が居るかもしれない。


「ではなんで知っているのですか?」


「それは...」


 俺が転生者であることを言うべきか迷った。なんせ転生者がいるなんて聞いたことすらなかった。俺はいわばこの世界で異物である。俺が悩んでいるとシャルロット様は察してくれたのか首を横に振った。


「別に言いたくなければ言わなくて大丈夫ですよ。もし私にお話してもいいと思った時聞かせてください」


「はい。本当に申し訳ございません」


「それで私はどうすればいいのですか?」


「シャルロット様に必要なのは威力調整だと思います」


 複合魔法にはいくつか工程がある。まず1つ目は同時に魔法が使える事。2つ目に威力のバランス感覚。そして最後に必要なのは精神力だ。


 シャルロット様は複数の魔法を同時に使えるためここはクリアしている。そして精神力はライラ様と戦っている時、怒っていながらも安定して複数の魔法を使えていた。だからここもクリアしている。でも魔法の威力調整は話が別だ。できる人なら1時間もあればでできるが、できない人は1週間程かかってしまう。


「威力調整ですか」


「はい。時間をかければ誰にでも習得できる技術ですが、今日身に付けるとしたら才能が必要になります」


「才能...」


 俺がそう言うとシャルロット様は不安そうな顔になった。そりゃあそうだ。なんせ今まで魔法の才能がないとずっと言われてきていたのを考えれば不安になるのだって当然のこと。


「ですがシャルロット様はできると思います」


「なんでですか?」


「まあこれは私個人の意見ですが、シャルロット様はリミッター解除できましたよね? 解除ができたってことは今までより魔力量も増えていますが、それ以上にスムーズに魔法が使えるようになっています」


「はい。それはわかっています」


「スムーズに使えているということは魔法が安定していると考えられます。魔法を使うスピードが速くなっているのはシャルロット様にとって魔法が身近になり始めているということです」 


「...」


 実感がなさそうだな。でも魔法のスピードが徐々に速くなっているのは魔素を魔法に変換するのが慣れてきたということ。何に関しても魔素を魔法に換えるのは基礎中の基礎である。だから威力調整するにしてもこの工程は必要である。だからこそ俺はシャルロット様ならできると思った。


「では先程私がやったようにしてみてください」


「はい」


 思った通り筋がいい。平然と複数の魔法を使っているが、普通は同時に使うと魔素の乱れなどが起きる。だけどシャルロット様にはそれが起きていない。


(これならいけるぞ)


 そう思いながら30分ほど練習をすると俺がやったように複合魔法が完成していた。


「先生! やりましたよ!」


「はい! おめでとうございます」


「これで私も複合魔法が使えるということですよね?」


「はい。ですが属性ごとに魔法のコントロールは違いますので今後頑張っていきましょう。ですがこれで明日の決闘で最低限火と風の複合魔法は使えますね」


「はい! なんか勝てる気がしてきました」


「私もそう思いますよ。もう少し練習したいところですが、時間も時間ですし休みましょうか」

 

 パーティがあったのがお昼過ぎであったため、もう日が落ちかけていた。


「わかりました」


 そして決闘する日になった。

読んでいただきありがとうございました!


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