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「わー! ゆ、雪女!?」
幸雄が驚く。
「本物の雪女! これはいいデータが取れるぞ!」
科雄が雪女に近づいた。
すると雪女がものすごい形相で睨みつける。
「おのれ、人間め! 皆殺しにしてやる!!」
雪女は叫びと共に、科雄に白い息を吹きかけた。
「うぎゃ!!」
科雄が一瞬で大きな氷の中に閉じ込められる。
「親父!!」
「ほら見ろ、言わんこっちゃない! これでこの辺りの人間は全員、氷漬け確定だ!」
ニャン太が眼を細める。
「ど、どうにかならないのか!?」
幸雄がパニクる。
その様子に雪女が気付いた。
「そこにも人間が居ったか! お前も凍ってしまえ!!」
雪女が幸雄に向けて冷気を吹いた。
「ぎゃー! 強制コールドスリープ、嫌だーーー!!」
幸雄の悲鳴。
と、次の瞬間。
雪女の冷気が空中で止まった。
幸雄の前に立ち、自らの冷気で雪女の攻撃を受け止める少女の姿。
「ユウ!!」
幸雄が呼ぶ。
「あたし、幸雄の役に立つ!!」
ユウがカッコいいポーズを決める。
「幸雄に助けてもらったからね」
大きな左眼でパチッとウインクした。
「おのれ、小娘!!」
雪女が両眼を吊り上げる。
「同じ雪女ではないか! 邪魔をするな!」
「幸雄は凍らせない!!」
ユウも両手から冷気を放出する。
2人の冷気合戦。
研究所内の気温が急激に下がっていく。
「ざ、ざ、ざぶいーー!!」
「ギャー! 猫には厳しい寒さ!!」
幸雄とニャン太が青くなる。
最初は互角だった冷気のぶつかり合いが、徐々に変化していく。
ユウの冷気が、じりじりと押され始める。
「ニャ、ニャン太、これは!?」
「むうー。相手はベテランだからな。ユウの妖力じゃ無理かも」
「ええーー!? じゃあ俺たちはこのまま?」
「ああ、とんだとばっちりでオレとユウもあの世行きだ!」
ユウの顔が苦しげに歪んできた。
片膝を突いてしまう。
そして、とうとう。
ユウの冷気が雪女の攻撃で完全に吹き飛ばされた。
「くっ…」
ユウが呻いた。
「ははは!!」
雪女が大笑いする。
ユウと幸雄、ニャン太の前に仁王立った。
ユウは、ほとんど妖力が残っていないにもかかわらず、まだ幸雄を庇おうとする。
「幸雄はあたしが守る!!」
「ユウ…」
幸雄が感激で瞳を潤ませる。
パッとユウの前に出た。
両手を広げ、ユウを守る。
「幸雄!?」とユウ。
「守られてばかりじゃカッコつかないよ!」
幸雄の顔がキリリと引き締まる。
「さっきコンビニで初めて逢って…『そうかなー』って思いながら…『そんなことない』って自分で考えないようにしたけど…やっぱり俺、ユウが気になってる!」
「はあ?」
ニャン太が呆れる。
「お前、何言ってんだ!? 寒さでおかしくなったのか?」
「違う! どうせこのまま死ぬなら…告白しないと悔いを残すから…ちょっと…いや、かなり惹かれてる! もっとユウが知りたい!!」
「幸雄…」
ユウが顔を赤らめる。
「お前、本当にユウにエッチなことするつもりか!?」
「ええ!? そ、そういうのは興味はある…あるけどそれだけじゃない!」
「こら、人間! さっきから何をごちゃごちゃ言っておる!? 今すぐ凍らせてやる!!」
「うわー、ちょっと待って! とにかく俺はユウが…その…俺は人間でユウは妖怪だけど、そんなの関係なく…好き…好きだーーーー!!」
「まったく、こんな時に…まあ今言わないと、もうチャンスがないのは確かだけどな」
ニャン太が片足で顔を押さえた。




