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sempre2  作者: うちょん
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おまけ①【出会い(前編)】


 おまけ①【出会い(前編)】














 「今日からお前達3人、一緒に仕事をしてもらう」

 突如として言われたその内容に、3人が3人とも、様子を窺う様にちらちらと横にいる2人を見ていた。

 まず最初に口を開いたのは、この男。

 「えー、なんでこんな地味な奴らと組まなきゃならんのか、俺には理解できないね」

 それについて同意したのが、この男。

 「確かに。こんなチャラチャラしてる奴も、無愛想な奴も、俺の手には負えないかな」

 そして、ただの感想を述べたのが、この男。

 「面倒臭い」

 SEやネット犯罪などの機械系に精通している紫崎龍路は、だいたいツナギの格好をしている。

 本人いわく、これが一番動きやすく、汚れても良いからということだ。

 自分で何かを創り出すことも得意で、盗聴器や発信機なども、最新のものよりも精巧に作られていたと、使用者は証言している。

 優秀な男なのだが、どうにも職人気質な部分があり、人に合わせるといったことが苦手というか、まず苦手とさえ思っていないほどに人と関わらない。

 しかし、愛想が悪いわけでもなく、人と話すこともあれば笑顔を向けることも出来るのだが、自分の世界に入り込んでしまうため、扱い難いということらしい。

 続いて、同じく機械系に強く、情報収集能力に長けている碧羽恭久という男。

 どんな捜査においても諜報されそうな能力を持っているのだが、なにぶんこちらも人とまったく関わり合わず、にこりともしないため、接し難いということだ。

 この碧羽という男は、紫崎とは違って自ら進んで人と接しないという部分もあれば、接しなくても済む仕事内容を選んでいるというのもある。

 本人いわく、笑顔になる必要性を感じない、とのことだ。

 そして問題児にも見える柑野巧。

 人当たりも良い、運動神経も良いこの男は、広報部として表舞台に立つ仕事が多かった。

 この男の問題点と言えば、警察官らしからぬ風貌とともに、上司の女房だろうが誰だろうが、女性を引きたてることが上手なため、柑野に一方的に恋心を抱く者が多くいたため、といったところだろう。

 上司からの反感を買ってしまった柑野にとって最も屈辱的なことは、男だけの部署で、日陰にいることだ。

 「絶対嫌だね。こいつらとは組めない」

 「最初の仕事内容だが」

 「聞いてる!?」

 柑野の言葉を無視して、3人に任務が下された。

 その内容は・・・。




 「なんでこの俺が、小汚ねぇ親父たちのケツ追っかけなくちゃいけねえんだよ」

 「ケツを追っかけてるわけじゃないだろ。研究内容が怪しいから、詳しく調査するように言われただけだ」

 「同じだろ。なんだお前、真面目か」

 「いや、解釈が間違ってたから」

 柑野の言葉に対して紫崎が訂正すると、柑野は勝手に紫崎を敵視し始める。

 その一方で、碧羽はマイペースに歩き続け、目的の場所に辿りつくとさっさと中に入ろうとする。

 それを見て、思わず紫崎と柑野は碧羽の肩をそれぞれ掴んで制止する。

 なぜ止められたかわからないといった碧羽に対し、柑野は食い付くように前のめりになって叫ぶ。

 「馬鹿かお前!!真正面から行って入れてくれるわけないだろ!!もっと慎重に動けよあほんだら!!!」

 「入れてくれるかもしれない。ていうか、何?調査しに来ましたって正直に言う心算?馬鹿?興味があるので話を聞かせてくださいとかなんとか言えば入れてくれるよ」

 「「・・・ああ」」

 碧羽の説得になぜか納得してしまった紫崎と柑野は、その方法で研究所に入りこむことが出来た。

 きちんと殺菌などもしたうえでそこに入ると、普通の研究所に見えた。

 薬品の匂いがきついが、それ以外は特に変わったところは無さそうだった。

 「ここではどういった研究をされてるんですか?」

 紫崎が担当者に聞いてみると、担当者はにっこり微笑みながらこう答えた。

 「こちらでは、未来に向けての研究を進めております。子供たちに、希望ある未来を届けるため、日々努力をしております」

 研究所が一通り案内し終え、挨拶をして紫崎たちは去って行く。

 その帰り道、柑野が忘れ物をしたことに気付いた。

 「忘れたって、何を?」

 「ピアスだよピアス!!落ちた!どっかにおちた!!!」

 「そんなもの職務中につけてちゃダメだろ。新しいの買うしかないな」

 「お気に入りだったんだからな!俺今から戻って探してくるわ。お前らはさっさと帰って寝てろ」

 「そういうわけにもいかないだろ。お前も一緒に行くぞ」

 「なんで?1人でいかせりゃいいじゃん。子供じゃないんだから」

 「俺達3人が頼まれたことなんだから。それに、そこまで時間がかかることじゃないだろ」




 紫崎の謎の説得力によって、3人は再び研究所に行くこととなった。

 しかし、先程までの雰囲気とは異なり、出入り口には誰もおらず、人の話声のようなものさえ聞こえなかった。

 「まだ4時10分・・・」

 研究所が閉まる時間でもないため、3人は「失礼しまーす」と聞こえるか聞こえないかくらいの声を出しながら、研究所の中に勝手に入って行った。

 やはりそこには誰もおらず、とにかくピアスを探すことにした。

 その途中のことだ。

 「あれ?」

 「どうしたー?」

 ふと、紫崎が何かにきづいた。

 「ここ、さっき見学したときは棚が置いてあった場所だと思うんだけど・・・」

 紫崎が見ている先には、大きな本棚があった場所なのだが、今はその本棚は無くなっていた。

 気のせいなのではないかと思った碧羽と柑野だが、確かに、記憶に大きく残るほどの本棚があったが、今はない。

 どういうことかと壁に触れてみると、隠し扉のようになっており、奥に部屋があるみたいだった。

 「行ってみよう」


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