表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩のようなものたち

湖上にて

作者: 暮 勇

湖の上

船がゆく

風は冷たく湖面を揺らし

頬に当たるは刺さるが如く


空は灰色

波紋を穿つ

乱れた湖面は臍を曲げ

湖底の砂を巻き上げ濁る


波間を漂う鴨を脅かし

船はごうごう突き進む

彼らはがぁがぁ不平を叫び

淀んだ空向け羽ばたいてゆく


そんな様子を風浴びながら

傘を杖にし佇むは

表情乏しい男一人

口の端は僅かに下がり

伏し目がちなその様は

目線の先に広がる世界の

凪がぬ様子を憂うかのよう


水平線の向こうの眺めが

移ろおうとも変わらぬ顔に

真意を汲めぬ私はただ

彼に背を向け湖底を眺める

淀み波立つ湖の底に

転がる岩一つ見えたなら

波立たぬ彼の表情も

きっと読み取ることが出来るはず


そんな挑戦という名の逃避を乗せて

無機な塊は水割き進む

冷たい風を二人に浴びせながら

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ