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奏との休日

何とか今日中に書けた…


前話を叶サイドで書いてみました。

二話分を一話に纏めてるのでもしかしたら変なとこがあるかも……

 俺は今奏の家で奏の準備が終わるのを待っている。

 行く前に姉貴には「ちょっと遅い方がいいよ。女の子って準備かかるから」と言われたが時間通りに行った方がいいに決まってると思って奏の家来た。

 でも実際には姉貴の言うとおりでこれならもうちょっとゆっくり来れたなと思う。


 トタトタと急ぐ足音が聞こえる。やっと、奏が来た…らし………い…………。


 一瞬にして目を奪われる。やってきた少女はこの一週間で見たどの姿よりも可愛いく、綺麗だった。


「か、叶。お待たせ……」

「あ、ああ。大丈夫だ。大して待ってない」


 声が上ずらないように無感情に淡々と答えるのが精一杯だった。


 もう一度話しかけられたが何とか返すことができた。奏だと分かっているのにどうも緊張する。


「母さん、行ってきます!」

「行ってきます」


 凛さんに挨拶をして俺たちは出かけた。()()()という言葉が後ろから聞こえたような気がするが気のせいだと思うことにした。




 ♢♢♢




 道すがら今日の予定を立てる。

 本屋、飲食店、ゲーセン、カラオケの順に行くことになった。


 まずは本屋。入口には沢山の新刊の漫画が並んでる。

 欲しい漫画の発売日は把握しているので特に物色することもなく、欲しいものだけ選び取っていく。


 さて、奏は何見てるかなっと……なんだあの可愛い生き物は。


 そこには目を爛々と輝かせ本を手に取りながら動き回る奏の姿があった。


 くっ、行動自体は男の時と変わらないのにどうしてこんなに可愛いんだよ…相手は奏、男だってのに。いや、今は女だからセーフ?頭がこんがらがりそうだ。


 この思考から逃げ出すように奏に話しかける。


「いつも思ってたんだけど、奏は何がいつ発売されるのかチェックしないのか?」

「してないよ。本見つけるの楽しい(検索って面倒だ)からね」

「本音が漏れてるぞ。本音」


 隠す気があるんだかないんだか……。おかげで少し気が紛れたけどな。


 そのまま特に興味のない小説コーナーを奏と散策し、文房具も買って本屋を出た。


 スマホを見れば時間は十一時半と表示されている。わりといい時間だな。


 奏に時間を伝えて何を食べたいか聞くと、悩み出した。そんな姿もかわ……はっ!俺は何を考えてる。

 奏は男、奏は男、奏は男………よし、落ち着いた。

 お、奏も丁度食べたい物が決まったようだ。


「そうだ!あっちの喫茶店に巨大パフェあるらしいから一緒にそれ食べよう!」


 昼食に食べるものではない気がする。


「昼食にパフェなのか?」

「ダメ?」


 奏が悲しげな表情で上目遣いに俺を見てくる。

 奏の奴、俺の好みと知っての所業だな。だからと言って頷いてやるわけにはいかない。意を決して口を開く。


「はあ、わかったよ。あとそれはずるい」


 ぐおおお、つい肯定をしてしまった。ダメだ、俺の意思に関係なく肯定してしまう……!


 諦めて、その喫茶店に入る。

 席に着くと奏は迷うことなく巨大パフェを注文してた。


 届いたパフェはなかなかのサイズだが俺なら食べ切れる自信のあるサイズだ。

 しかし奏はこのサイズを食べ切れるのだろうか。体が小さくなっているので食も細くなっているはずだ。

 俺の心配をよそに奏は「どっちが早く食べ終わるか競走しよう!」と言っている。


 本人は引く気がないらしい。

 こうして俺と奏の巨大パフェ早食い競争が始まった。


 四十分後、俺は巨大パフェを食べ終えて奏は未だに半分残してる。


「もう、食べれな、い………」


 予想通りだった。

 そして、代わりに俺が残りを食べることになった。奏は悔しそうに渡してきたがこればっかりは仕方がない。


 奏の分も食べて会計をした後、ゲーセン向かった。



 ゲーセンの中は休日にふさわしい賑わいでみんな楽しそうだ。


 ふと、それが目に入ってきた。エアホッケーの機体だ。

 奏と一緒にエアホッケーて遊ぶのを想像してみる。その様子は彼氏と彼女が仲睦まじく遊んでいるようで………


 ああ!また俺はなんて想像をしてるんだ!今日の俺はどっかおかしいんじゃないか!?


 頭を振り、その想像を追い出そうとすしていると、


「かなたっ!」


 突然、大きな声で呼ばれて我に返る。奏が少し顔を(しか)めている。


「何ぼーっとしてるの」

「いや、ちょっと雑念をな…」


 ちょっとで払えるようなものではない。とても大きな雑念だ。


 それはまあ置いとて、奏が俺の様子からエアホッケーをしたいことを察したらしく一緒にプレイすることになった。


 しかし、それは俺の想像というか妄想していたキャッキャウフフなエアホッケーとはほど遠いガチの死闘を繰り広げるようなエアホッケーに成り果てた。


「だあー、負けた負けた」


 まさか、今の奏に負けるとは思わなかった。口に出したら怒りそうなので言わないが。


「これでパフェの借りは返せたかな」


 パフェの早食いで負けたことを気にしてたのか。


「かもな。あれが勝負になってたかは微妙だけど」

「一言余計」

「はいはい」


 この後もほかのゲームでめいっぱい遊び、ここを出た頃には四時を過ぎていた。


 そう言えば、ぬいぐるみを抱いた奏可愛かったなあ。そして実は内密に静流ちゃんから可愛い奏の写真を撮ったら送ってほしいと言われていたので送っておいた。


 俺たちは最後の目的地、カラオケへと向かう。



「彼女連れとはやるじゃないか」


 カラオケ店に入り、ここの店長が開口一番にそう言ってきた。


 違うと言っても照れ隠しだと思われて手に負えない。俺は即座に弁明を諦めた。安くしてくれるとも言っているので悪い事ばかりではない。


 勘違いをされたまま割り振られた部屋へと逃げ、奏と二時間歌い続けた。



 カラオケの終了をもって本日の全てのプランが終わったので帰ることとなった。


 帰り道、今日のコーデが静流ちゃんの暴走によって引き起こされた結果だと知り「静流ちゃんグッジョブ!」と思ったがされる側はたまったものではないだろう。


 なので俺は今日ずっと思っていたことを言うことにした。


「に、似合ってるぞ。可愛いと思う……」


 こうやってちゃんと可愛いって言うのはなんかすごく恥ずかしいな。

 しかし、


「突然何?なにか悪いものでも食べた?」


 との返事だった。ちょっと悲しい。


「せ、せっかく勇気を出して褒めたのにそりゃねぇだろ」

「そう?ありがとありがと」


 適当な返事であしらわれてしまった。そんなに嫌だったのだろうか。だとしたら落ち込みそうだ。


 その後は奏の家に着くまで今日の楽しかったことを振り替えながら喋り歩いていた。


 奏を送り届け、家に帰ると姉貴が玄関で俺を待ち構えていた。


「おかえり」

「ああ、ただいま」

「で、奏ちゃんとのデートはどうだった?」

「デートじゃねぇって」


 俺が奏を変に意識してしまったのは『デート』を朝から連呼してきた姉貴(バカ)せいだと思うことにした。


 その日の夜、俺は姉貴に今日のことを根掘り葉掘り聞かれるのだった。





やっとブクマがちょっとずつですが増えてきて嬉しい限りです。


感想や評価もくれると大喜びなので是非是非。

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