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親睦会

昨日中に投稿出来なかった……


 まだ肌寒く薄紫色の空に雲が霧のように覆いかぶさっている早朝、 俺は音桜金公園にいる。

 そして隣には奏ともう一人。質問君こと“牧谷(まきたに)武也(たけや)”がいた。




 ♢♢♢




 三日前の放課後、俺たちの日課になりつつある図書室での勉強の最中に渚が放った一言がきっかけだった。


「ねえ、皆で今週末お花見しないか?」

「いいね!でもどうして?」


 このメンバーで花見するのは楽しそうだし、全面的には賛成なんだけど、ことが急すぎる。


「紗耶香と話してたんだけど親睦会を開くのもいいかと思ってね。私と紗耶香は結構付き合いが長いからお互いのことはよく知っている。奏ちゃんと羽柴も同じような感じだと思う」

「そうだね。そうだと思う」


 俺と叶は幼馴染で半ば家族のようなもの。全部とまではいかなくても大概のことは理解しているはず。


「でも私たちと君たちはまだ二週間ほどの付き合いだろ?まだお互いに知らないことだらけだ。だから丁度見頃の桜の花見がてら親睦会を開こうかと思ったんだ」

「なるほどね。叶はどう?」


 とてもいい案だと思うので俺は賛成だ。叶はどうなのだろうか。


「そういうことなら俺も参加するかな」


 じゃあ、今週末は四人で花見を兼ねた親睦会ってことで……


「な、なあ。それ俺も行っていいか?」


 突然話に入ってきたのはいつかの質問君だった。

 名前はたしか…えー、えっとー……ま、まき……そうだ思い出した!


「牧山文也っだ!」

「牧谷武也な!?何気に惜しいし!」


 あれ?そんな名前だっけ……なんかごめん。


「と、とにかく俺もその親睦会に参加したいんだけどいいかな?」

「俺は歓迎するぞ。正直、男が一人は少しな」

「だから僕がいるじゃん」

「いや、お前今女だろ……」


 それはまあそうなんだけど、少なくとも精神的には男なんだが…


「痴話喧嘩は程々にしてね。牧谷くんも困ってるから」


 痴話喧嘩って……そんなわけないのに。


「あはは……で、どう?俺は行っても大丈夫そうか?」


 俺としては初日のこともあって少し残念な印象を持ってるけど嫌悪感は特にないから否定する理由もない。


「僕もいいよ。こういうのは多い方が楽しいから」

「奏ちゃんがいいって言ってるから私も特に異論はないかな」

「うん、私も思うところはないから歓迎するよ」


 満場一致で牧谷くんの親睦会への参加が決まった。




 ♢♢♢




「叶はともかく牧谷くんもこんな朝早くから来てくれてありがとね」

「俺が参加させてくれって頼んだ。この位は同然だ」

「俺はともかくってなんでだよ……」


 俺と叶は気安い関係、牧谷くんとは知り合いの関係だからかな?


「お前らいつも見てて思ってたんだが本当に仲がいいよな」

「幼馴染兼親友だからね!」

「ずるいわー。こんな幼馴染がいるのにあと二人女子が身近にいてハーレム築いてるとか」


 ハーレムって……俺の知らない間に叶にそんなニックネームがついていたのか。


「別に惚れられてるわけでもないからな?不名誉だし悲しくなるわ!」

「ふふふ、だからこうして俺が来たんじゃないか。あわよくばこの中の誰かとお付き合いを」

「うわっ。お前ゲスいわ……」


 そんな理由で近づいてくるのはちょっとどうかと思う。


「まっ、冗談だけどな。楽しそうだから仲良くしたくて来ただけだよ」

「冗談に聞こえなかったんだが」


 冗談か…よかったよかった。


「よし、これで場所取り完了だね」

「そうだな、おつかれ」

「おつかれおつかれ」


 何事もなく場所取りが終わってよかった。じゃあ一度家に帰らなきゃな。母さんと一緒に今日の昼にみんなで食べるご飯を作らないと。


「僕一度帰るね。二人は寂しいかもだけどよろしくね!」

「おう、任せとけ」

「いってら〜」


 さあ急げ急げ。着替えもしなくちゃいけないからな。




 ♢♢♢




 時刻は十時、何とかご飯を作り終えて着替えも済ませて今朝場所取りをした場所に来ることができた。


「ただいま!」

「おう、おかえり」

「おかえり」


 その場には叶と牧谷くんの二人。渚と紗耶香はまだ来ていないようだ。


「渚と紗耶香はまだ来てないんだね」

「そうだな。どうせすぐ来るだろ」

「女子は時間がかかるらしいしな」


 二人の言うことも最もなのでシートに座りゆっくりすることにした。持ってきた昼食もゆっくりと置く。


「それが昼食か?」

「そうだよ。さっき母さんと作ってきた」


 叶が聞いてきたのでこともなげに答える。


「えっ!奏ちゃんの手作り?!うっわ、めっちゃ嬉しい。こりゃクラスで自慢できるわ」


 なんか隣で牧谷くんがめちゃくちゃ喜んでるんだけど。少し怖い。


「僕作れるのって簡単なのだけだし形も悪いからそんなに良いものじゃないよ?なんならほとんど母さんが作ってる」


 謙遜とかではなく実際に母さんが大分を作っている。俺はほぼただのお手伝い。

 母さんから料理を習い始めて一ヶ月も経ってないからこんなものだとは思ってるけど。


「いやいやいや。奏ちゃんが作ったってことに意味があるんだ。可愛い子が丹精込めて作ったご飯て不味くても価値があると思わないか?」


 そういうものか?でも、俺も一生懸命作ってきてくれた料理ならなんだって嬉しいかもしれないな。


「そう?まあ、それは昼の楽しみってことで」

「くぅ〜!昼が待ち遠しい!」


 それでもそこまで喜ぶものでは無いな。うん。


「三人とも待たせたね」

「奏ちゃん、羽柴君、牧谷君こんにちは」


 お、渚たちが来たようだ。


「場所取りありがとう。毎年この時期はみんなここで花見しに集まる人が多いから本当に助かったよ」

「いつ見ても人が一杯だったよね。三人ともありがと」


 俺たちは顔を見合わせて答える。


「「「どういたしまして」」」


 あんな朝早く起きる必要があったかなと思わなくもなかったけど、こうしてお礼を言われるなら早起きしたかいがあったかな。


「では五人揃ったところで親睦会を始めようか。今日は楽しもう!」

「「「「おー!!!!」」」」


 渚が音頭をとり、俺たちがあとに続く。


 こうして親睦会が始まった。




親睦会の続きは書く予定ないです。牧谷くんをこのメンバーに加えたくて入れたストーリーなので。

続き見たい人がある程度いるなら書くかも知れませんが。



次回からの更新は週に一度か二度になりますので、把握よろしくお願いします。詳しくは活動報告にて。

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