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きみはいない

作者: 水色ペンキ

きみは どこへ いってしまったの


白くて やわらかくて まるくふとった きみのからだが


もう ボクの手のとどくところには なくなってしまった


なくなって しまったんだ




きみと はじめて あった日が つい こないだのように おもえるよ


すこし あれた きみのはだも


さわると ちょっと あたたかかくて


ぼくが きみの手を ひっぱると


きみは バレリーナのように くるくるまわって


いとぐるまみたいに からだを ゆらして


ぼくらのへやには コトコトいう音が ひびきわたった 




それはまるで 風にまかれる さくらふぶき


それはまるで 風にまう てんにょのコロモ


そんなきみが いなくなってしまうなんて


いなくなって しまうなんて




きみが まわるたびに ちょっとやせるのを しっていた


きみのゆれる かたのうごきが だんだん大きくなるのを しっていた


だけどぼくは いつかそれが きみをコロすのを しっていながら


きみの 手を ひいていたんだ




きみの さいごの いっかいてんが はじまると


きみの しろいからだは とつぜん どろのように にごって


さしのべた 手を いっぱいに のばしたところで


まわるのを やめた




ぼくは その手を ひきちぎったんだ


きみの ちゃいろくなった からだから




そして ぼくは うごかなくなった きみを


きみのステージから らんぼうに おろした




ぼくは ひどいやつだ


ひどいやつさ ぼくは




だって ぼくが ほしかったのは


きみの かわり だったんだもの


かわりがいれば きみは もう いらなかった




やせほそった きみは たよりなくて


ぼくは そんなきみを もう あいせなかった





?きみは しらなかったろう?





でもね きみのかわりは いなかった


いなかったんだよ





かわりが いないことを かなしむ ぼくに


きみは いったね その からっぽの からだで




かえの トイレットペーパーは じょうびして おくべきだと




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