男の娘な執事と始まりの街ー2
二章二話目でーす
おお。まだ、始まったばかりなのにこんなに露店が出てるんだな。多少、歩いただけで武具とか装備を売っているプレイヤーの露店が7店ぐらいある。ん?なんかやけにボロいローブを着た人が刀を売ってるんだけど。怪しいけど気になるな。うーん。見てみるか。
「おお、いらっしゃい。今、金銭的に少しばかり苦しくてね。何か買ってくれないかね?」
「うーん。買ってもいいが、所持金はあまりないぞ」
フィールドにすら出てないので、所持金はチュートリアルクリアでもらったヴァンム銀貨二枚のみだ。他の品を売却すればもっとあるだろうが。ポーションとかあったしな。
「高くないものばかりだからそこは大丈夫だよ」
「そうなのか。じゃあ、少し見ていこう」
なんか・・・今まで見た露店よりも良さそうなものばっかなんだが。実はこの人βテストの時トッププレイヤーだったんだろうか。まあ、良いものを安い値段で買えるからどうでもいいか。ん!この黒い刀、なんか惹かれるな。これ買おうかな。
「これ、買いたいんだが」
「お、君。良いものに目をつけたね。それは自信作の一つさ。銘は「黒き荊≪ブラックガーデン≫」というんだよ。能力はまあ、買ってからのお楽しみということで。で、代金は5テル」
俺はヴァンム銀貨を一枚ボロローブの人に渡し、刀とヴェントリス銀貨を5枚貰う。
「まいどあり。ね、君。唐突だがフレンド登録しないかい?」
「フレンド登録?良いが、何故?」
「いやあ、私は実は、≪さすらい武具商≫ってっていう二つ名を持っていてね。普通には売らず、こんな感じでボロローブを着たり、変装したりして見つけられた運の良い人に物を売っているんだよ。で、なんでフレンド登録して欲しいかというとだね、君が正式サービス開始初のお客様で、レアな男の娘だからさ。あとは勘だね。なんか君は二つ名つけられそうな気がするし」
「やっぱりトッププレイヤーだったのか。てか、そんな理由でいいのか?まあ、本人が良いのならいいが。じゃあ、フレンド登録おねがいする。俺はユースケという。よろしく」
「私はシルバーさ。よろしく、ユースケ」
俺はシルバーからのフレンド申請を承認してシルバーの露店から離れる。武器も良いのが手に入ったことだし、そろそろフィールドも空いているだろうし、戦いにいくか。そういえば気になったんだが、シルバーはどうやって男の娘だと知ったんだろうな。特に判断できるような事は言ってないし。まあ、次会った時に聞けば良いか。それより初戦闘だから気合入れていかないとな。あ、あと「黒き荊」の能力も確認しないといけないな。フィールドの外に出てからで良いか。