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異世界で恋に落ちました  作者: 藤野
第二話
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4

 ペラペラとわけのわからない美辞麗句を並べ立てるルーグさんに、ふと気づく。


 ルーグさん、ちょっと日本語ペラペラすぎない?


 ルーグさんは、見た目だけはそれはもう素晴らしい美人さんだ。そして、見るからに白色人種。伯爵だとか、名前もどう聞いても西洋風。日本人要素が見当たらない。

 なのに、どうしてこうも日本語が堪能なんだろう?


 「ルーグさんって、もしかして日本大好き!な方なんですか?」


 純日本人な私をベタ褒めするし、とちょっと聞いてみる。

 日本ラブ!ビバ日本!!な人なら日本語喋れたりも多分不思議じゃないし、私を美人とか言うのもまだわかる、気がしないこともない。………いや、やっぱわかんないけど、納得はできそう。


 だったのに。


 「ニホン?固有名詞のようですが……何ですか、それは?」

 「は?」


 まさかの日本を知らない、だと!?

 んなバカな!!


 「やっだなぁルーグさん、日本語喋ってるのに日本を知らないとか、冗談にもなりませんよ」


 もう、残念なイケメンがまさか冗談まで残念だなんて!笑いとりたいならもうちょっと考えなきゃ。

 それでもおひねり代わりに笑ってたら、ルーグさんはキョトンって顔をして。


 「私が使ってるのはトリシア語ですよ?」


 一気に、血の気が引いた。


 「ルーグさんったら、もうそんな冗談いりませんよ!日本語でしょ?」


 トリシア語?なにそれ知らない。そんなのあるの?何処の国の言語?

 ぐるぐる混乱するのを笑い飛ばすことで騙す。


 冗談だ、冗談。これはルーグさんの残念な冗談なんだ。


 言い聞かせても震え出して止まらない体。

 それに気づかないで、ルーグさんはもう一度繰り返す。


 「冗談ではありませんよ、私が使ってるのはトリシア語で、この聖パトラシャーナ王国の公用語です。ニホンゴとやらではありませんよ」


 何言ってんの。


 吐いたはずの言葉は声には出なかった。

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