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異世界で恋に落ちました  作者: 藤野
第九話
80/134

3

 次の日。そう、次の日、私はドレスの試着と言うことで珍しくイケマッチョ衆とも離れて自室以外の部屋に来ていた。シエラ?シエラはいるよ、ここでのお付きメイドだもん。

 まあ、騙されたって言い方もできるけど、私シエラ嫌いじゃないし。むしろ好きだし。出会ったばっかりの天然っぽいシエラよりは今の明け透けに物を言うシエラのほうが小気味こぎみ良くていいな、なんて思ってたり。

 グランについても、今はもう毛嫌いってほど嫌いじゃなくなってる…気がする。あいつのやり方とかは嫌いなんだけど、理由知っちゃったからか、ただ嫌い、とは言えないっていうか。いや、嫌いだよ?嫌いなんだけど、国のこととか真剣に考えてるっていう姿勢は認めてもいいかな、なんて。ほだされてるのかも。


 なんて、余裕ぶっこいて話してはおりますが。


 「さつき様、もっとお腹引っ込めて!」

 「ぐっ………ぐる、じ……」


 現在、絶賛死闘中でございます。

 なにこれめっちゃ苦しいよ!コルセット!!内臓出る!さっきから散々喚いたりしてるんだけどシエラをはじめ控えてるメイドさんたちは救いの手なんて伸ばしてくれない。どころかシエラに加勢してこれでもかってくらいコルセットを締めにかかってくる。


 「さつき様固くならないでくださいまし!コルセットが締められませんわ!」

 「こっ、これいっ、じょうは………っ」


これ以上は無理!なんて言葉も出ないほどに強い締め付け。世の花嫁さんってみんなこんな苦しい思いして式に臨んでるの?それも笑顔でとか、もう花嫁さんを尊敬せざるを得ない。女は強しとかって次元じゃないよ。愛の成せるわざなのでしょうか。


 そんな地獄の苦行もなんとか終焉を迎えて、よろよろの有様でようやくウエディングドレスに袖を通した。ウエディングドレスには世界的格差はない。普通に純白のウエディングドレスです。

 ただし、お金の掛け方はさすがお貴族様だね。銀糸ぎんしでなんとも精緻せいち刺繍ししゅうが目立たないながらも上品に施されてるし、ウエディングベールには透明なビーズ刺繍まで。ちなみにそのビーズ、素材はガラスやプラスなんかのお求めやすい物ではなくダイヤモンドだそうで。


 コレ来た私、総額いくらだろう?


 思わず聞いた私の反応ももっともらしいものだろう。聞いた瞬間後悔したけどね!平民が十回は余裕で人生やり直せるくらいだなんて聞いてないからね!

……………ハァ。

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