第1話
目が覚めたら、私は天蓋付きベッドで寝てました。
え、なにこれどゆこと?どこよここ。
なんでか体が動かないから首だけ動かして周りを見る。首も筋肉痛が辛いけど動くなら問題ない!……多分。
とりあえず、私のがいるのはなんか無駄に広い部屋。無駄って何、って思うかもしれないけど、本当に無駄に広い。
まず、私が今いるベッド。天蓋付きってだけでも驚けるのに、しかもでかい。私どころかお相撲さんが2、3人余裕で寝転べるよ。でかすぎ。
で、部屋。そんな巨大なベッドがあるにもかかわらずフリースペースたっぷりある。
家具が少ないわけでもなくで、まず社長室とかにありそうな重厚感溢れる執務卓と、それにみあった立派な椅子がある。リクライニングじゃないやつだから疲れやすそう。
執務卓の後ろは床から天井までガラス張りで、たぶん窓。ガラス越しにガーデンテーブルが見えるから、バルコニーもあるみたい。
直射日光が当たらないように工夫された配置で、背の高くて幅の広い本棚がずらりと並んでて、棚は全部分厚い本で埋まってる。本の装丁も豪華。遠いし文字が細かくて読めないけど、それが金字っていうのはわかるから。
それから、執務卓の前には脚とかに彫物がしてある来客用のテーブルと、それを挟んでソファーが2本。その下には深紅の高級そうな絨毯が敷かれてる。
結論、なんか金持ちの部屋っぽい。
え、ここ本当にどこ。なんで私こんなとこいるの?逃げたい逃げよう動け私の体!
とりあえず出よう、ここ出よう。
首の筋肉痛からもしかして、と思って踏ん張ってみたら、痛いけど、めちゃくちゃ痛いけど、なんとか動いた。腕一本浮かせるのがこんなに辛く感じたのは初めてだ。これじゃあ立ってられないだろうな。
なんでこんなことになってるんだろ?なんて記憶吹っ飛んだフリはしない。
夢落ち期待してたけどやっぱり現実なんですね、トホホ……。