表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で恋に落ちました  作者: 藤野
第二話
11/134

6

 「………と、こんな感じですかね」


 ルーグさんが分厚い本を閉じて、わかりました?と聞いてくる。

 私が目を覚ました部屋ーールーグさんの執務室から移動して、現在はヴァルガン伯爵家資料室。この国の地図らしい立体模型を前に聞かされた建国逸話に私は諦めた。


 何をかって?理解することを、だよ。


 酷すぎる筋肉痛で身動きの取れない私は、あの後ルーグさんに抱きかかえられて屋敷内を移動した。人生初のお姫様抱っこに恥ずかしいやら何やらで穴があったら入りたいと本気で思ったが、聞いたところによると、私が眠り続けてた3日間、お風呂などはすべてお屋敷の使用人さんたちが本当に手取り足取りやってくれたらしい。

 どうりで身綺麗なわけだと思ったが、それはつまり、あらぬ所まですべて……、ということで。

 それに比べたら現状って全然恥ずかしくないかな、って。まぁ結局は恥ずかしいんだけどね。


 ルーグさんは細い見た目に反して力があって、デブではないけどそれなりに重さのある私を軽々持ち上げて、それはもう平然と歩いた。近くなった顔に何故か嬉しそうな笑顔が浮かんでて、どうしてかと思ったけど、答えはまぁ、お察しの通り。


 「ああ、天女をこの腕に抱けるとは至福の極みっ!このまま一生あなたを抱いて暮らしたい……!!」


 そう、ルーグさん節が炸裂(さくれつ)しました。


 「やめてください恥ずかしい」


 ていうか本当は今の状況もお断りしたいんですからね、できないことは言わないけど!

 思ったことをそのまま素直にいえば、金だらいが落ちてきたみたいにガンッてショック受けてた。何がそんなに衝撃だったのかわからない。


 「そんな……お願いです、さつき様……どうか私を拒まないで……」


 あなたに捨てられたら私は生きていけません。なんて口走るこの人が、本当にわからない。


 誰かこの人の取説ください、早急に。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ