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異世界で恋に落ちました  作者: 藤野
第十三話
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4

 きらきらと着飾ってはしゃぐ女の子たちは、同性の目から見ても可愛らしい。相手の人たちが姿を現すより前から気合い入ってるのがわかって、流されてきた私は正直浮いてると思う。

 ま、いいけどね。普段から似たようなもんだし。遠巻きにこそこそ言われないだけ、あの時よりもマシってもんでしょ。

 半分諦めていたところで、ちょっと遅れて男性陣のご登場。慌てたように入ってきて、ごめんごめんっていかにも軽薄に謝っているのを横目に見ながら、これは駄目だなと早々にこちらも区切りをつけた。

 一応相手の名誉のために言っておくと、決して見た目がどうこうっていう理由での見限りではない。私はほら、ルーグさんとかで目が肥えまくっちゃったから感動が薄れてるけど、他の女の子たちはラッキーとかツイてるとかってきゃいきゃい色めき立ってるのがほとんどだし。

 一部の例外は、たぶん理由は私と同じ。気づいたんだと思う。

 この人たち、軽い調子で謝りながら私たちを見まわしたとき、目が値踏みするときの目だったから。言い方変えると、獲物の狙いを定める肉食獣の目、みたいな感じかな。あんまりにもあからさまだったのに、気付かない人っているんだねぇ。


 「ごめん、さつき」


 こんなはずじゃなかったんだけど、と心底申し訳なさそうに謝られる。謝られてもどう返していいのか、正直わからない。とりあえず首を振って、おまけに愛想笑いも付けておいた。多分苦笑いになっちゃってるだろうけど……。

 出逢いが期待はずれだったからと言って、お店まで残念ってことはないはず。切り替えて友達とご飯を楽しんでいればいいだけなんだから。

 さっさと見切りをつけた私たちとは打って変わって、はしゃいでいた女の子たちはさっそくお目当てを決めた模様。一瞬でアイコンタクトしたと思ったら素早く動きだして、相手に一番近い席を陣取った。今回は被らなかったからスムーズだったんだろうけど、もし被っちゃったりしてたらどうするんだろう?


 「………ごめん、本当にごめん」

 「謝んないでよ、悪いことなんてしてないんだから」


 口元を引きつらせる美帆を慰めるように肩を叩いて、逃げるように私たちはメニューと向き合った。

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