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異世界で恋に落ちました  作者: 藤野
第一話
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第1話

 私、森山(もりやま)さつきは、自分で言うのもなんだが、どこにでもいるような平々凡々な人間だ。

 サラリーマンな父親とパートの母親の間という普通な家庭に生まれて、義務教育は地元の公立に通って、高校もちょっと遠いけどやっぱり地元の公立に通って、今年ようやく大学に入学した、ごくごく普通の女子大生だ。

 両親に不満なんて無いし、友好関係にも問題無し。進路についても大学に入学したばかりだからそこまで深刻に考えなくてもよかったし、二次元に惚れ込むという日々の細やかな幸福(しあわせ)もあった。


 ゲームで遊んで、漫画を読んで、小説も読む。


 そんな、ありふれたことを楽しむ普通の人間なのだ、私は。


 …………………なのに。

 なのになのになのに!!



 「なんっで私は今森なんて場所にいるのよー!?」



 力の限り叫んだら、周りの木からバッサバッサ見慣れない鳥が羽ばたいて行った。

 そう、私は今何故か、な・ぜ・か!森なんて所にいる。

 自分で好んで来たわけではない。決してない。

 森ガールだか山ガールだかが最近は流行りなのかもしれないけれど、私は根っからの引きこ……ゴホン、インドア派なのだ。だから学校とか、本やゲームの発売日なら仕方なく外出するけど、さすがに森はない。ありえない。


 なのに、現状だ。森の中だ。わけがわからない。


 だって私さっきまで自分の部屋で乙女ゲームやってウヘヘヘ~ってなってたのよ!?美麗イラスト、ときめきストーリー、魅惑ボイスを余すこと無く堪能してた真っ先中だったのよ!?

 森になんてどうやってくるの!!

 なにこれ誘拐?誘拐なの?それとも私実は夢遊病でうっかりうたた寝してフラフラ彷徨(さまよ)ったとかそういうオチ!?


 わけがわからない!!


 とりあえず広い道に出ようと草の根がっさがっさ掻き分けて進むこと早10分は立つだろうけど、整備された道どころか獣道(けものみち)すら見当たらないし。

 何でよおかしいでしょ。動物住んでない森とか聞いたことないって。

 てかそんな森あったら食物連鎖とか生態系とか土壌問題どうなるんだろ?

 私文系だし理系のことなんかさっぱりだけどさ。


 でもさ、そんなわけのわかんないこと考えて現実逃避したくなるくらいには、結構参ってるわけよ。

 ね?だからさ。


 「誰かぁああ!いたら返事してくださーいっ!!」


 いや、マジでホントにお願いします。

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