日常の終わり 3話
二回戦と三回戦とも対戦相手が一回戦より大したことがなく、三行で表すと
開始する
指一本で吹き飛ばす
終わる
という感じで勝ち上がったので、すごく暇になってしまった。
一回戦のように吹っ飛ばされて恥ずかしくないのかな〜。闘気すら感じないのはかなり問題があるな〜。
それにしても弱い奴らだな〜。
俺なんて師匠に斬られ殴られ骨を折られ挙げ句の果てにさっきの奴よりも高く吹っ飛ばされ、挙句の果てにその直後にアルプス山脈横断か縦断をダッシュで走らされる日々なのに…
多分あいつの日頃の鬱憤を晴らす意味もあるんだろうから付き合ってるし、訓練として抵抗はしてるんだけど一向にかなう気がしない。
というか、まだ本気出されたら死ぬな、確実に。
今日も修行(という名のしばき)だから暇になるのは休憩出来るっていう面ではいいんだけど…
今日こそはあいつの2割を破りたいな〜
・・・考えたらなんか悲しくて涙が出そうになってきた。今何やろう、この間に依頼されてた武器でも作るか。なんだか面白そうな武器も無いし防具の方も適当なものですませれそうだしな〜。最近一級品を作れる機会も無いんだよな〜。
そう考えてると後ろから声をかけられた。
「貝田くん、君は約束通り決勝リーグに進出したみたいだな。」
生徒会長が苦々しく言う。
「まあ、たまたまですよ、たまたま。」
「たまたまで勝てるような相手ではなかったぞ?
恐らく君は決勝で私とあたるのだろうからその時には本気を出してくれよ。」
やっぱりバレてたと思いつつも絶対3割も出さないと心に誓いながら別の要件がないか聞いてみた。
「話はそれだけですか?」
「ああ、悪かったな引き留めて。」
と言って去って行った。
まったくよくわからない人だと思いながらも俺も準備を始めた。