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武田瑠璃ファンクラブ

この学校には、特定の生徒を応援する非公式なファンクラブが存在する。


もちろん先生にはバレないように活動をしているため、部室やらなんやらというものは存在しておらず、ただファンクラブが存在するということのみが知れ渡っている。

そのファンクラブに入会するには、学校の裏庭に置かれている目安箱の中に『入会希望』と名前だけ書いた紙を入れると、次の日に机の中に詳細が書かれた紙が入っているというものだそうだ。

そのいくつか存在しているファンクラブの中でも、今一番熱いのが、1年生の『武田瑠璃』を応援しているファンクラブだ。まだ入学してから半年も経っていないのだが、ものすごいスピードで膨れ上がってきて、現在では1クラスの生徒よりも多くなってきているとかなんとか。それでもROM専(掲示板などを読んでいるだけで書き込みをしない人)のように、とりあえず入って情報を得ているだけ、という人間も少なくはないため、実際に行動に移しているのはほんの10数人だけであった。


そんな中で一番の権力を持っている生徒、つまり会長の座に就いているのが現3年生の阿部という生徒だった。

彼は中学生でありながら、ファンクラブの会長であるという、根っからのアイドルオタ精神を秘めた男子だった。

彼が最初に瑠璃に出会ったのは、兄のサッカーの練習試合を見に来た時だった。

その時はまだ2年だったが、練習試合は何回か見に来たこともあり、兄の友達にも顔は知られていた。

高校は兄と同じところに入り、そこでサッカーを続けていくつもりだった。

そして練習試合で兄が試合に精を出して頑張っているのをいつものように見ていた。

ふと校舎のそばを見てみると、可愛い女の子が立っているではありませんか。

試合もそっちのけでその女の子を見ていた阿部は、その子が試合が終わると同時に、兄の部活の顧問の先生のところへと駆け寄っていき、楽しそうに話しているのを見た。その時に見た笑顔は今でも忘れない。

その後、兄に話を聞いてみると、その顧問の先生の娘だそうで、次の年度の新入生だそうだ。

その話を聞いたとき、彼の奥底に眠っていた何かが目を覚まし、瑠璃が入学すると同時にファンクラブを設立するまでに至ったのだ。

そんなわけで武田瑠璃ファンクラブは、今一番学校で人気のあるファンクラブとなっている。


そんなことは本人が知っているはずも無く、ただ瑠璃のことを『女神』と呼ぶものもいることを、本人は知らないのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


僕の過去作品でもファンクラブを出してますが、変人を出すならファンクラブを出すのが一番楽しいですw

常識的概念がズレてるのがたまらんw


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