6話 それぞれの来国者
俺と江川は、雪国ホワイトの女王の使いの者に誘われて、ホワイト国とスフェル国の間に位置する遺跡へとワープした。
その遺跡の周りは雪山で、この遺跡はちょうど二つの国の国境にあった。
さらに驚いたことに、この遺跡はかつて天真と戦い合ったあの遺跡なのだ。
あの時、天真の言っていたとおりなら、この遺跡は天使と悪魔と深い関係を持った遺跡ということだ。
俺は天真との戦いを思い出しつつ、俺たちは遺跡の中のトンネルを歩き出した。
歩きながら、江川が使いの者に聞く。
「この遺跡しか、この国は黒い箱はないのか?」
「はい、一般の国民が悪魔とあまり関係を持たぬように、先代女王が遺跡に一つ配置しました。それ以外の箱はすべて処分したと思います」
そう使いの者は答えると、遺跡の出口が見えてきた。
出口を抜けると、目の前にはとても上まで続く丘があった。
俺と江川はその天まで続きそうな丘を見上げていると、使いの者は俺たちに言う。
「この遺跡は雪山に囲まれているのです。この雪山を越えれば、ホワイト国ですよ」
「よし、行くぞ」
と俺は言い、俺たちは雪山を登り始めた。
一方、人間界の日本。
俺の住む街、平滝区の建物の屋上に二人の男がいた。
「この辺りか?悪魔武器の反応は」
とゼルは聞くと、黄色い短髪の男はレーダーのような機械を持って答える。
「悪魔武器の反応は近づいています。しかし、反応が二つある……」
「仲間を連れているのか」
とゼルは言うと、ゼルは屋上から地上にいる二人の少年を見下した。
「あいつらか?」
そうゼルは言うと、黄色い短髪の男は答える。
「いえ、違います。ですが悪魔の関係者です」
「なら、直接聞くとするか」
そうゼルは言うと、二人は建物の屋上から住宅街に飛び降り、二人の少年の目の前に飛び降りた。
「な……なんだ⁉」
「飛び降り自殺⁉」
二人の少年は飛び降りて来たゼルを見て混乱していた。
その少年は真司と朱希羅だった。
帰宅途中でたまたま会ったのだろう。
二人とも制服姿だった。
黄色い短髪の男も飛び降りてくると、ゼルは朱希羅と真司に聞いた。
「松田隼人を知っているか?知っているなら洗いざらい吐いてもらおう」
(隼人だと……⁉)
と真司は心の中で思うと、黄色い短髪の男はゼルに言う。
「ゼル様。こいつらが松田隼人の仲間だとしても、吐くことはないでしょう。ここでこいつらを殺してしまえば、松田隼人を誘き寄せるエサになるかもしれません」
「そうだな」
そうゼルは答えると、朱希羅と真司はそれぞれの悪魔武器を構えた。
「闘る気か⁉」
と真司は邪神の弓矢を構え、言うと、ゼルは黄色い短髪の男に言う。
「このガキども二人を相手にするには、一人で充分だ。下がっていろ、ガライ」
「その名前で呼ばれるのは、久々ですね」
と黄色の短髪の男、ガライは言うと、ゼルは朱希羅と真司に言う。
「さぁ、来い。すぐに消してやる」
朱希羅&真司VSゼル・フォナード!