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3話 三年ぶりの再会

雪国の王国 ホワイト。


そこの城の女王の部屋に、一人の執事がノックする。


「女王様、ゼル・フォナード氏が面会にいらしています」


と執事は部屋に入り、椅子に座っている髪飾りがど派手な女王に告げた。


「ゼルが……。いいでしょう、通しなさい」


そう女王は言うと、女王の部屋に青い髪のロン毛の男が入ってきた。


「お久しぶりですね。女王様」


とゼルは言うと、女王はゼルに言う。


「一体、何の用で?」


「やはり、あなたの言った通りだ。あなたの予知した一人の男。悪魔の継承(インヘリタンス)を持つ男は、今では悪魔界でも名のある男になった……。魔王と謳われたサタンデーモンを倒し、神と魔王の一部の力を持った男を倒した。あなたの予知は素晴らしい」


とゼルは言うと、女王はゼルに聞く。


「で?それがどうかしましたか?」


「私は、その男に興味を持ちましてね。この前、私の部下たちを捜索に出したのですよ。彼なら、あなたの告げた“滅びの予言”を打ち消してくれるかもしれませんよ。どうですか?」


とゼルは言い、さらに言い続けた。


「彼に全てを託してみては」



すると女王は答えた。


「余計なお世話です。既に手は打ってあります」


「クフフ、そうですか」


と笑いながらゼルはその場を立ち去った。


執事が女王に聞く。

「女王様、手は打ったとおっしゃっていましたが、それはどういう……」


すると女王は椅子から立ち上がり、窓の外を眺めて答えた。


「彼はもうすぐ、この国に現れます」





そのころ、日本では昨日の電車での事件を調べるために、俺と江川は悪魔界へと訪れていた。


悪魔界の街を歩きながら、江川が俺に言う。


「よし、まずはレアルのとこにでも行くか」

「レアルか、懐かしいな。三年ぶりか」


と俺は答えると、二人は悪魔城の門の前に訪れた。


「インターホン……あ、あった!」


と俺は言い、インターホンのスイッチを押す。


《ピーンポーン》



《名を名乗りなさい。そして用件を言いなさい》


とインターホンごしに命令されたので、名前と用件を答え、一人の悪魔が俺と江川を三代目悪魔王の下へと案内してくれた。


なかなか立派な部屋に案内された俺と江川の前にいたのは、肌が青く、髪はまっすぐ長い女性の悪魔だった。


「久しぶりだな、隼人」

「…………誰?」


と俺は返事を返すと、その女性の悪魔は答えた。


「何を言ってるんだよ?私、そんなに変わったか?」

「まさか……レアルなのか⁉」

「当たり前だろ、忘れたのか?」


いや、これは忘れたかどうかの問題ではない。変わり過ぎている。


だって小悪魔だった頃の大きさは俺の肩に乗るぐらいの大きさだったのに、今は俺とほぼ同じぐらいの身長だ。


顔も整形したのかわからないが、美人さんになっている。


俺は変わり果てたレアルを見て言う。


「三年間でこんな大人になっちゃうのか……」

「お前は三年経っても、前と変わらずアホ面してるな」


見た目は変わったが、口調や性格は変わっていない。


俺は今のレアルの一言で理解した。


そして、俺は一つ質問をする。


「っていうか、お前記憶は?」


「あぁ、半年前にいきなり戻ってきたんだ。原因は不明だが……。とりあえず今は健康だ。で?お前たちはなぜここに来た?」


レアルはそう聞くと、江川はレアルに聞いた。

「ジェラフートっていう悪魔を知っているか?」

「ジェラフート?あぁ、ゼルキルムの弟だ」


俺は驚いた。

「弟⁉ゼルキルムの⁉」

「そうだ。ゼルキルムによって両親とともに殺された悪魔だが。ジェラフートがどうかしたのか?」


そうレアルは聞くと、江川が答える。

「そのジェラフートが、昨日の帰宅途中、人間界の電車に襲撃しにきたんだ。それに、人間の男も」


「どういうことだ?ジェラフートは生きているということか⁉」


とレアルは聞くと、俺はさらに言う。


「しかもジェラフートはどうやらこの悪魔の継承(インヘリタンス)を狙って、人間界に来ているんだ。何者かに命令されてね」


「何者かだと?一体誰が……」


とレアルは考えていると、レアルは質問する。


「それと、人間の男も襲撃しにきたと言ったな?どういう奴だ?」


「黄色い、短髪の男だ。名は名乗っていなかった……。心当たりはあるか?」


と江川は言うと、レアルは答える。


「心当たりはないな……。だが、悪魔の継承(インヘリタンス)を狙う目的は、おそらくとても恐ろしいことだろう。今ではもう、天使の継承(インヘリタンス)も隼人が持つ悪魔の継承(インヘリタンス)中にあるからな」




そのとき、一人の悪魔が部屋の中に入ってきた。

「悪魔王様、来客です」

「入れなさい」


とレアルは言うと、部屋に現れたのは白いコートを着た人間だった。

フードを被っていて、素顔が見えなかった。


「できれば素顔を見せて欲しいのだが……」


とレアルは聞くと、白いコートを着た人は答える。


「申し訳ありません。それだけはできないんです」


「で?用件は?」


とレアルは聞くと、白いコートを着た人は答えた。


「このたびは、人間界の雪国、“ホワイト”から来ました。女王様の使いの者です。レアル様と松田隼人様という人間が親しいと聞いたので、松田隼人様の情報を得ようと、今回は伺いました」


「お……俺?」


と俺はその女王の使いの者に聞くと、その者は俺を見て言う。


「松田隼人様ですか⁉お願いです。私たちの国を助けてください!」



一体、この使いの者は何者なのか?





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