20話 天真VSゼル
丘の頂上へと続く洞窟の中では、ゼルがマースさんたちを待ち構えていた。
マースさんはゼルを見て言う。
「こいつがここにいるってことは、頂上にはもう仲間がいるのか?」
「ガライなら、死神の封印を解くために今、必死で頑張っている。お前たちには邪魔はさせないぞ」
ゼルはそう言うと、戦闘態勢になり聞いた。
「さて、誰から来る?全員相手にしても構わんぞ」
「じゃ、俺から行かせてもらう!」
天真はそう言い、天使の腕輪で天使化した。
ゼルは天真の腕輪を見て言う。
「天使武器か……」
するとゼルは右手の拳を握りしめた。
「気をつけろ‼江川から聞いた情報では、そいつは空気を拳を握りしめることで空気圧縮するらしい!そして圧縮した空気を強烈な突風にして放つんだ!」
マースさんはそう言うと、天真は返事を返し、ゼルに向かって走り出した。
「わかったぜ!つまり今の奴の右腕には空気が圧縮されてんだな!」
天真はそう言うと、高速のような速さでゼルの背後に移動した。
「……開‼」
ゼルはすぐに背後に右手を向け、その手をパッと開いた。
ゼルの右手から荒々しい突風が放たれた。
だが、次の瞬間、ゼルは前方から殴り飛ばされてしまった。
「ぐっ!」
態勢を整えたゼルは正面を見ると、そこには天神化した天真がいた。
「貴様、突風を避けたのか?」
「天神化した俺の移動速度を、なめるなよ」
天真はゼルにそう言うと、ゼルは両手の手のひらを握りしめて言う。
「あぁ、今のは序の口だ」
両手をグーにしたゼルは天真に向かって走り出した。
「両手で空気圧縮⁉」
黒鳥はゼルの握り締められた両手を見て言うと、ゼルの姿が突然消えた。
「……ッ‼」
ゼルが消えた瞬時、天真は何かに反応し、天真の姿も消えてしまった。
消えた二人を見て、黒鳥はつぶやいた。
「消えた?」
「いや、姿が見えないほどの高速スピードで戦っているんだ!」
と漢頭は言うと、天真とゼルの残像が殴り合いながら、洞窟のいたるところを駆け巡っていた。
「ぐあっ‼」
という声が聞こえると、洞窟の天井から天真が叩き落とされていた。
叩き落とされた天真はそのまま、地面に墜落してしまった。
天井からゼルが着地してくると、ゼルはその場に倒れ込んだ天真を見て言う。
「天神化したスピードというのは、その程度のものか?」
天真は起き上がらず、そのまま気絶してしまった。
一方、悪魔界ではレティアとラミレスたちが戦おうとしていた。
真司は周りを見渡すと、周りは廃墟のビル街だった。
悪魔は誰一人いそうにない。
なら、なぜこんな場所でラミレスは暮らしているのか?
真司は少し疑問に思ったそのとき、レティアがまた輝く無数のトゲを真司たちに放った。
しかもさっきより数は多く、攻撃範囲も広かった。
その攻撃に対して真司は無数の矢を放ったが、レティアのトゲの数のほうが多く、何本か真司たちに向かって飛んで行った。
真司は飛んでくるトゲを見て言う。
「ダメだ!矢が足りない!」
「俺にまかせろ」
ラミレスはそう言うと、ラミレスの手から魔法陣が現れ、魔法陣は大きくなり、真司たちの盾となった。
「これは魔術⁉魔術が使えるのか⁉」
朱希羅はそう言うと、真司は弓を構え、朱希羅とラミレスに言う。
「俺が援護する!朱希羅!ラミレスさん!二人はレティアに突っ込んでください!」
「「了解!」」
二人はそう言うと、レティアは光り輝くオーラを身にまとった。
「見た目は赤ん坊だが、油断はするなよ!悪魔界を一撃で葬ったほどの奴だ!」
ラミレスはそう言うと、朱希羅は廃墟のビルを使ってレティアのいる高さまでジャンプした。
「くらえ!」
朱希羅が空中でレティアにパンチを放とうとした瞬間、レティアを包んでいたオーラが弾けた。
「うわっ!」
オーラとともに朱希羅のパンチも弾かれてしまい、朱希羅は地面に無事着陸すると、先ほど弾けたオーラが光り輝く大剣となった。
その大剣がラミレスに向かって、勢いよく斬りかかるように落ちてくると、ラミレスはまた手から魔法陣を生み出し、大剣をガードした。
だが、魔法陣にヒビがはえてきてしまった。
「攻撃が重い!」
ラミレスはそう言うと、魔法陣は粉砕してしまった。
ラミレスは何とか大剣を避け、無事地面に着地した。
「レティア、やっぱ強いな。攻撃すら当てられねぇ……」
朱希羅はそう言うと、ラミレスはある武器を取り出した。
「さて、本格的にやるぞ。俺もこいつを使う」
するとラミレスはかつて牙斐矢が使っていた怪物の飴玉を取り出した。
「それは!食べると怪物になる飴玉!」
朱希羅はそう言うと、ラミレスは答える。
「俺はこいつを制御できる。自我も保てるしな」
すると、ラミレスの背中から緑色の鋭い翼が生えて来た。
さらに頭には角が生え、目つきは赤くなった。
「さて、行くぞ」
ラミレスはそう言い、上空にいるレティアに向かって羽ばたいて行った。




