1話 帰宅でのトラブル
日本とはとても遠くに位置する雪国、ホワイト。その国の中心にある都市、セントラルホワイトの城に一人の男性が現れる。
その男性は城下町を歩いていた。
髪の毛は青く、ロン毛で、前髪はオールバック。白く袖の長いコートを着ていた。
「おい……あれって……」
と城下町に住む人たちは、その男をじっと見ていた。
その男はやがて、城の門の前に訪れた。
見張りの兵士が男に聞く。
「あなたは!何の御用ですか?」
「話をしにきた。ここの女王とな」
そう男は言うと、兵士は男を女王の部屋へと案内した。
そのころ、嵐流高等学校。この俺、松田隼人が通う高校では、昼休みの時間が訪れた。
「隼人、お前、さっきの世界史の時間、寝てただろ」
と成績トップの生徒、江川 隗が俺に言ってきた。
俺は答える。
「寝てねぇよ。ただ目を閉じて、意識を失ってただけだ」
「それを寝てるって言うんだよ」
と江川は言うと、俺は江川に言う。
「だって世界史って……。なんで過去のことを勉強しなきゃいけないんだよ?って思わないか?5年前くらいならまだいいが、1000年も前の話だぜ?しかも遠い国の……。何だっけ?」
「ホワイトだろ?覚えやすい国名じゃないか。あの国は文化を大切にしていて、今でも兵士や女王だなどとやってる国さ」
「そんな白雪姫みたいな国の勉強してどうすんだよ」
こんなことを言う俺と、成績優秀な江川が同じ高校だなんて信じられない。が、これが現実だ。
そして、学校が終わり、下校時間となった。
俺も江川の帰宅ルートは同じ電車に乗り、途中で俺のほうが早く電車から降りる。という感じだ。
俺と江川はいつものように、スクールバックを両手で抱きかかえ、電車に乗る。
両手で抱きかかえないと、痴漢だと勘違いされてしまう場合もあるからな。
念には念だ。
そう思いながら、電車に乗っている俺と江川。
電車は走り出した。
走り出して数分後、座席に座っている一人の男性の身体がモゾモゾ動きだした。
「「?」」
と俺は江川と二人で不思議な男の現象を見ていると、その男は化けの皮を破り、悪魔の姿になった。
「いきなりかよ!」
と江川は言うと、悪魔は他の乗客に言う。
「手を上げろ!動いた奴は殺す!」
電車に現れた、この悪魔の目的は何なのか?