『分別と多感』のお金の話
■『分別と多感』のお金の話
『高慢と偏見』も、父親が限定相続によって土地を相続した地主なので、父親が死んだらたいした資産もなく放り出されてしまう5人姉妹の話でしたが、『分別と多感』のヒロイン・エリナーも似たような立場。
正確には、
①結構な地所持ちである大叔父(未婚)のところで、その相続人としてエリナーパパ・エリナーママ・エリナーと妹達が生活していた。
②でも、大叔父は、たまーに遊びに来るエリナーパパの先妻(死別)の息子のジョン(エリナーから言えば腹違いの兄)の息子(2歳)がえらい気に入って、ほぼほぼジョン&息子に土地を相続させ、エリナー父には、生きている間は地所からの収入は得られるけど、売ったり分割相続させるのはNGということにして死亡。
③しゃーない、地代からの収入を投資して、妻&娘達に残すしか…と思っていたら、パパはなんと相続してたった1年で死亡。
④エリナー父の先妻は金持ちだったので、ジョンはもう十分お金持っているし、パパに妹達を頼むぞ…言われてたのに、ジョンより更に金持ちの妻・ファニーが、女4人の暮らしやし、そんなにかからんからあいつらヘーキヘーキと吹き込んで、お金を分けないことに。
となってしまった流れです。
普段はエリナー達と一緒に暮らして仲良くやっていたのに、男系相続に夢を見た大叔父さんがあかんのや……戦犯大叔父さん。
エリナー達、お金まったくナシというわけではないけれど、田舎に引っ込んで人付き合いもせず生活を切り詰めまくれば「生きてはいける」というレベルの模様。
そんな暮らしで母一人娘三人、ただ老いていくとかいくらなんでもせつないということで、ここは全力で、「まともな暮らしをさせてくれる」男性と結婚するしかないのです!
いうてすぐ大叔父さんの地所から追い出すという話にはならず、しばらく客人という扱いでそのまま暮らすんですが、ファニーの弟のエドワードがやってきて、エリナーと恋仲っぽい?感じに。
でも、エリナーのような資産のない女性と弟がくっつくことをファニーが喜ぶはずもないので、なかなか険悪なことになってしまいます。
エドワードはまだ父の遺産を相続していなくて、資産の分配はファニーに輪をかけて色々とアレな母親の意向次第ということになっているので、勝手に結婚するわけにもいきません。
というわけで、結局、エリナー達は、ママの従兄のサー・ミドルトンが所有しているコテージに引っ越すことになり……というところから話が始まるのですが、とりまお金の話を、以下にメモりたいと思います。
<年収の例>
・ブランドン大佐
年収2000ポンド
※結構な地所持ちです
・副牧師の一般的な年収
年収50ポンド
※他と比べるといきなり少なすぎるので、住居提供アリ、なんなら賄い付きを想定している額かも。
・聖職禄(牧師。たぶん牧師館の使用権とかもコミ)
年収200ポンド
※額を聞いたジョンの反応からすると、聖職禄としては結構立派な額っぽい
・エリナーのお相手役のエドワード
母親の勧める女性(3万ポンドの資産持ち)と結婚したら、年収1000ポンドに相当する財産を分与すると提案されて追い込まれます…
<家計の相場の例>
・エリナー母と3姉妹の生活費
馬車なし、馬なし、召使いもほとんどいらないし、社交界のつきあいもないので年500ポンドで十分
※義姉妹にお金を出したくないファニーの発言なので、実際はもっとかかりそう
・「田舎のコテッジで、メイド2人と下男2人をおいて、こじんまりした幸せな結婚生活を送る」
年500ポンド
※妻がやりくり上手なら、という条件アリ
※ほかの人なら年1800ポンドは必要かもしれないけど、というセリフもあり。
※おそらく、紳士階級としてはこのへんが最低ライン?
・「召使いが十数名、馬車が一台か二台、猟馬と猟犬」
年2000ポンド
※マリアンが、チャラい系イケメン紳士ウィロビーとの結婚生活を想定して言うセリフから
※猟馬というのは狩猟をするための訓練をした馬で、馬車を引かせるのとはまた別ってことでしょうか。原著みないとちょっとわからんです。
大事なのは、紳士階級は不労所得で暮らすので、財産を土地とか信託投資したりして、地代や利子で生活していることです。
年率が微妙に違うんですが、だいたい6〜10%が相場のよう。
さすが大英帝国、なかなかの利率です。
なので、3万ポンドの資産持ちっていったら、年収1800〜3000ポンドくらい見込めるということ。
これ、今の日本円換算だとどうなんですかね……
マリアンが言うような暮らしが、現代の日本でどのへんに相当すると考えればよいのかようわかりませんが、外車ずらーのクルーザー持ってますー的な感じ?なんですかね。
いくらくらいでそういう生活になるとか、庶民ですのでちと想像つかんですが\(^o^)/