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バカな王子が嫌すぎる。  作者: 道野草花
6/10

プライドがエベレスト。

 応接室へ行くと、プライドがエベレスト級王子がこちらを睨みつけてきた。その瞬間、お父様は顔面蒼白になった。

 白い顔が更に白く〜なんて思いながらお父様の顔を見ていると突然、視界に床が映った。


ゴンッ!!!!!


 という鈍い音共に額に激痛が走る。床に額を打ちつけたことを理解した。


「たいっへん!!申し訳ございません!!!」


 お父様は自分の土下座と一緒に、私の頭も片手で掴んで床に額を擦りつけたのだ。親子で滑稽な姿だ。そして痛い。

 

 というか、なんで私が土下座!? 

 上体を起こそうとするも、お父様の腕の力が強くて無理だった。


「訪問直後に殿下がお見えになるということは…!!この娘が粗相をしてしまったのでしょう!!分かります!分かりますとも!!よくよく言い聞かせますので!!」


「お、おう…。」

「公爵様落ち着いてください。」


 父の勢いに圧倒されている王子と、困惑するサディスターの声が聞こえる。だけど、お父様の勢いは止まらない。


「誠に誠に誠に申し訳ございません!!しかし、これだけはご理解いただきたく…!!娘は本当に殿下をお慕いしております故…。な?」


 な?じゃないわよ。やめてよ。


「…な??」


 答えないでいたら、こちらにもお父様の圧がのし掛かる。


「そう…かも……です。」


 不本意なので、曖昧に返事をしてみた。


「フン、今日は体調がすぐれなかったようだからな。心配して見に来てやっただけだ。」


 ちょっとなんで満足そうなのよ。正直に、コケにされてムカついたって言いなさいよ。これだからプライドエベレストは。


「ありがとうございます!!殿下のお手を煩わせてしまって申し訳ない!!娘はもうすこぶる快調ですので!!」


 やっと床から解放された。もう信じられない。額にたんこぶ出来たわ確実に。


 立ち上がって王子を見る。視線が額に行っている。絶対たんこぶじゃん。


「わざわざ?ご訪問?ありがとうございます?…私はもう大丈夫ですので、お気遣いなく…。いたっ…」


 渋々嫌味を込めて言っていたら、お父様が私の腕を後ろからつねった。


「そうか…。」


 王子は額から視線を外す。いや、そのたんこぶはまだ大丈夫じゃないんだけどね。


「ふむ…。」



 王子は腕組みをして考えごとを始めた雰囲気を出して来た。



…ん?もう用済んだなら帰れ。帰れよ??



「今から城に戻るにも時間がかかるからな。デビルナもお気遣いなくと言っているし、今日はこちらで晩餐としよう。」



はぁぁあぁああああ!?!?!?






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