未来飛行
鏡の中の少年
本当は辛くて仕方のないくせに
電気を消す
服を着る
パンを食べ
荷物をマトメテ
旅へ
チューンガムを噛みながら
北へ
北へ
拳銃なんていらない
去来するものは何
車窓を見つめながら
少年は夏を行く
ポケットに夢と夢に見た未来飛行を詰め込んで
少年は飛行機の中へ
何を求めるわけじゃない
ただ
正直な
ただ
嘘のない
自分自身を
求める旅に出る
飛行機の窓に映る少年に罪はない
鼓動
孤独
もうすぐジャンプ
今
幸福を
探しに
少年は
人を愛すために
空を飛ぶ
風の通り道
少年を待つ
無限の世界へと
嘘でカタメタ大人にはなりたくないと
少年は窓を見る
今が今しかないのであるならば
生きる
生きる
空に無限の花束を




