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世界最後の英雄達よ ~The Last Storytellers~  作者: 晦日 朔日
二章 宵闇に笑うカノン
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プロローグ 夜が明け、全てが終わる。


 昔は夜が好きだった。

 夜は日中目にする世界とは異なる色を見せてくれる。

 蒼かった空を見上げれば、漆黒のカーテンの表面に無数の星が瞬き、月は夜にこそ真価を発揮する。

 それだけじゃない。

 闇の中では全てが無かったことに出来る。

 目に映らないから、何でも忘れられた。

 涙だって、拭けば跡も見えなくなってしまう。

 朝になれば、何事もなかったかのように笑えた。

 でもそれば結局幸せだったからなのだと思う。

 幸せだから、前を向けた。どんな不幸があったとしても、たった一つの幸せがあったから笑っていられた。

 だから、幸せが零れ落ちてしまった今となっては――夜が嫌いだ。

 きっともう二度とわたしが幸せになることはないのだろう。

 わたしは罰を受け続けなければならないのだから。

 わたしだけが幸せになるなんて、許されない。

 それだけの罪を、わたしは犯した。


 視界の端で闇を駆ける一筋の光。


 万の犠牲の上に、わたしは生きている。


 宵闇が爆ぜた。


 夜が、明ける。


 終ぞ拭かれることのなかった涙が、朝日にきらりと輝いた。

二章、宵闇に笑うカノン、開始です。

終わるまで非常に時間がかかると思いますが、長い目で見てください。なんせまだプロローグしか書いていないレベルです。期待しないで下さい。

私生活が本気で忙しいので数か月更新が開く可能性があります。

更に、裏で別の作品(「千の魔剣の物語」とは別に)を書いていますので更新頻度は非常に低いです。

ブックマークをしていただければ、更新が伝わるので是非。

何週間後かに、また会えるように頑張ります。

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