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この瞳にもう一度光を  作者: 夜闇
3/8

第3話  隠し味と照れ

 それから、わたしたちは少しずつ打ち解けて、話すようになっていった。


「おはよう、ケイくん。」

「おはよう、あんなさん。」

初めて彼と出会った日の朝から、ゆっくりと、ゆっくりと。


 最初の頃は、さすがに挨拶をしなくてはならないかもな、と思って、ぎこちなく、彼のほうを見ることができずに挨拶をした。


 でもケイくんが、

「おはよう、あんなさん。」

と、先に声をかけてくれるようになると、わたしからも挨拶をするようになった。


 「おはよう、あんなちゃん、ケイくん。」

看護師さんがワクワクしている様子で入ってくると、あのね、あのね、と嬉しそうな風だった。


「今日の朝のサンドイッチは、いつもと違うのよ。」

と楽しそうに言って、わたしと、きっとケイくんの前にも、お盆をおいた。


 「そうなのよぉ。今日のは特別なの。なんてったってね………」

ケイくんにいつも食事を食べさせている看護師さんも、ワクワクした風に言った。


「ちょっとダメよ、あんなちゃんに当ててもらうんだから。あんなちゃん、何入ってるかわかる?」

わたしにいつも食べさせてくれている看護師さんが、ケイくんに食べさせている看護師さんを遮った。


「何か、隠し味か何かがあるんですか?」

わたしが聞くと、看護師さんは、


「うふふ。まぁ、そんなところよ。さ、食べてみて。はい、あ〜ん。」

と言った。


わたしは首を傾げて、目を閉じ、看護師さんが運んでくれたそれをゆっくりと噛んだ。


 何か、シャキシャキしてて、甘いわ。

もしかして、これ………


 「どう、あんなちゃん?もう一口、食べる?」

看護師さんが、きっと首を傾げて言った。


「ううん、もういいです。わたし、わかりました。」

「「え〜!?」」

看護師さんが二人で、驚いている。


「りんご、ですね?」

わたしは微笑んで見せる。


 永らくにっこり笑顔になることがなかったわたしも、ケイくんと喋っているときは笑うこともあった。

それでわたしは表情筋をほぐすことができて、看護師さんにも微笑んで見せることができるようになったんだ。


 「なんでわかったの、あんなちゃん。」

ケイくんの看護師さんが驚いている。


「だって、味とか、なんでも、そうなんです。食感は梨だけど、味がりんごなんです。」

わたしがそう言うと、二人の看護師さんが驚いたようなため息をついた。


「あんなちゃん、本当に味覚が鋭いんだね。結構細かく刻まれてるのに………」

ケイくんの看護師さんが、驚いたように言った。


「わたしの、自慢なんです。」

わたしはそう言って、また口を開けた。


 看護師さんが、わたしの口にサンドイッチを運んだ。

もきゅもきゅと噛むと、りんごの甘みが口に広がる。


 「あんなちゃん、嬉しそうだね。」

看護師さんに言われて、頷いて見せる。


「はい。美味しいんです。いつものサンドイッチも好きですが、これもとても好きです、美味しいです。」

「それは、イワキサン、喜ぶわ。」


 イワキサンというのは、栄養士さんの名前だと、少し前に母が教えてくれた。


 「それなら、イワキサンに、いつもバランスのいい食事をありがとうございますって、伝えてください。」

わたしが言うと、看護師さんは驚いたように、


「最近、あんなちゃん、よく喋るようになったよね、社交的に、さ。」

と言った。


 それから、クスッと笑って、

「何か、いい原因でもあったのかしら?」

と意味ありげに言った。


看護師さんの視線はわからないけど、きっとケイくんのほうを見ているのだろう。


「違いますよ、違いますよ!」

わたしは恥ずかしくなって告げる。


 「どうしたの、あんなさん。」

ケイくんは鈍感にわたしに聞く。


「なんでもないよ、ケイくん。早くサンドイッチ、食べようよ。イワキサンの考えたのだもん。美味しいよ。」

「………そうだね。」

ケイくんはそう答えた。




 わたしたちが食べるのに夢中になったので、わたしたちはいつもより少し早く朝食を終えた。

食べやすい、サンドイッチというメニューだったせいもあるのかもしれない。


 するとっ。


 「でもほんとすごいですよね、あんなさんは。ぼくは味覚があまり鋭い方ではないので、羨ましいです。」

ケイくんが唐突にそう言った。


 それが恥ずかしくて、わたしは布団を被り直した。

 読んでくださってありがとうございます!!


 りんごくらいなら誰でもわかりそうなもんですけどね。

わたしは味覚がアホなので無理かもしれませんけど。


 え〜っと、字数大丈夫かな?

と心配になりながら書いています。


 これからもよろしくお願いします!


 それでは次のお話でお会いしましょう!

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