92 責任
どうも、3の倍数です!
次の投稿予定日は11月26日の火曜日です!
それではまた
「アヴィさん、本当にいいんですね?」
「……やめてよ。決心が鈍っちゃうじゃん」
「あ……ごめんなさい……」
「別にいいよ。その代わり思いっきりやっちゃって!」
「……はい!」
リウスは空間魔法で空にいるワイバーンの所まで瞬間移動して、風魔法で一気にワイバーンの首を落とした。
「生き残りは……あ、いた!」
生き残りを見つけたら容赦なく風魔法で首を切って行く。
そして数分が過ぎ……
「アヴィさん、終わりましたよ」
元気よく報告できることでは無い。
「うん。ありがとう」
「それじゃあ戻りますか……」
その時……
「アヴィさん!?」
アヴィが倒れてしまったのだ。
「う……ごめんね。覚悟はしたつもりだったけどやっぱりショックだったみたい」
「アヴィさん……」
「とりあえず……私の事運べる?羽とかあるから重いと思うけど……」
「それじゃあ空間魔法で一気に飛ばしますね」
リウスが空間魔法を使うとすぐに小屋の前に着いた。
「あ、戻ってきたの……ってアヴィ大丈夫なの!?」
「あ、リゲル。ごめん、ちょっと気が抜けちゃって」
「怪我とかして無ければいいのよ。とりあえず今夜は私達が泊ってる宿に泊まらない?」
「うん。でも私竜人だけど大丈夫なのかな?」
「駄目でも隠せば大丈夫よ!最初私達も気づかなかったし」
「だよね。それじゃあお言葉に甘えてそうさせてもらうよ」
そうしてカペラを除く五人は宿に戻った。
その夜……
「私の馬鹿……もっと練習しとけばよかった……」
カペラは一人ですすり泣いていた。
「やっぱり、ここにいたんだ」
「アヴィ!?なんでここにいるの!?」
「リウスが言ってたよ。森の中には人の反応が二人しかいなかった、って。森の中で探知魔法が行き届かないのはここ、私の小屋だけだもん」
アヴィの家には魔力障壁が張ってあったのだ。
当然、探知魔法も妨害される。
「そんな事聞いてない!なんで私の所に来たの!」
「カペラが心配だからに決まってるよ。みんなも心配してるから帰ろう」
「なんで私に構うの!私はアヴィの体を動きにくくした張本人なんだよ!」
「何言ってるの?私はカペラに助けてもらったんだよ?」
「違う!私がアヴィを完全に助けきれなかったんだよ!私が悪いんだよ!」
カペラは自分を責めすぎている。
それで自ら悩んでしまっている。
「……商店街での事、リウスに教えてもらったよ」
「それがなんなの!私の嫌な記憶をまた掘り起こすつもり!?」
アヴィは首を横に振り……
「辛かったんだよね」
「……っ」
「悲しかったんだよね」
「……」
「お疲れ様」
「……アヴィ……ううっ……ごめん」
カペラの目から大粒の涙が零れ落ちる。
「大丈夫、って言うか謝られることされてないんだけどなぁ」
「アヴィが一番辛いはずなのに……こんな時に……本当にごめん」
「別に私は全然辛くないよ」
そんな強気な事を言いながらも、アヴィは少し寂しそうだった。
「……アヴィは本当に強いね……」
それから少ししてカペラが泣き止んだ時……
「あの時ありがとうね」
「え?」
「私が竜人なのに信じてくれて」
「別にそんな事感謝される事じゃないけど……」
「……私ね、昔から差別を受けてきたんだ。人からも竜からも」
「……え?」
「一回人族の学校に通ってみたの。初日から竜人ってバレて、クラス全員に物を投げられて、先生も止めにかからず。結局一日でやめちゃった。かと言ってワイバーンの巣に戻ると私の事を『出来損ない』呼ばわりする竜ばかりで。私の家族全員が差別、というか虐待を受けてた」
竜人、どっちの種族から見ても中途半端に見える立場だ。
しかし差別や虐待は許されていいものではない。
「そんな……」
「だから初めて信じてもらえたんだ。本当にありがとうね」
「それじゃあ貸しって事で一つお願いがあるんだけど……」
「えー何それ。まあ聞くだけ聞いておこうかな」
「……これからも友達でいよう!」
「……こちらこそ!」
二人でしばらく笑った後、宿に戻っていった。




