38 学級対抗戦闘能力向上大会16
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以上です。
「あ、そうそう、僕のことはパイオニアって呼んでほしいな」
「わかりました。私はリウス・コスモです。それでは行きますよ!」
まず、リウスは土魔法で相手を囲ってから炎魔法を撃った。
「甘いね」
パイオニアはそう言うと欠けていた爪を予備の刃に変えて、リウスが撃った土魔法を斬った。
「マジですか……ならこれです!」
『ヒュヒュヒュヒュヒュ』
空から闇魔法の矢がパイオニアめがけて降ってきた。
『キキキキキン』
しかしパイオニアは爪ですべて弾く。
「コスモさんだったよね?君に良いことを教えてあげるよ、
……君は二つハンデを背負っている」
パイオニアが若干謎めいたことを言う。
「え?ハンデなんて背負っていませんよ?」
「いや、まず一つ目は後ろの二人だよ、君は二人を守りながら戦わなくてはいけない」
「あ……」
リウスの後ろにはギウスとカペラがいるのだ。
「もう一つ、君は人を殺したことがあるかい?」
「な、無いに決まってるじゃないですか!」
リウスは即答した。
「その通り君は人を殺したことが無い、単刀直入に言おう、君は僕を殺すことを躊躇っているね」
「そ、それはそっちも同じじゃないですか!」
パイオニアは少し驚いた後、
「ああ、ここの人間は僕の正体を知らないんだね。
僕は王都最上位牢獄、囚人番号132番、今は脱獄犯。捕まる前にも何人も殺して儀式をしたよ。」
「え……」
リウスは怖かった。
自分は人を殺したこともないし殺したくもない。
相手は人を殺したことがあり、今も殺人衝動に駆られている。
自分は相手を殺せない。
相手は自分を殺せる。
そうして、リウスは殺さなきゃ勝てないということに気付いた。
「……」
リウスは巨大な光線を前方に向かって撃った。
「……くっ、強いビームだね」
それをギリギリ防御魔法で防ぐパイオニア。
「……」
今度は地面から土魔法の針で攻撃した。
「おっと」
(コスモさんの魔法がさっきよりも速い、
しかもそれを躊躇いなく撃ってくる。これは考えることをやめたかな?)
そうして上に逃げたパイオニアに、
『グシャグシャグシャ』
(へえ、これは風魔法の真空刃かな?見事だね)
しかしパイオニアは平気に地面に降りる。
「そういえば僕の行っている儀式の内容を言い忘れていたね。
僕が行っている儀式は生物の機能制限を無くすものだ。
今までやったのは、身体能力リミッターの解除、魔力の制限量の解除、痛覚の解除、こんなところかな」
「……」
そうして話が終わった瞬間。
『グサササササ』
「……へぇ、驚いたよ、まさかこんな罠が仕掛けてあったなんて」
パイオニアの下には植物魔法で作った茨でパイオニアを刺したのだ。
「……僕はここまでっぽいね、それじゃあさようなら」
今までで一番清々しくパイオニアは言った。
「……」
『グサッ』
リウスは闇魔法で心臓を一突きした。
パイオニアは最後に少し笑ってから静かに瞼を閉じた。
「リウス……終わったの?」
物陰に隠れているカペラから声がかかる。
「……」
「おい!リウス答えてくれよ!」
「……」
「もう大丈夫ってことにするよ!」
そうして物陰から出た二人。
そこには……
「「え……」」
二人は絶句した。
目に映ったのはパイオニアの死体と返り血を浴びたリウスだった。




