3 入学試験
それから 一週間後、五つの村の中心地にある初等学園、レゴリス初等学園に新たな生徒が入った。
合計十七人という例年通りの入学人数。
その前日、つまり入学式の前日に試験が行われる。
これによって学園に入れなくなるということはないが、三つあるクラスの内どこに入るかが決まる。
行われる試験は三種類、 筆記 運動能力 魔力制御の三つだ。
「今年はどんな新入生が入ってくるかの」
校長がそんなことを呟きながら試験監督をしている。
まず筆記の試験。
苦戦している生徒が多数いるなか一人だけ迷いなくスラスラ解いている女の子がいた。
きれいな赤毛の子だった。
(あんなに解ける子が来るなんてめずらしいの)
名簿を確認してみると『プトレマイオス村 リウス・コスモ』となっていた。
(あそこの村のか。 いい子を育てたもんじゃ)
などと考えているうちに筆記は終了。
次は運動能力。
具体的にはこの世界でいうところのシャトルランと100m走だ。
まずは100m走からだ。
「位置について!」
校長が合図する。
「よーい どん!」
一斉にスタートした。
やはりまだ六歳児なので足は遅いが、一部大人並みの速さで走る生徒もいた。
さっきの赤毛の子ともう一人黒髪の少年だ。
(んん?あの子は……)
名簿を確認してみると 『プトレマイオス村 ギウス・ベテル』となっていた。
(またあの村か、神様の加護でも受けたのかのぉ)
と、考えているうちに全員がゴール。
一位が赤毛の子、二位が黒髪の少年だった。
(あの赤毛の子、将来王国騎士団でも目指しているのかのぉ)
最後に魔力制御。
ここにも飛びぬけている生徒が何人かいた。
一人は赤毛の子、もう一人は茶髪の女の子だった。
(あの二人の魔力制御量、だいぶ高いの。これは将来が楽しみじゃ)
名簿を確認するとまたまたプトレマイオス村 カペラ・ダイヤモンド
と、なっていた。
(今年のプトレマイオス村、いい人材を出してくたの。今度、視察に行くとするかのぉ)
そうして全科目の試験が終わった。
試験が終わり、校長を含む教員三人で試験の答案や、記録を確認していた。
「……校長、これは……」
男性教師が校長に聞いた。
「うむ、これは王都にsクラスの作成要請を出さねばならんな、ついでに教員の追加要請もな」
「はい!すぐにいたします!」
こうしてこの学園に新たなクラスが生まれるのであった。
試験が終わった後、リウス ギウス カペラの三人はすぐには帰らず校舎を見て回ったりしていた。
もちろん教員に許可を取って。
「疲れましたねー」
リウスが一番に口を開く。
「そうだなー」
「そうだねー」
ギウスとカペラがやる気のない返事を返す。
「ていうかリウス、敬語じゃなくていいって言ってるだろ」
ギウスがリウスに言った。
「いやぁ、なんかもう癖で……」
少し沈黙した後にカペラが、
「……同じくクラスになるといいねー」
「そうだなー」
「そうですねー」
またやる気のない返事を返す。
「そろそろ帰りますかー」
「そうだなー」
「そうだねー」
と言って三人は帰路についた。
どうも3の倍数です!
とりあえず今のところは毎日投稿できてますが……いつ毎日投稿できなくなるかわからないので
もし投稿されてなくても不思議に思わないでください!
とりあえず次の投稿予定日は7月1日、明日です!それではまた次回の投稿で