12 表彰
あの後、リウスはすぐに退院した。
退院して、一番に向かったのはあの町だった。
おばあちゃんも含む犠牲者の、弔いの儀式は昨日終わってしまったので、
今日はおばあちゃんの個人での弔いになる。
「……着きましたね……」
「そうだね……」
「そうだな……」
そうして三人は空に向かって花を投げるという伝統的な弔いを行った。
「よし!これでお別れもできたことだし、町の復興の手伝いをしようぜ!」
「はい!」
「うん!」
学園には事情を説明して、一日休みをもらった。
なので、三人は仮設住宅や、畑などを作る手伝いをしたりしてその日は家に帰った。
次の日から、三人は一日遅れの学校に通った。
校舎に入るとすぐに校長が出迎えてくれた。
「おお、三人とも一昨日はよくやった」
校長は休んだことについては何も怒らず、むしろオークを殲滅したことを褒めてくれているようだ。
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ」
「あれは私たちがやりたくてやったことだしねー」
「そうだぜ」
そうして三人が教室に向かおうとした時、
「あ、そういえばお前さんたち三人は、これから表彰があるから荷物を置いたら集会室に集合な」
「「「え?」」」
「どういうことだ!?」
校長はちょっと呆れた素振りをしたあと、
「そりゃ王国騎士団が壊滅状態になった変種のオークを三人で住民を避難させ、殲滅したんじゃぞ、
表彰されないほうがおかしいじゃろ」
「まあそうだが……」
「で、でも来るのはさすがに分隊長レベルの人だよね?」
校長は手帳に目を通して、
「いや、確か副団長のモホロビ・チッチさんだったはずじゃよ」
「嘘でしょ……?」
「とりあえずすぐに集会室な」
集会室の入り口に行くと校長が待っていて、
舞台裏に連れていかれた。
「三人とも、こちらが王国騎士団副団長のモホロビ・チッチ殿じゃ」
「「「こんにちは!」」」
「はじめまして、私が王国騎士団の副団長、チッチです。
まず、王国騎士団が全滅しかけた変種オークの群れを討伐してくれてありがとうございます」
(あれ、思ったより優しい人だった……前世では騎士団は威張ってるイメージあるのになぁ)
「それと、今日の表彰式なんですが、王国軍総長から、『王国の威厳があるから普段の喋り方では
なく威厳のある喋り方にしろ』と言われているので表彰の時にだけ喋り方が変わりますが、
気にしないでください」
「「「はい!」」」
「三人とも、そろそろ出番じゃ、チッチさんもたのむぞ」
「それじゃあ舞台の上で会いましょう」
「うん、よろしくー」
「よろしくするぜ!」
「よろしくお願いします!」
チッチと三人は返事をして、別れた。
「生徒の諸君、今日は臨時の集会じゃ
今日は変種オークの群れを討伐した、一学年の三人、
リウス・コスモさん、ギウス・ベテルくん、カペラ・ダイアモンドの表彰があるんじゃ」
周りが少しざわついた。
「それでは王国騎士団副団長、モホロビ・チッチ殿頼むぞ」
周りがさらにざわついた。
そうして、舞台にチッチとリウス達三人は登った。
「王国騎士団長の名を借り、ここに表彰する!
この三人、コスモ殿、ベテル殿、ダイアモンド殿、
あなた方は王国騎士団が討伐に失敗した変種オークの群れを討伐し、
王国に貢献したことをここにたたえ、これを表彰するとともに、
王国騎士団、及び魔法師団の自由勤務団員の称号を与える!」
(あれ……?一瞬変な言葉が聞こえた気がしたけど……気のせいだよね?)
気のせいではなく、残りの二人もリウスと同じことを考えていた。
とりあえず三人は表彰状と団員証をもらい、舞台裏に退避した。




