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出来損ない日記① 悲劇への始まり

作者: さくねゆき

はじめまして、僕は手先が不器用な男です。

名前は、名乗るほどでもないので不器用さんとか、不器用だるまとか、ぶっきーとでも呼んでください。

ところで僕は先に書いた通り本当に手先が不器用です。僕がどれくらい手先が不器用なのか、少し書き出してみます。

①折り紙の三角が綺麗に折れません

②お箸は正しく持てるのですが何故か豆を掴めません

③雑巾を縫うと必ず違うものになります

④粘土をやると一つも作品が作れずに終わります

⑤丸い円が描けません

⑥絵を書くと世にも奇妙なキャラクターができます

(このまえドラ〇モンを書いた所友達になにこれ、 新種の生き物?!と驚かれてしまいました)

⑦紐が上手く結べません



と、まぁ、こんな感じでものすごく僕は不器用です。

けれど僕以外の家族はものすごく器用です。

母は手先が器用でないといえない職業についていますし、父は建設業なので図面などがすごく綺麗にかけて器用です。兄は細かい仕事をするのが好きなので昔から僕が出来ないことは兄がやってくれましたし、弟は折り紙が綺麗に折れます。

僕の家族は5人家族なのですが、僕だけが不器用なのです。ただ、家の中では「お前は不器用だから仕事をするな」とか「不器用でも甘えるな、自分でやれ」など言われることはなく比較的平和に暮らしていました。


そんな僕ですが、先月アルバイトをはじめてみました。アルバイトの内容は飲食店のキッチンの皿洗いや軽い調理、と書いてありここでいいやー、近いしーと、いい加減な気持ちで決めました。

結果は悲惨なものでした。

アルバイトを初めて1日ですぐに辞めたいと思いました。理由はごくありがちな先輩がこわいから、また、うざいから、ではなく、単純にやることが多いから、でした。家の中で平和に暮らしていた僕は社会の厳しさに適用できなかったのです。僕は手先が不器用なだけでなく人の顔や仕事内容を覚えるのが超絶苦手なのを忘れていたのです。ただ、まだ1日目です、1日で全てを覚えれるわけがないと親に言われ、よし、1週間頑張るぞ!と思っていた矢先に2日目は泣いて帰ってきたのです。なんと情けない話でしょうか…僕が泣いた理由は「先輩に怒られたから」です。

当たり前です、ゴミ捨て場の位置が分からなかったのですから…先輩に「そんなの1回で覚えろよ」と言われお店が日曜日で超絶忙しかったことに加え先輩からの一言がグサッと突き刺さり、泣いて親に事の一端を言って電話をしてもらいました。今考えればお店にとってはすごく迷惑だし1回でごみ捨て場を覚えられなかった僕が悪かったんです。けれど僕は家の中で平和に暮らしてきた身のため、泣いてしまったのです。

親に「それくらいで泣くな、まだ二日目だよ、まだ頑張れるよ」などとゆう優しい言葉をかけてもらい、なんとか立ち直りましたが、何故か週の土日にしかシフトを入れてもらえず仕事はすぐに忘れてしまうし、また怒られるしで悪循環でした。

その時僕は初めて思い知らされました、「僕は手先だけが不器用なんじゃない、全てにおいて出来損ないなんだと。」

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