第28話 本題、”デート”?
「さ、帰るか」
サイクルショップ中野から1階に下りて外に出るとコタローはもうわたしには用なしみたいな言い方でさっさとバス停に向かおうとする。
「ちょちょ、待ってよ」
「何だよ」
「せっかくだから、お茶でも飲んでこうよ」
「?お前、何か変だぞ。それじゃまるで‘デート’みたいじゃないか」
うわっ、核心に触れる単語を軽々しく言うなよ、コタロー。でも、このままじゃ単に‘建物の中’で会っただけで、自転車抜きで会ったことにはならない。ゆうきと話してた‘確認’ができない。なんとかしなくちゃ。
「いや、変じゃないよ。ただ、ちょっと喉が渇いたし、ずっと立ちっぱなしで疲れちゃって」
「ああ。そりゃそうだな。俺も自転車乗るのは全然疲れないんだけど、ただ立ってるだけっていうのは偉い疲れるんだ。だから、バイトの休憩時間はローラーで自転車乗るんだよな」
「そうでしょ。大都でも寄ってこうよ」
「そうだな」
2人で大都に向かう。コタローは自転車も速いし徒歩も速い。いつの間にかわたしが小走りになってる。
「ここにしよっか」
上の階に上がるのも面倒なので、わたしは1階に入っているお洒落なチェーンのカフェを指さす。
「あ・・・まあ、いいか」
「何?」
「いや、北星の奴らがいたからさ。ま、別にいいか。入ろう」
「え、え、よくないよ。友達に誤解されちゃったらコタロー、困るでしょ」
「誤解って、何を?」
「いや・・・わたしがコタローの彼女とか思われたら嫌でしょ」
「何、お前が嫌なのか?」
「ううん、コタローが嫌でしょ」
「友達だって言えばいいじゃん」
「でも、状況が‘彼氏彼女’っぽいじゃない」
「そうか?お、順番回ってきたぞ」
いつの間にかカウンターの前まで来てしまってた。
「支払い、別々でいいよな?」




