8話 武器をGETしたけれど…
「スズ!次は左を頼む。」とカケルが指示を出しながら、斬撃を飛ばし、足軽の格好をした猿5匹纏めて倒す…
その5匹の後ろに居た武将のような格好をした猿は、周りに居た猿よりも一回り大きい。
その猿はガードし斬撃を耐えるが、カケルはジャンプし、その猿を縦に斬り裂いた。
その一方で、指示を聞いたスズは足軽っぽい猿を右手に持ている剣で斬りつけ、そのまま回転し回し蹴りをし、猿を吹き飛ばす。
無傷の猿は、吹き飛ばされた仲間を見る…
その一瞬の隙をスズは見逃さず、左手に持っていたナイフを投げる。
猿は反応できずに腕に刺さり、猿は悲鳴をあげるが、その時にはスズはすでに猿の目の前に居て首をはねていた…
素早く投げたナイフを拾い、倒れている猿へ投げると眉間へと吸い込まれるように刺さり光の粒子になり消えていった。
どうも、ゆきです。
私達は8階の、モンスターハウスに居ます。
50匹以上の猿達がいたのですが、お兄ちゃんとスズさんが次々と斬り倒していき、メグミさんは回復や防御力を上げるなどのサポートをし、シンジさんがお兄ちゃん達が囲まれないように、魔法を放ち倒してました。
私ですか?はーくんの背中に乗っていました…
はーくんは、雷魔法を撃ったりしながらも安全な場所に移動してくれてました。
ディーネは、はーくんの上で私の前に座る形で防御魔法を使って守ってくれてました。
なんでも良い装備が稀にドロップするそうです…
「お疲れ、装備ドロップしたか?オレは桜花の下駄が入ってた。」とお兄ちゃんが言う。
「私は、素材だけだった…」とスズさんが口を尖らせて言う。
「僕も、残念だけど素材だけだね…」と残念そうにシンジさんが言う。
「私は、桜花の着物がドロップされてたわ。」とメグミさん
「私は、桜花のリボンと鉄扇が2種類ドロップしたよ」
私がそう告げると
「2種類の鉄扇?今まで聞いたことないな…どんなのだ?」とお兄ちゃんに聞かれた。
私はその2つを取り出して見せる。
お兄ちゃんはそれをじっくり見たあとに
「こんな装備は初めて見たぞ…」と呟くように言う。
その声が聞こえたのかスズさん達も鉄扇を見る。
「ゆきちゃん、おめでとう。凄い装備手に入れたね♪」とスズさんが言いながら撫でてきた…
お兄ちゃん達も「ラッキーだな」や「おめでとう」、「よかっわね」と言われた。
鉄扇を鑑定してみる。
桜花の鉄扇[白]は白地にピンクの花びらが散りばめられたデザインで
STR+150・VIT+20・AGL+30と変化とあった。
変化するのは《鉄扇》《刀》《薙刀》《神楽鈴》に変化可能で
もう片方の鉄扇は、桜花の鉄扇[黒]でデザインは黒地にピンクの花びらが散りばめられてあった。
STR+20・VIT+100・INT+80で変化するのは《鉄扇》《弓》《和傘》《神楽鈴》に変化可能だが、神楽鈴のみ両方とも特定の条件下でのみ変化可能となっていた。
これ他のプレイヤーの人に妬まれそう…
お兄ちゃんがこんなの初めて見たって言ってるし…
「ゆき、固まってるみたいだが、とりあえずこの下駄渡すぞ」と下駄を渡され
「私のドロップした着物も渡すね」とメグミさんにも渡された…
まだ鉄扇の事で固まっていた私は無意識に受け取ってしまう…
「ゆきちゃん♪」とスズさんに抱き締めれた事で
「ふぇ?」っとビックリして間抜けな声を出してしまった…
シンジさんに助けてもらい、スズさんから解放される。
「ゆきちゃん、不安そうな顔してるけど大丈夫?」とシンジさんに言われた。
どうやら顔に出てしまっていたようです…。
「この装備がトラブルの素になるかも~と考えてました…」
「たぶん大丈夫だと思うよ?戦闘中に状況に応じて武器をアイテムBOXから交換してる人は結構いるから。ゆきちゃんも誰かに聞かれたら、そう答えれば良いよ。」とシンジさんに言われた。
そんな交換方法があるなら大丈夫そうだよね…気持ちが楽になり鉄扇をアイテムBOXに入れる。
あれ?何で私の手に着物と下駄があるの?何時受け取ったの?
「お兄ちゃん…これ…」と着物と下駄を前に出す。
「ゆき、覚えてなくても受け取ったんだから返すなよ…」とニヤニヤしながらお兄ちゃんが言った。
お兄ちゃんをジーっと睨み付ける。
「ゆきちゃん♪頬を膨らませて可愛い♪」とスズさんが言いながら体をくねくねさせている。見なかった事にしよう…
スズさん以外を見てもニコニコしてるだけなので諦め、皆にお礼を言う。
それから貰った着物と下駄そしてドロップしたリボンと鉄扇を選択し装備をすると…
お読み頂きありがとうございます。
少し忙しいので、次回は6月25日投稿予定です。