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作戦成功……?

 カイルは僕剣ではクールなキャラだった。

 たまに主人公に対して素直になれないながらもデレたり、主人公を影から何だかんだ言いながらも助けたりする所が人気でカイルファンの胸をキュン死にさせていた。


 大事な事なので2回言うが…

 

 カイルは、クールなキャラなのだ!!!


 こんなのは断じて違う。


 今私とカイルは、あのキレイなメイビィス家の庭にいる。

 そして当のカイルと私の現状はというと、

 

『おい!そこの。』

「……」

 この庭には今私しかいないので、そこのとは私の事である。


『無視すんな!』


「……」


 さっきからこの調子だ。私がずっと無視しているからか勝手にキレている。


 

 てか、何だあの尊大な喋り方と人を見下している態度は?

いくら自分の家柄が上だとしても私達は同い年だぞ?

あんな奴と話すとか私にとっての拷問以外の何物でもない。

 それに、さっきまでドミニク様とお父様がいた時との態度が違いすぎるし一人称も僕から俺に変わっている。

 さっきのカイルが静かな少し生意気な奴だとしたら

今はただの我儘なおぼっちゃんだ。

 これがどうしたら将来あんな性格もイケメンなクールなキャラになるのだろうか?

 人間の可能性って無限なんだと改めて感じさせてもらえた。


 あの感じじゃ果たして作戦を実行する意味はあるのだろうか?わざわざやらなくても平気な気がする…

 何もしなくとも勝手に嫌ってくれそうだし…

 それに、作戦①と②を実行している間はカイルのむかつく発言も我慢しなければならないのだ。

 

流石に、私の海よりも空よりも広い心もカイルの発言によって徐々に限界が近づいていく。


(あ〜これいつまで続ければいいんだ…)

 いくら容姿が整っていて、大人びていても、中身(せいかく)があれじゃぁどうしようもない。


 元より私にはショタ趣味は持ち合わせていないし、守備範囲外なのでコイツと婚約者どうこうなど絶対にあり得ないし、したくない。


 僕剣ではティナはカイルの婚約者として登場したがこの中身のどこら辺が気に入ったのだろうか?実は隠れMだったりして……


 そんなどうでもいい事を暇すぎて考えていた。


『……!おい!今は俺が話しているんだ!無視すんな!!』

(あ〜早くお父様の話しが終わらないかな?暇だなぁ〜飽きたなぁ〜)


 いい加減隣でキレているカイルがうざく感じてきた。


 余りにもしつこいので、そろそろ作戦の③に移ることにし…


 『僕の方がお前より偉いんだそ!分かっているのか!たかが伯爵令嬢の分際で!!だから本当は会いたくなかったんだ!父さんの親友だと言っても伯爵ごときが…』

 ひたすらカイルの、失礼すぎる発言に耐えていた私は、ついにその発言で

《ブチッ》っと、私の堪忍袋の緒が切れた。

 怒りの余り俯く私。


 カイルは、そんな私を見て悔しいから俯いていると勘違いしたのか、

なおも言葉を続けようとする。


『…どうせお前の兄だってー』


 頭に血が登っているからかカイルが何を言っているか分からないが

私のお兄様の事までバカにしている事は伝わってきた。


 この際私の事をバカにする発言には目をつぶろう。

 だが、何で私のお父様やお兄様までバカにされなければならないのだろう?

 何故自分より身分が低い、気に入らないというだけで人の事をばかするのだろうか?


 作戦? どうでもいい。

 死亡フラグ? そんなの知ったことか!

 ようは嫌われればいい話なのだ。

何をしても結果が全てだ。

 こんなまどろっこしい事はもう止めようじゃないか。


「すいません。カイル様」


 私がカイルと2人っきりにされてから初めて発言したからか、

  それとも私に勝ったという優越感からか私に対してドヤ顔を向けてきた。


『何だ?俺の言っていることが正論すぎて感服したのか?』

「いえ。」

 ここで私も負けじと会心の笑顔を向け

「人間の言葉って話す事ができますか?」

 そう告げた。


(私を敵に回したことを後悔するが良い。)



 *****



 ―あれから30分後


『…うゔ………。うわぁ〜ん……』

 あの尊大な態度を私にとっていたカイルは7歳児らしく鳴き声を上げた。


(うん。勝った♪)

 実に見事な勝利だった。まさに圧勝だ。


 自分より前世を合わせるとかなり年下の子供に対して大人気なく論破(しょうり)した。


 前世で伊達にクラスメイトに対して戦っていない。

 思わず得意げになってしまう。

『おっ…お前なんて嫌いだ!早く帰れ!!…ひっく』


 しかも、私が1番欲しかったお言葉が貰えた。

 まさに一石二鳥といえる。


「ではカイル様の言うとおり私は下がらせて頂きます。」


 今だに泣いているカイルに綺麗な一礼をして遠ざかった。

(ふっ…決まったな。)


 流石に、カイルには悪かったと思うが許して欲しい。

 こっちも頭にきて言い過ぎたが結果オーライだ。


 願わくばこの自分より家柄の低い見下していた奴に言い負かされたという事が幼い子供のトラウマにならない事を願うばかりだ…

 この心の傷はあと、13年会うであろう主人公に癒やしてもらって欲しい。




  (とりあえず(ティナ・バレンシア)死亡フラグ回避に成功したぞぉ!!)























ちょっとティナの性格が悪く感じてしまう話でした…(´-﹏-`;)

私の表現力の問題もあるので、気をつけていきたいと思います!


感想、誤字脱字がありましたら、ご指摘宜しくお願いします!

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