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プロローグ

小説家になろうでは初の投稿作となります。不慣れなためにお見苦しい点もあるかと思いますが何卒よろしくお願いいたします。

 (めぐ)がおつかいから帰ると店の前に知らない男の人が座り込んでいた。見たところ人でいう20代前半ぐらいだろうか。店の中に入らず照りつける太陽の光を鬱陶しそうに見上げていた。


「あの、何かご用ですか?」


声をかけるかどうか迷ったあげく彼が玄関の前を陣取っているため中に入ることができないので少し小声ではあったが問いかけた。愛の気配に気づいていなかったのだろう。彼は驚いたように愛を見た。


「君はここの子、だよね。そのペンダント、(そら)の一族の証だね。(いのり)がどこにいるか知らない?」


人懐っこい笑みを浮かべるその人自身も天の一族なのであろう。彼の首元にも見覚えのあるペンダントが見えた。


「えっと…祈ちゃん中にいませんでしたか?」


店主であり愛の親でもある祈は今店番をしているはずだ。お客様を放置するような人ではない。少なくとも愛の知る限りでは。


「それがご覧の通り中に入れてもらえなくて中にいるのかどうかすら把握できてないよ。」


ぼやくように言う彼が誰かも気になりはしたが、この茹だるような暑さの中ずっと開くのを待っていたのなら悪い人ではないのだろうと判断した愛は店の中に招き入れた。



店の中は決して狭くはないがいろんな物で溢れかえっていた。棚に当たらないように通路を抜けカウンターに辿りつくと店番をしているはずの店主は気持ちよさそうに眠っていた。まだ20代前半にも見えるその人はすでに齢3000年を超えた立派な大人だ。腰まで届きそうなほど長い黒髪。まぶたの奥には透き通るような碧い瞳。形の整った顔はすれ違う人々が振り返らずにはいられないほどの美人である。眠っている姿も一枚の絵のようで起こすのは少し忍びなかったが用事もあったので仕方なく起こすと狸寝入りかと疑いたくなるほどの速さで祈は目を覚ました。


「ただいま、祈ちゃん。あの、お客様?が…」


どう伝えるべきかわからず後ろを振り返るとその男は丁寧に膝を折って頭を下げていた。


「おかえり、愛。それから貴方も健在そうで何よりだわ。もう少しまめに帰ってきなさいよ。」


苦笑を浮かべながら祈は男に顔を上げさせた。男の方も先ほどの人懐っこい笑みを浮かべていた。


(たすく)、ただいま戻りました。」


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