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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
635/637

#635 しばしの別れ、そして異世界はスマートフォンとともに。

■三話投稿しています。ご注意を。





「おはよう」

「おはようございます」

「おはよ」


 朝起きて寝巻きから着替え、リビングへ行くと、いつものようにみんなが朝の挨拶をしてくれた。

 けっこう早く起きてしまったからか、まだ全員は揃っていない。

 いつもの朝のように感じるが、どことなく会話が少ない気もする。みんなわかっているのだ。今日でお別れだということを。

 その後も、ぽつりぽつりと起きてきた奥さん、子供たちと挨拶をして、リビングには人は増えていったが、やはりいつものような賑やかさは無かった。

 僕らの心とは正反対に、外は眩しいくらいの快晴であった。少しだけ太陽が恨めしい。

 天気がいいので今日の朝食はテラスで食べようとユミナが提案し、みんなもそれに賛成した。

 【レビテーション】を使って、テラスにあったテーブルを集め、みんなで食べられるようセッティングした。


「朝食ができましたわ!」


 やがてルーとアーシアが厨房から戻り、メイドさんたちがみんなの分の朝食をワゴンに載せて運んできた。

 トーストにハムエッグ、カリカリベーコンとウインナー、それにサラダとコーヒー。定番だけど飽きないモーニングセットだな。

 僕はコーヒーだが、他に紅茶だったりジュースだったり、個人個人で飲み物は違うようだ。


「いただきます」

『いただきます!』


 やはりいつもより会話は少なく、黙々とみんなは食事を進める。

 なんとなく僕もみんなもいつもより時間をかけて食べていた気がする。この時間を惜しむように……。

 やがて食事が終わり、みんなが一旦自分の部屋へと戻る。持って帰る物をスマホの【ストレージ】に入れるためだ。奥さんたちもそれについていっている。最後まで一緒にいたいらしい。

 僕は食事を終えたテラスで一人空を見上げていた。嫌味なくらい晴れているな。


「やあ、冬夜」


 不意に声がして振り向くとそこにはエンデ家族が立っていた。


「お前ら……。いい加減、ちゃんと玄関から来いってんだ。アリスが真似して……え、大丈夫か?」


 エンデに文句を言っていた僕だが、唐突にその言葉を失う。

 メルに抱きつくようにしてアリスがぐずっていたのだ。

 リセに手を繋がれているリイルはいつものように冷静な表情ではあるが、心配そうにアリスを見ていた。

 リイルも未来へと一緒に行く。じゃないと、アリスが生まれた時から家にいることになるからな。


「家を出るまではなんともなかったのだがな……。道すがら町の住民に声をかけられるたびに沈んでいって、こうなってしまった」


 ネイがなんとも困ったような顔で説明してくれた。

 アリスはよく町中で遊んでいたからな……。仲良くなった子や町の人たちとの別れを実感してしまったんだろう。

 未来に帰ってもその人たちはいると思うが、歳を取って遊んだ子供たちは大人になり、成人は中年に、中年は老人になっている。今の姿の人たちとはもう会えないのだ。


「アリス、大丈夫か?」

「だいじょぶくない……」


 そう言ってアリスは抱きついたメルに顔を埋めてまたぐずり始めた。


「冬夜さん……」

「ん?」


 振り向くと、困ったような顔のリンゼに手を引かれたリンネがぐすぐすと泣いている。こっちもかあ……。

 そこからエルナ、ステフ、アーシア、ヨシノ、フレイ、八雲、クーン、久遠とそれぞれ母親と共に戻ってきたが、程度の差はあれ、みんな涙ぐんでいた。

 ステフはボロボロ泣いているし、それにつられてスゥまでも涙ぐんでいる。八雲とフレイ、クーンは泣いてはいないが、涙をこらえるように鼻を鳴らしていた。

 久遠もいつも通りのように見えて、少し眉根が寄っている。男の子だからな。泣くわけにはいかないと頑張っているのだろう。

 こんな時なのに、いや、こんな時だからなのか、意外と僕の心は冷静になっていた。ここでスゥのように僕まで泣いてしまったら、収拾がつかなくなる。


「なあみんな。僕は昨夜ゆうべ、未来の僕に会った」

「えっ!?」


 ユミナが声を出して驚き、泣いていた子供たちも驚いたような表情を浮かべて、少し落ち着きを取り戻す。


「子供たちの面倒を見てくれてありがとう、って言われたよ。みんな未来むこうで待ってる。君たちが帰ってくるのを。僕らは別れるわけじゃない。ここでの思い出をたくさん持った君たちを迎える準備に入るだけなんだ。未来むこうでも笑顔で会えるように」

「とーさま……!」


 ステフが勢いよく僕の胸に飛んでくる。いつものロケットの衝撃はなかったけれど、とても重い気持ちがした。


「おとーさぁん……!」

「お父さん……!」


 続けてリンネとエルナが突撃してきて、そこからアーシア、ヨシノ、フレイ、クーン、八雲と次々とタックルを決めてきた。うん、嬉しいんだけど、ちょっと痛いかな……。

 最後におずおずとやってきた久遠の頭を撫でる。


「帰ったらすぐに地球に行くらしいぞ? お祖父じいちゃん、お祖母ばあちゃんたちによろしくな。ああ、行き先は僕たちが行った時代から十何年か先らしいから、冬花はもう八雲より大きくなってるってさ」

「ええっ!? 冬花ちゃんが!?」


 驚いたようにエルナが目を見開くが、いや、地球の一年と異世界こちらの一年を同じと考えるとしたら、実際にはそれぐらいの年齢差だからね?

 正確に言うと向こうは十二ヶ月でこっちは十六ヶ月だから、こっちの時間の方が遅くなるんだけども。

 単純に考えて、地球むこうの四年が異世界こっちの三年だ。

 まあ、世界を飛び越える時に調整するから、同じ一年、として僕が合わせてしまうんだが。だからあまり時間は関係ないといえば関係ないんだけどな。違う世界の時の流れを同じ尺度で考えること自体が本来はナンセンスなわけで。

 僕という起点を基準として考えたら、ってだけでね?

 時江おばあちゃんは常日頃からこういう感覚なんだろうなあ……。ごちゃごちゃしてこないのかね?

 そういった意味では、たとえ異世界こっちで何百、何千年経とうとも、父さんたちのいる時代に行けばまた会えるのか。それは嬉しいかもしれないな。

 ま、世界神様の許可がもらえればだけど。

 冬花の話が少し衝撃だったのか、子供たちの涙もちょっと引っ込んだみたいだ。

 と、その時、僕の前に時江おばあちゃんが現れる。


「あらあら、ちょっと遅かったかしら? それとも早すぎたのかしら?」


 そう言って笑う時江おばあちゃんだが、それって時を司る時空神ギャグなんだろうか……?

 まあ、何時何分に、と約束したわけでもないので問題はないんだけどね。朝としか聞いてないし。

 そろそろタイムリミットかな……。子供たちをもう一度一人一人抱きしめて頭を撫でる。

 奥さんたちも涙を堪えながら、駆け寄ってきた自分の子供を含めて全員を抱きしめていた。


「稽古に励むでござるよ……っ」

「っ、騎士らしく、頑張るように……!」

「あんまり……機械いじりにのめり込まない、ことね」

「夜中は楽器鳴らしちゃ、ダメ……」

「あ、味付けは相手のことをよく考えて、ですわ!」

「ふぐっ……。エルナぁ……」

「リンネ……。元気でねっ……!」

「久遠、アリスを大切にするんですよ……っ」

「か、身体に気をつけるんじゃぞ……っ、ううぅ~」


 奥さんたちも限界が近いな。間違いなくこのままだと涙腺が決壊する。

 メルたちの方はそこまででもないようだ。もとい、エンデを除いて。


「アリス……! 必ずまた会えるから……っ!」


 そう言ってアリスをぎゅうぎゅうと抱きしめるエンデだが、ここまでこいつにボロボロと涙を流されると、僕の方の涙が少し引っ込んだわ。ちょっとだけ感謝しておく。


「お別れは済んだかしら?」

「はい。子供たちを……よろしくお願い致します」


 八雲、フレイ、クーン、ヨシノ、アーシア、エルナ、リンネ、久遠、ステフ、そしてアリスとリイルが、時江おばあちゃんの方へと歩いていく。

 クーンの横にはパーラが、ステフの横にはゴールドもいる。マスターであるステフが未来へ行く以上、あいつも連れて行った方がいい。

 子供たちはまだぐすぐすと泣いている。頼むよ。笑ってくれ。最後に僕らに笑顔を見せてくれ。

 時江おばあちゃんも困ったような笑いを浮かべていたが、その時、久遠が前に一歩進み出た。


「父上、母上、そして母様たち。僕らはここへ来ていろんなことを学びました。それは決して忘れることのない思い出として未来へと持っていきます。向こうへ帰ったら過去ここでのことをたくさん話しますね。だから、僕たちとの思い出を、ずっと覚えておいて下さい。いつか笑って話せる日が来るように。その時を楽しみにしていて下さいね」


 ……ったく、僕の息子はホント、よくできた息子だよ。

 ただな、涙を堪える親父の身にもなってくれ。さっきから鼻の奥がツンとして大変なんだよ……。


「じゃあみんな、元気で。未来で、またね」


 それでもなんとか言葉を紡ぎ出す。


「お世話になりました!」

『お世話になりましたっ!』


 頭を下げた久遠に続いて他の子供たちも頭を下げる。頭を上げた子供たちの顔は、泣いてはいたが、精一杯の笑顔を向けてくれた。そうだよ。その笑顔が見たかった。


「じゃあ、ご機嫌よう。また会いましょう」


 時江おばあちゃんがパチンと指を鳴らすと、おばあちゃんと一緒に子供たちも、ふっと、その場から消えてしまった。

 まるで初めから誰もいなかったかのように……。

 ああ、本当に帰ってしまったんだな、と、僕の胸に寂しさと虚しさが去来する。


「ううぅ~……。ステフが帰ってしまったのじゃ……! ふぐっ、冬夜ぁ~……!」


 後ろからスゥが抱きついてくる。だけども僕は振り向けなかった。たぶん僕は涙やら鼻水やらで酷い顔になっていると思うから……。

 背後からは他の奥さんたちの啜り泣く声も聞こえてくる。みんな同じ気持ちなんだ。やっぱり寂しいよ。

 涙よ止まれとばかりに見上げた空は、やっぱり嫌味なくらい晴れていた。



          ◇ ◇ ◇



 城でその揺れを感じた時、ついに来たかと思った。

 次元震だ。森へ討伐依頼に行っている子供たちが次元震に巻き込まれ、過去へと跳んだはずだ。

 予定通り。なにも慌てることも、恐れることもない。

 時江おばあちゃんに、この日この時間に次元震が起こることは聞いていたじゃないか。

 だからこうしてみんなで中庭に集まっている。エンデのやつも冒険者ギルドの仕事を放り投げてここにいる。ギルドマスターがそれでいいのかとも思うが、間違いなくブーメランになるので、口には出さない。

 次元震が起きてからまだ数秒しか経っていないはずだが、体感的にとても長く感じる。

 大丈夫なのか? 過去でなにか僕らの知らないトラブルや変化があったとか……。それが未来に影響して、子供たちになにか……!

 そんな悪い考えが脳裏をよぎったとき、目の前に時江おばあちゃんと子供たちが音もなくふっと現れた。


「っ、おかーさん!」

「お母さん!」

「かーさま!」


 子供たちがそれぞれの母親のところへ駆け出していく。僕らにしてみたら朝に送り出した時から考えて、まだ三時間も経っていない。けれど、子供たちにしたら一年近くも離れていたのだ。

 過去の僕たちがいたとはいえ、彼らは子供たちが生まれてから今までの記憶を持たない。やはりどこか違うのだろう。

 過去の僕には悪いが、この子供たちの親はやはり僕らなのだ。

 そして朝にはいなかったリイルとゴールドがいる。リイルは不思議そうな顔でキョロキョロと、ゴールドは落ち着いた感じで、抱き合うステフとスゥを眺めていた。

 アリスがリイルの手を引いて家族の元へと連れていく。メルがリイルの頭を撫でて、『おかえりなさい』と言っていた。十二年ぶりの再会ってわけだ。エンデは相変わらずじろりと見られていたが。

 リイルだけじゃない。僕らにとっても十二年ぶりの再会である。

 過去に出会い、一緒に邪神の使徒と戦って、地球に旅行に行き、そして別れた子供たちとの。

 ユミナに撫でくり回されている久遠がこちらへとやってきた。


「ただいま帰りました、父上」

「おかえり。楽しかったかい?」

「ええ、とても」


 邪神の使徒との戦いなんかもあったんだが、それらをひっくるめて楽しかったのならよかったな。

 当時はもっと不安な気持ちが強かった気がするが、今の子供たちはどことなく芯が入ったような気がする。別天地(まあ場所は同じなのだが)での生活が、みんなを一回り大きく成長させたのだろう。

 『可愛い子には旅をさせよ』と言うが、その通りだな。ただ親としては、そんなに早く大人にはならないでほしいという気持ちもある。


「さあ、今日一日ゆっくり休んだら、明日は地球に行くぞ! お祖父ちゃんたちが待ってるからな」


 あれから十二年間、父さんたちに子供たちを会わせることはできなかった。未来が変わってしまうからな。また時江おばあちゃんの手を煩わせるのは忍びない。

 一年に一度、地球に里帰りはちゃんとしていた。が、それは奥さんたちとだけで、さらに帰る時は元の時間軸に戻っていたから、子供たちも全く気がついていなかったと思う。

 父さんたちにはその度に子供たちの写真や動画を見せたりはしていた。さらに言うならこの時間より未来の僕が、子供たちを連れてやってきたりしていたそうなので、そこまで寂しくはなかったみたいだ。

 そして今回は父さん母さん、冬花たちが一年限定でこっちの世界へと移住する。

 冬花なんかはもうテンション爆上がりで、今か今かと待っているはずだ。なんか不安だなぁ……。

 未来の僕も言っていたが、気がついたらあっという間だったな。

 これからもずっと騒がしくも楽しい日々が続くことだろう。

 見上げた空は突き抜けるくらいに青かった。



          ◇ ◇ ◇



 子供たちが未来へ帰ってから、僕らはしばらく、ぼーっとしているか、仕事に打ち込むかの両極端になっていた。

 仕事をしている時は子供たちのことを忘れられるし、逆にぼーっとしている時は子供たちとの思い出に浸っていた。

 やがて、このままじゃいけないとそれぞれが立ち直り、いつもの日々を取り戻しつつある。

 やはりというか当然というか、一番最初に立ち直ったのは八重とヒルダだった。

 なにしろお腹の中にはその子供たちがいるのだ。嫌でも現実と向き合わなければならない。

 彼女たちに感化され、僕らも未来へ向けてやれることをやるようになっていった。

 人の親になるのだ。立派な親になれるかはわからないが、努力もせずに血の繋がりだけで親とは名乗りたくはない。

 とりあえず生まれてくる子供たちに必要なものを揃えることにした。

 博士とフローラに協力してもらい、粉ミルクを開発。これらは後にオルバさんに頼んで量産してもらい、城下町でも市販するつもりだ。

 そのほかにも哺乳瓶、紙おむつ、ベビーソープ、ベビーパウダー、ベビーカーに抱っこ紐、馬車用のチャイルドシートまで開発した。

 これらもいずれ販売するつもりなので、幼児を持つ親には喜ばれるだろう。

 忘れていたのが、お腹がだんだんと膨らんできた八重とヒルダが着る服のことである。

 いわゆるマタニティ服といわれるものはこの世界にはほとんどなくて、大きめのチュニックのようなものを着て過ごすんだそうだ。

 特に貴族や王族など、身分の高い妊婦さんは外に出ることはほとんどないため、正直言って外に出かけるようなオシャレなものは皆無なのである。

 すぐに服飾店のザナックさんのところへ行き、ありとあらゆるマタニティ服の資料をプレゼンしてきた。

 これで妊婦さんもオシャレを楽しめるし、八重たちも安心だろう。

 ちょっと予想外だったのは、八重とヒルダの妊娠が発覚してから数ヶ月後、同じように妊娠した城務めの女性が次々と出てきたことだ。

 メイドさんや料理人、もちろん女性騎士もである。


「まあ、王家の子供と同年代の子ってのは、女の子なら玉の輿、男なら側近に選ばれる可能性が高いからねえ」

「どっちも生まれてくるのは女の子なんだけど……」

「他のみんなはそれを知らないからね。まあ、普通なら跡継ぎの王子誕生を望んでいると思うし」


 異世界のテレビ、霊視映像エーテルビジョンの開発を進めている博士がそんな意見を述べた。

 それでこの妊活ブームなのか?

 というか、一斉に産休に入ると仕事が回らなくなるかもしれないな。今から対処しておかないと。

 あと、計画していた託児所も早急に用意しないと。生まれる前も生まれてからも大変だな……。

 だけどもやりがいはある。育児関係のことだけじゃなくて、王様関係も神様関係も、あっちもこっちもと大忙しだ。

 まだまだやれることはたくさんある。この世界を任された以上、より良い世界になるように、これからも頑張らないとな。

 懐からスマホを取り出す。

 初めてこの世界に降り立った日のことを思い出した。食料も水もなく、現地のお金もなかった。持っていたのは神様から力をもらったこのスマートフォンだけ。


「いろんなことがあったなあ……」


 あれからいろんな人と出会い、いろんなものを見て、いろんなことを学んだ。

 これからも知らない人と出会い、知らないものを見て、知らないことを学んでいくんだろう。

 久遠の話だと未来ではスマホがこの世界に浸透し、ほとんどの貴族が持っているという。

 次は平民向けのスマホを開発中とか言ってたな。誰でも好きな時に好きな人と話し合えたり、知りたいと思った情報をすぐに得られる。地球じゃ当たり前のことだったんだけど、あらためて考えると凄いことだよね。

 人と人が繋がり、話し合うことでお互いを分かり合えるような世界になればいいとは思うけど、そう簡単にはいかないだろうな。

 まあ、やれることをやるしかないか。


「これからもよろしく、相棒」


 僕はすっかり手に馴染んだスマホを懐に入れる。


「冬夜さーん!」


 ユミナが手を振り、エルゼが、リンゼが、八重が、スゥが、ヒルダが、ルーが、リーンが、桜が……家族となった、大切な人たちが僕を呼んでいる。


「いま行く!」


 これからも僕はここで生きていく。

 この異世界をスマートフォンとともに。





■おしまい■

(Ending Song:純情エモーショナル)



■十年以上の長きに渡る、ご愛読・ご声援、ありがとうございました!

もう一話、エピローグがあります。最後までよろしくお願い致します。


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