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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
620/637

#620 助っ人、そして熱戦。





 ヒルダのホームランで一点を返したが、その後二者連続三振。その次のバッターであった八重がまたもやホームランを打ち、二点目を返したが、次の打者でスリーアウトチェンジ。

 三回の裏が終わったこの段階で7対2か。

 試合はやはり七回までのようだ。あと四回もあれば勝てるか?

 ピッチャーマウンドにはエルゼが立ち、キャッチャープロテクターをつけた八重がミットを構える。サードにはヒルダがいるため、三遊間は抜かせないだろう。ヒルダが本気を出せば、一塁に飛んだ球もキャッチしてしまいそうな気がするが……。

 まあ、それ以前にエルゼが打たせないだろうしな……。


「す、ストライク!」


 ズバン! と豪速球のピッチャーマシンさながらにエルゼの投げた球が八重のミットに吸い込まれる。まだ手加減はしているようだが、百七十キロ以上出てんじゃないのか、アレ……。

 バッターもとりあえず振ってみたようだが、完全に振り遅れている。まあ、難しいわな。

 結局、ズバン! ズバン! ズバン! 三振! バッターアウト! と、三者連続アウト、九球でチェンジだ。

 四回の裏、こちら側の攻撃。一人が三振し、続いてエルゼの打順。

 相手側のピッチャーから警戒の雰囲気が感じられる。ピッチングからただ者ではないと悟ったのだろうが、さて……。

 振りかぶり、ピッチャーの投げた球がエルゼの手元でストンと落ちた。フォークボールか? これは打つのは難しい。

 普通なら、な。


「ふっ!」


 まるでゴルフスイングみたいに掬い上げるようにしたエルゼのバットが、落ちたボールを確実に捉えた。

 カキーン! と爽快な音を立てて白球が空の彼方へと飛んでいく。


「ホ、ホームラン!」


 おそらく決め球であっただろう球を打たれ、呆然とするピッチャーに目を向けることなく、エルゼが淡々とベースを一周する。三点目だな。

 相手側のピッチャーは動揺したのか、次のバッターにはヒットを打たれた。流れがこっちへ向いてきたかと思ったが、すぐさま周囲のカバーがあり、あっさりと次の打者でゲッツーを取られてしまった。惜しい。

 四回裏は一点だけか。7対3。


「エルゼ先生たち、勝てるかなあ」

「そうですね……。このままいけば勝てるでしょうが……」


 隣のベンチに座ったアリスと久遠がそんな会話をしていた。まあ、エルゼ、八重、ヒルダに回れば確実に点は取れるからな。じきに追いつくだろう。だけど……。

 球場の方を見ると、ズバン! と相変わらずの重い衝撃音とともにエルゼがストライクを生産していた。

 五回表も三者三振。0点に抑える。

 次の五回裏、一周回ってヒルダからの打順。キャッチャーが立ち上がり、バッターボックスよりも外側にミットを構える。


「敬遠か」

「まあ、そうしますよね」


 故意に四球フォアボールをし、強打者バッターを一塁へ歩かせる。

 勝つための作戦としてはアリなんだろう。……まあ、こっち陣営はブーイングの嵐だが。

 助っ人頼み過ぎるのもどうかと思うので、僕的にはまあ仕方ないかな、と感じる。

 一塁に歩いたヒルダも『やれやれ』とばかりに軽くため息をついているし。

 次の二人はあっさりと三振に取られた。そして迎えた八重の打席もまたしても敬遠。一塁二塁にランナーがいる絶好の場面ではあるが……。


「ストライッ、スリー!」

「駄目か」


 結局五回裏は0点。7対3のままだ。あと二回で逆転は難しいか?


「最初に全員ホームランってのはまずかったなあ。あれで完全に警戒されちゃったし」

「ですね。まあ、エルゼ母様たちが本気で勝とうと思えば勝てるんでしょうけど……」


 まあねえ。敬遠されてもそこまで跳躍して空中でホームランを打つくらいは軽々とやってのけるだろうし。

 ま、さすがにそれはやめてほしいところだけども


「おっ?」


 ガキン! という音と共に白球がエルゼの手前にボテボテと転がる。

 エルゼが前に出てそれをすぐに取り、一塁へと送球してアウトを取った。


「エルゼの球を打ったか」

「エルゼ母様の球は速いですけど真っ直ぐ(ストレート)しかないですからね……」


 構えたミットに、必ずそこに来るとわかっていれば、タイミングさえ合えばバットは当たるということだ。

 バッティングセンターなどでは速い球より遅い球で練習する方が効果があるという説もある。遅い球を確実に飛ばすためには、しっかりとしたポイントとフォームで打たなければならないからな。

 速い球は球速に目を慣らすという意味では効果があるかもしれないが、慣れると簡単に打てるようになってしまい、大した練習にならないとか。

 エルゼの球もこのままだとヒットを打たれるかもしれ……いや、エルゼが球速をさらに上げれば、当たってもヒットにするにはかなり難しいだろうけども。

 実際に今打ったバッターにはかなり手に衝撃が来たハズだ。

 おそらく本気になったエルゼの球なら時速三百キロを軽く超えるだろうしなあ……。たぶん打ったら相手の腕の骨が折れる。まあ、そこまではやらないだろうけども。

 残り二人をエルゼが危なげなく三振にとり、チェンジ。

 さて六回裏、こちら側の攻撃。

 八番からの打順でエルゼはネクストバッターズサークルにいる。

 前のバッターが三振に倒れ、エルゼの打順になったが、やはり敬遠。エルゼは飛んでくる球をチラッチラッと見ているが、あれは敬遠球に飛びついて打ちたいのを我慢してると見た。

 結局エルゼは歩かされ、一塁へ。

 ピッチャーが緊張から解き放たれたように、小さくため息をつく。うーむ、このままだとまたスリーアウトでチェンジだな……。

 エルゼをやり過ごし、余裕を取り戻したピッチャーがバッターへ向けて球を投げる。

 と、同時にエルゼが一塁から二塁へと走り出した。

 キャッチャーが捕球し、慌てて二塁へとボールを投げるがすでにエルゼは二塁へと進んでいる。


「盗塁ですね」

「そうきたか」


 久遠の言葉に苦笑いを浮かべる僕。

 大きくリードを取り、ピッチャーを挑発するエルゼ。相手のピッチャーはエルゼが気になって集中力を欠いているようだ。

 ピッチャーが投げた瞬間、再び三塁へと向けて駆け出すエルゼ。先ほどと同じくキャッチャーが三塁へと送球するが間に合わない。

 さて、三塁にランナーがいる状態での投球だ。どうしたって緊張するだろう。

 ピッチャーが足を上げた瞬間、エルゼがホームへ向けて走り出す。

 バッターはバントの構え。スクイズする気だ。

 だがこのスクイズは読まれていた。バッターはなんとかバットに当てたが、転がったその球は前に出たピッチャーに捕球され、キャッチャーへと送り返される。

 ホームへ突っ込んでくるエルゼをタッチアウトしようと待ち構えるキャッチャーだったが……。


「え?」


 突然目の前からいなくなったエルゼに彼は変な声を漏らす。

 その彼の頭上を華麗に身体を捻りながら飛び越えるエルゼ。そしてそのままスタッとホームに着地する。


「セ、セーフ……」


 審判の声を掻き消すような黄色い歓声がこちら側のベンチから沸き上がった。

 二塁、三塁、ホームと全部盗塁しおった……。これってパーフェクトスチールって言うんだっけか? 滅多にできるもんじゃないはずだけども……まあ、エルゼだからなあ……。

 これで7対4。次の打者は残念ながら三振になってしまったが、まだツーアウトだ。

 そしてここでランナーを一塁に置いてバッターはヒルダ。

 しかしやはり安全策で敬遠。ヒルダが一塁へと歩き、一塁、二塁にランナーを残した。

 ううん、前に他のランナーがいる以上、エルゼのような盗塁はできないだろうなあ。ヒルダが前のランナーを抜いてしまうとヒルダがアウトになるし。

 この回はここまでかな……。

 そう思っていた僕の目の前で、カキンッ、と久しぶりの小気味良い音が鳴り響く。

 ピッチャーの右手を低い打球がワンバウンドで飛んで行き、サードがそれを取ろうとグローブを下に構えた。

 が、小石にでも当たったのか、打球はあらぬ方向へと跳ね、サードの後ろへと転がっていく。

 打ったお姉さんは危なげなく一塁へと進んでいる。値千金のヒットにこっち陣営が歓声に沸いた。


「やった、満塁よー!」


 ツーアウトだが、満塁だ。ここで一発が出れば……と思うが、次は五番打者のお姉さん。そしてネクストバッターズサークルには八重がいる。

 なんとかヒットを打ってくれれば……と思っていると、相手のピッチャーの投げた球がすっぽ抜け、バットを構えるお姉さんの脇腹のあたりに向かっていった。ボールがそのままお姉さんの身体にぶつかる。


「ヒット・バイ・ピッチ!」


 相手ピッチャーが帽子を取り謝る。当てられたお姉さんは大丈夫、と笑いながら手を振りつつも、不思議そうな顔で球の当たった脇腹を撫でている。今のって……。


「久遠? 魔眼使ったな?」

「ええまあ。危なかったので。【固定の魔眼】を一瞬だけ使って球の勢いを殺しました。というか、魔力が無くて一瞬しか止められなかったんですけど」


 ふう、と疲れた顔をしている久遠の頭を撫でる。打者のお姉さんも思ったより痛くなかったので不思議に思ったのだろう。幸い他には誰も気が付いてはいないようだ。

 押し出しで一点。7対5か。

 思ったより相手ピッチャーは動揺しているらしい。その状況でバッターは八重だ。三塁にはヒルダ。

 悩んだようだが結局歩かせることにしたらしい。八重が一塁へ進み、押し出しでヒルダがホームを踏む。

 これで7対6。とうとう一点差まで詰め寄ったぞ。

 相手キャッチャーがタイムを申し出て、ピッチャーの元へと向かう。なにやら話しているけど、落ち着け、とでも諭しているのかな?

 その効果があったのか、次の打者はあっさりと三振に取られてしまった。立ち直ったかな? 満塁をあまり活かせなかったが、この回だけで三点をもぎ取った。逆転もあり得なくはないと思う。

 さあ七回表。最終回だ。

 相変わらずエルゼの球は速いが、さすがに目が慣れてきたのか最初のバッターが当ててきた。ボテボテのゴロだったが、エルゼがそれを拾って一塁へ送球、ワンアウト。

 次のバッターにもサード前にゴロを打たれてしまったが、これをサードのヒルダがキャッチし、ファーストへと送りツーアウト。

 最後はちょっとだけ緩急織り交ぜたエルゼが三振に取り、スリーアウトチェンジ、と点を与えずに終えた。

 いよいよ七回裏、最後の攻撃。ここで逆転できるかどうか、微妙なところだな。

 8番からの攻撃。ネクストバッターズサークルにはエルゼがいる。さて……。


「ボール・フォー!」


 む?

 8番バッターのお姉さんが一塁へと歩いていく。『よく見た!』『やったー!』とこっちのベンチは沸いているが、これは……。


「わざと歩かせましたね」

「うーん、エルゼの盗塁を警戒したんだろうけど……」


 前にランナーがいては、エルゼといえどもさっきのようなパーフェクトスチールはできない。追い抜いたらエルゼがアウトになるからな……。

 触れるのもダメなんだっけか? 追い抜かしさえしなければいいのなら、エルゼなら前のランナーを担ぎ上げて走れそうだが……まあ、それだと担ぎ上げられている方はベースを踏めないか。

 などと、アホなことを考えていたら敬遠でエルゼが歩かされていた。

 ノーアウト、一塁二塁。打順は一番から。

 初球の球を打ったものの、ピッチャーフライとなりワンアウト。次の打者も三振に取られ、あっという間にツーアウトだ。

 打席にはヒルダ。となれば……。


「やっぱり敬遠か」

「まあ、仕方ないですかね」


 これでツーアウト満塁。向こうも後がないぞ。こっちにとってチャンスなのは、一応四番バッターってことかね……。

 さっきのサード前、小石にぶつかった幸運のヒットもこのお姉さんだったし。打つ可能性は低くはないと思う。


「ん?」


 四番のお姉さんがバッターボックスに立つ前に、なにか八重が話しかけている。なんだ? 励ましているのか、なにか思いついたのか?

 四番のお姉さんがバッターボックスに入り、バットを構える。

 勝つにしろ負けるにしろ、やっぱり最後はこのチームの力で決めたいところだろう。

 第一球。


「ボール・ワン!」


ピクリと反応はしたが振らなかったな。次の球も振らなかったが、今度はストライクを取られた。その次はまたボール、と、どうにも制球が定まらない感じか?

 ピッチャーが肩を小さく揺らす。大きく振りかぶって投げた渾身の球が、お姉さんが思い切り振ったバットにジャストミートした。


『打ったあぁぁぁぁぁっ!』


 打球は勢いよく飛んで、センター前へと落ちる。バッターのお姉さんは一塁を踏み、三塁走者のお姉さんはバックホーム、これで同点だ。

 三塁にいるエルゼが飛び出していたが、おっとっと、と戻っていった。

 おそらくあのまま突っ込めば、彼女の身体能力ならホームを踏むこともできたんだと思う。だけどそれはチームの助っ人としてでしゃばりすぎだと考えたのだろう。

 ま、今さらという気もするが……。

 こうして最後の勝負は次の五番打者のお姉さんに託されたわけだが、あっさりと三振し、試合終了。7対7の同点で試合を終えた。

 延長戦という話もあったのだが、向こうが絶対に負けるから、と断ったらしい。ま、さもありなん。

 このあと打ち上げをするらしい。僕らも誘われたが、さすがにそれは遠慮した。未成年だし、子供がいるしね。なにより、この試合って合コン込みの試合だったんじゃないの? 向こうチームの男らがお姉さんたちをちらちらと熱っぽい目で見てるし。


「ありがとうねー!」


 河川敷から大きな声で礼を述べるお姉さんたちに手を振って、僕らは帰路についた。


「引き分けになっちゃったけど、面白かったわね」

「いい運動になったでござる」

「あたしも野球やりたかったー!」

「私もなんだよ!」


 わいわいと会話をしながら河原沿いを歩く。夕方になる前にスーパーでなにかお土産を買っていかないとな。っと、そういえば……。


「八重。最終回の時、お姉さんになんかアドバイスしてた?」

「ああ……あのピッチャー、真っ直ぐ投げる時に必ずこう、肩を小さく揺らす癖があるんでござるよ。それに絞って打ってみたらと教えたのでござる」


 なるほど。あのお姉さんはストレート一本狙いだったわけか。どうりで躊躇いなく振り抜いたわけだ。というか、よく気がついたな……。

 まあ、みんな楽しんでくれたなら、いい休日になったのだろう。

 明日でもう一週間になる。もう半分来てしまったという感じだ。残り一週間でどこに行こうかな。

 もっと大きな視野で、世界を、地球というこの星を見てもらいたいという気持ちもあるけど、やはり生まれたこの国を見てほしいという気持ちもある。

 この世界での君たちのルーツはここにあるんだと、子供たちに感じて欲しい。

 もっと日本的なところ……京都とか東京とか、あるいは全くその逆の北海道の大自然とか、ごく普通の田舎の農村とか……。様々な景色を見せてあげたいと思う。

 なんにしろ、こっちでしかできない体験をさせてあげたいな。

 そんなことをぼんやりと考えているうちにもうスーパーの前まで来てしまった。

 みんなでそれぞれ食べたいものを買い物カゴの中へと入れていく。ルーやアーシアも作って待ってくれているだろうが、【ストレージ】があるから無駄にはならない。

 特にカップ麺とかスナック菓子とかは向こうの世界にはないので、こまめにストックしておかないとな。たまにあるんだよ、無性に食べたくなる時が……。

 厳密に言うと、魚一つとっても鮭のような魚はいるが、鮭はいなかったりするからな……。紛らわしいのでもう僕は鮭と言ってしまっているが……。

 買い物袋をどっさりと持って、長い坂道を歩く。くそ、【ストレージ】に入れるタイミングがなかった。じいちゃんちは見晴らしがいいけど、これが難点だな……。

 なんとか坂を登り切り、もう見慣れた洋館が見えてきた。


「ただいまー!」

「おかえりー」


 リンネが元気よく家の扉を開くと、中からリンゼの声が聞こえてきた。

 玄関に上がり、まずは手を洗い、その後キッチンへと向かって買ってきた食材をルーたちに渡す。

 すでに夕食の支度は出来上がりに近づいていたが、ルーとアーシアはこの食材を使って、各々二品ほど足すと言っていた。


「散歩にしてはずいぶん時間がかかったのね」

「途中で草野球の助っ人を頼まれてねえ」


 リーンの疑問に僕が答えると、首を傾げられた。最初から話さないとわからんか。


「お母様がホームランを打ったんだよ!」

「エルゼおかーさんが全部回ったの!」

「全部回った……?」


 フレイの説明はまだわかるが、リンネの説明はさらにリーンが首を傾げることになった。

 夕食になる前に実家へと【ゲート】を繋ぎ、父さんらをこちらへと連れてくる。こちらにいる間はなるべく一緒に食事を取ることにしているのだ。


「さあ、召し上がれ!」

『いただきまーす!』


 テーブルに所狭しと並べられた大皿から自分の皿へ食べたいものを取り寄せる。どうしても大人数だとこうしたビュッフェのような形になりがちだな。まあこの方が好きに食べられるし、量も加減できるし便利だ。

 余っても【ストレージ】に入れておけば無駄にならない。八重とフレイがいる以上、余るということはないのだが……。

 食事をしながら父さんたちに明日からまたどこかへ出かけるという話をした。

 二人とも仕事があるので同行はできないが、宿泊はせずに夜には戻ってくるようにと言われた。

 まあ身分証が全くないから、もともと泊まるのは難しいんだけどね。

 さて、そうなるとどこに行くかだな。うーむ、やっぱり一度は連れて行った方がいいか。この国の首都へ。

 まずは東京見物と行きますか。

 


 




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■スラムで暮らす私、サクラリエルには前世の記憶があった。その私の前に突然、公爵家の使いが現れる。えっ、私が拐われた公爵令嬢?
あれよあれよと言う間に本当の父母と再会、温かく公爵家に迎えられることになったのだが、同時にこの世界が前世でプレイしたことのある乙女ゲームの世界だと気付いた。しかも破滅しまくる悪役令嬢じゃん!
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