表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
617/637

#617 イルカとアシカ、そしてせかいのうみ。

きちんと書いたら水族館の話終わらなかった……。次で終わります。





 一匹のイルカが綺麗な弧を描いて水面から飛び出し、再び水へと潜る。

 続いて二匹目、三匹目と連続で飛び跳ねる。そのたびに水飛沫が観客席まで飛んできた。

 ここのスタジアムはアクリル板がないので水飛沫がダイレクトに飛んでくる。

 観客席には『これより前では海水がかかることがあります』と危険なラインが示されていたので、僕たちはギリギリの席で鑑賞することにした。

 それでもピッピッ、と小さな飛沫がたまに飛んできて、イルカの動きの激しさを僕らに伝えてくる。

 今度は三匹同時に右手の水面からジャンプ、次いで左手から同じように三匹がジャンプして、連続で水飛沫を打ちつけてきた。大迫力だ。


「すごーい! かっこいいー!」

「うちの子もできるかなあ」


 ステフがイルカを見てはしゃいでいるが、アリスはなにやら考え込んでいた。

 アリスのいう『うちの子』ってのは、あの四匹のサメ型フレイズのことか……?

 できないことはないと思うけど、ここのイルカショーのように楽しめるショーにはならないような気がするなぁ……。


「あれはバンドウイルカかな……。こういったイルカショーもあと何年かで見れなくなるかもしれないんだよねえ……」

「え? そうなの?」


 はしゃぐ冬花を抱っこした父さんがぼそりと漏らした言葉に僕は驚く。


「動物愛護の精神からね。海外でも次々と廃止されていて、日本もってことらしいけど……」


 そうなのか……。そう考えるとその前に見れたのはよかったかもしれないな。……まあ、僕はあんまりイルカは好きじゃないんだけど。

 なんでかというと、イルカって人間と同じくイジメをする動物なんだよね……。自分がストレスを受けた時、弱い個体を集団でイジメたりするらしい。

 群れを作る動物にはよくある行為らしいけど。鶏とか猿とかね。

 なんでも弱い個体がいると群れの足を引っ張るし、その弱い個体が増えると群れ自体が弱くなってしまうからその前に潰してしまえ、ということらしい。

 これも野生の生存本能なのだと言われてしまうと、なんともモヤッとした暗い気持ちになる。目の前のイルカショーに盛り上がっているみんなの前ではそんなことはおくびにも出さないが。

 まあとりあえず今は楽しむことにしよう。

 イルカたちが左右のプールにけると、今度はアシカがやってきた。

 プール奥のステージで飼育員の動きに合わせてコミカルにお辞儀をしたり、手(ヒレ?)を振って観客席に挨拶をしている。

 アシカがそのままプールの中にドボンと潜る。そのプールの上に飼育員がバスケットボールほどのリングを投げると、水面から首を出したアシカが飛んできたリングを見事に首でキャッチした。

 次々と投げ込まれるリングを全て落とすことなく首にかけていくアシカ。器用だなあ。

 すべてのリングを拾ったアシカが飼育員の下にやってきて、観客へ向けて『すごいでしょ』とばかりに両手(両ヒレ?)をパチパチと合わせる。

 次にひょいと投げられたボールを鼻先でキャッチ。バランスよく載せたまま移動する。


「立てたヒゲでバランスを取っているんですね」

「立てるというか水平にしているヒゲでボールの動きを予測しているんだろうね」


 ユミナにはここからアシカのヒゲがしっかりと見えているようだ。

 野生の動物にとってヒゲは鋭敏な感覚器として機能する。人間の場合は皮膚の保護という役割があるらしいが、猫のヒゲなんかは切ってしまうと平衡感覚が失われ、よくぶつかるようになってしまうというしな。

 …………琥珀ってヒゲあったっけ? 大虎状態ならあったような気はするけど……あれ? あったか?

 ……ま、琥珀も女性だしな……ヒゲなんか嫌なんだろう……。

 そんなどうでもいいことを考えていると、アシカがボールをポンポンポンとリフティングのように跳ねさせて、そのまま上に支えたままぐるりぐるりと体を横に回転させた。さらにえび反りになってピーンと尻尾を上げていく。

 おおお、と観客席から感心した声が漏れる。当たり前かもしれないけど、身体が柔らかいなあ!

 アシカがボールを飼育員にひょいと返し、プール奥のステージ上にある円形の台の上に乗ると音楽がかかり始めた。

 弾むような心地よいベースとタンバリンのリズムに合わせてアシカが左右に揺れ出す。飼育員が手拍子を求めると観客たちも同じように手を打ち始めた。

 この曲は1960年代に作られたソウルミュージックの傑作だ。爺ちゃんも好きでよく聞かされた。同じように聞かされたと思われる母さんもノリよく左右に揺れている。

 その僕に聞かされた桜も、おそらく桜に聞かされたヨシノもリズムに合わせて手を打ちながら揺れていた。

 しかし『恋は焦っては駄目。じっくりと待たないと』という歌に合わせて、アシカが首を左右に振り、両手(両ヒレ?)をパタパタとさせる様はなんともコミカルで微笑ましい。

 アシカは飼育員の指示に従って、ステージ上で滑るようにクルクルと寝そべりながら回転する。まるでブレイクダンスかなにかを見ているようだ。

 

「わ!」


 アシカの動きに感心していると、なんの前触れもなく飼育員がプールに飛び込んだ。そしてアシカを手招きし、同じくプールに飛び込んだアシカとぐるぐると水中で回っている。

 アシカはそのまま観客席のプールサイドへすいーっとやってきて、客へ向けて『ありがとう!』とばかりに手(ヒレ?)を振る。

 そして『お前もこいや!』と後ろを振り向き、飼育員を手招き。飼育員が慌てるようにプールサイドに上がり、観客に頭を下げる。立場が逆転してら。

 観客の拍手を受けてアシカが飼育員とともにステージ裏へとけていく。どうやらこれでイルカ・アシカショーは終わりのようだ。


「面白かった!」

「アシカ飼いたいな……」


 リンネが興奮したように叫び、エルナが不穏な言葉を放つ。うん、それは未来に帰ってからおねだりしてくれると……って、結局悩むのは僕か……!


「とーさま! ぬいぐるみ! ぬいぐるみがある!」


 ステフが指差す先、スタジアムから二階の展示入口に向かう途中にぬいぐるみが売っている売店があった。もう久遠を除く子供たちは大興奮だ。

 だけど今買っても邪魔になるし、パンフ通りに進めば最後に売店があるからそっちで買おうと子供たちをなんとか説得する。絶対一人一個じゃ済まないからな……。

 ぬいぐるみたちに後ろ髪を引かれる子供たちを引き連れて、なんとか二階の館内へと入った。


「『せかいのうみ』か」


 一階は日本の海で、二階は世界の海と分かれているんだな。最初は……オセアニア、か。

 オセアニアというと、オーストラリアとかパプアニューギニア、ソロモン諸島とか、あのあたりか。


「わあ……!」


 子供たちが目の前の大きな水槽へ向かう。その中には色とりどりの魚が優雅に泳いでいた。

 赤や青や黄色、オレンジといった魚が青い水槽の中を彩る。

 あ、ナポレオンフィッシュにクマノミもいる。あいつらオセアニアだったのか。いや、確かナポレオンフィッシュは沖縄にもいたような? 広く分布しているってことかね?


「あの魚、映画で見たことあるんだよ」


 フレイがずっと見ているのはカクレクマノミだ。まあ有名だからなあ。

 でも実はあの映画の魚は別種だって話もあったな。まあそんな野暮な話はいいか。

 久遠が別の水槽にいる魚をじっと見ているのが気になってそちらへ行くと、細長いサメのような魚が壁を背にしてピタリと張り付いていた。下にも仰向けになるような感じで張り付いているな。


「コバンザメか」

「コバンザメ?」

「頭の上に吸盤のようなものがあって、それが日本の昔のお金……小判に似てるからそう名付けられたんだけど、実際はサメとは全く無関係のスズキの仲間らしいよ」


 僕と久遠の頭上から、冬花を抱っこした父さんの解説が飛んできた。え、こいつ、サメじゃないのか?

 コバンザメって確か、大きなサメとかウミガメに張り付いて、その食べ残しとかをもらってるんだよな?

 名前を詐称しておこぼれをもらって……なんかものすごくズルい奴に見えてくるな……。いや、名前はこいつのせいじゃないけど……。

 コバンザメを横目に次のコーナーへ。『ヨーロッパ』か。


「おっ、アザラシがいる」


 左手の大きな水槽の中を、一匹のバイカルアザラシがゆったりと泳いでいた。

 世界で唯一の淡水のみに生息するアザラシ……こいつ、海にいるわけじゃないのか。ロシアのバイカル湖にいるからバイカルアザラシ、なんだな。

 ……ロシアってヨーロッパじゃないんでは? ……まあ、細かいことはいいか……。

 まるまると太っておっさんみたいな顔をしているけど、優雅に泳ぐなあ。

 右に左にすいーっ、すいーっと、底を這ったり、背泳ぎのように上向きで泳いだり。


「泳ぐのが上手ですね。無駄な動きがないです」


 アザラシの動きに八雲が目を奪われている。すいーっと来たかと思うと、くるりと壁際に沿って上がり、今度は上向きで戻っていく。確かに無駄な動きがない。最小限の力で泳いでいる感じだ。

 しかしずっと水の中にいるけど呼吸とか大丈夫なのかね? と、思ったら、解説に潜水が得意で普通に十五分ほど潜っていられる、とある。どうりで。


「大きなエビですわ!」

「ロブスターか」


 ルーとアーシアが覗く隣の小さな水槽にはロブスターがいた。オマール海老とも呼ばれるやつだな。ハサミがでっかいからエビというより大きなザリガニとしか見えない。

 まあ、確かザリガニもエビの仲間ではあるらしいからたいして違いはないのかもしれないが。

 バイカルアザラシに見送られ、次の『アフリカ』へ。

 正面に大きな水槽があり、その中は河原のように水と陸地を分けるように作られていた。

 一見なにもいないように見えるが……なにかいるか?

 近づいて水槽にある説明プレートを見る。ツメナシカワウソ? カワウソがいるのか? え、どこだ?

 水槽の中をよく見ると、水辺の近くに作られた板張りの上に、丸まった黒いものがあった。あれか?

 完全に背中をこちらに向けて、全く動かない。水槽を叩いてこちらを向けさせたい衝動に駆られるが、それは水族館のマナー違反だ。子供たちにもそれはバスの中でちゃんと教えた。……下手すると水槽が割れるかもしれないからな……。

 仕方がないので近くにあったツメナシカワウソの解説モニターをしばし見ていると、丸まっていたカワウソ君(さん?)が、むくりと顔を上げた。そのまま横になってゴロゴロと板の上を転がり、のびをしたり、顔を両手でゴシゴシと擦るような動きをする。


「かわいいわね」

「かわいい……」


 エルゼとエルナが目を輝かせてカワウソを見ている。確かにかわいい。まるで猫のような動きをするんだな。

 起き出して水辺に首を伸ばし、ぴちゃぴちゃと水を飲む。一瞬だけこっちに首を向けたが、すぐにまた気にすることなく水を飲み始めた。マイペースなやつだな……。まあ、いちいち見物客を気にしてられないか。

 まだカワウソに未練があるようなエルゼとエルナを引き連れて次のコーナーへと向かう。次は『アメリカ』か。


「イルカだ! しろくろ!」


 リンネが正面にある大きな水槽に駆けていく。こら、走るなって!

 水槽の中には白と黒に色分けされた二匹のイルカが泳いでいた。イロワケイルカ、か。

 頭と胸びれ、背びれ、尾びれが黒く、あとは白い。これって俗に言う『パンダイルカ』ってやつだよな?

 さっき見たバンドウイルカよりは小さい。水槽の中を泳ぐ二匹のイロワケイルカは大きいのと小さいのがいる。親子かな? 兄弟? それとも夫婦だろうか。

 動物園のパンダと同じように人気者なのだろうか、写真を撮っているお客さんが多い。

 記念にとイロワケイルカをバックに僕も子供たちを撮る。フラッシュは禁止だからちょっと薄暗いけど、バックの青と相まって幻想的な写真が撮れた。

 次のコーナーも『アメリカ』のようだが、雰囲気がガラッと変わった。

 自動ドアをくぐるとまるでジャングルにいるかのような鳥の鳴き声や風の音が聞こえる。

 実際にはいるわけじゃなくてBGMなんだろうけど、コーナーの至る所に観葉植物が置いてあって、雰囲気はまさにジャングルだ。これは南アメリカってことなのかな?

 

「トカゲがいるでござる」

「魚ではないのですね」


 八重とヒルダがアクリル板の奥にいるグリーンイグアナを見ている。その横の小さな水槽のようなものの中にはカエルなどがいた。水辺の生き物、ということなのかな? 確かこいつ泳ぐんだよな。

 八重がじーっとイグアナを見てるけど……うん、そいつは食えるらしいよ。鶏みたいな味がするとかテレビで見た。

 蛇に睨まれた蛙じゃないが、全く動かないイグアナの反対の水槽に目を向ける。

 その中には長く大きな魚が泳いでいた。ピラルク、アロワナ……僕でも聞いたことがある魚だ。

 確かピラルクってのは世界最大の淡水魚なんだっけか。一億年くらい姿が変わってないとかで、『生きた化石』って呼ばれてたような。

 説明プレートによるとピラルクは体長三メートル以上になるらしい。

 ううん……異世界むこうだとそれ以上の魚はゴロゴロいるからな……。イマイチ凄さが伝わってこない。

 僕はまだ地球の感覚があるからこの魚が大きいってのはわかるんだけど、他のみんなは特に何も感じないんじゃないだろうか。

 みんな向こうのワニの方に行ってるし……って、ワニ?

 ブラジルカイマンか。小型のワニだな。


「動かないね」

「寝てるのかな?」


 子供たちにじっと見つめられても、ブラジルカイマンは目を閉じて微動だにしなかった。フレイの言う通り寝ているのだろうか? それとも元からこういう生態なのかね?

 動かないワニに興味をなくした子供たちが次の水槽へと移り、今度は目を輝かせた。先ほどの動かないワニとは違って、何十匹もの小さな魚が縦横無尽に泳ぎまわっている。

 赤、青、黄色と、カラフルな色が水中を彩る。熱帯魚だ。

 グッピー、ネオンテトラ、プラティ、モーリー……照明の光に照らされて、鱗がキラキラと輝きを放つ。

 これは鑑賞してて楽しい魚だな。熱帯魚にハマる人たちがいるのも頷ける。

 キラキラした水槽の中を見ていると、まるで万華鏡を覗いているかのような気分になる。

 ここでアメリカコーナーは終わりのようだが、出口のところにピラルクの骨格標本が置いてあった。

 骨だらけだな……当たり前だけど。尻尾やひれの先まで骨がある。食べにくそう……って、いかん、八重たちと同じような考えをしてしまった。

 次は『アジア』か。

 自動ドアを抜けてすぐ左手の水槽に二匹のウミガメが泳いでいた。

 一メートルくらいはあるな。人が乗れそうだ。浦島太郎はこれに乗ったのか。


「珊瑚とはちょっと違いますね」

「珊瑚はどっちかというとリクガメだからなあ」


 リンゼの言う通り、ウミガメと珊瑚ではちょっと違いがある。召喚獣である珊瑚には太い四つの脚があるが、ウミガメにはそれがなく、大きな平べったい四肢がある。ウミガメはその名の通り、基本的に海中で暮らし、産卵の時くらいしか地上には上がってこないのだ。


「ザラタンも脚があるけど海に住んでるよ」

「ザラタンは……ちょっと変わってるから……」


 アリスの言うザラタンとは巨獣のザラタンのことだ。

 確かにあいつもリクガメだけど海に、というか海底に住んでいる。あいつの場合は巨体すぎて海の中の方が体が軽いんだろう。ウミガメのように泳ぐことはできないはずだ。


「これは? なにかミミズのようなものがいっぱいいるぞ?」


 反対側でスゥが見ていた水槽には砂地から顔を覗かせたチンアナゴがずらりと並んでいた。

 長い体を緩いカーブを描いて立ち、砂の上でじっとしている。まるで海藻のようにも見えるな。英名は『spotted garden eel』……。斑庭園ウナギ? 並んでると草みたいに見えるからかね?

 チンアナゴっていうんだからこれもアナゴの仲間なんだろうな……。ニョロニョロ動いていないだけ嫌悪感はない。と、思っていた僕に、父さんが余計な情報を投げてくる。

 

「チンアナゴの胴体は砂に埋まっていて見えないけど、ものすごく長くてね。うねうねっと砂の中に三十センチ以上入っていると思うよ」


 ……そう考えるとちょっと引くな……。ニョロニョロしたのが砂の下にこんなにいっぱい……むう……。

 チンアナゴから逃げるように『アジア』コーナーを抜けると、入館して初めに見た大水槽が左手に見えてきた。一階から吹き抜けになっている。

 おお、なるほど。二階ここからも見えるのか。

 相変わらず大迫力のマイワシの群れは、銀色の鱗をキラキラときらめかせて、水中をぐるぐると回っていた。

 子供たちと再び幻想的な青の世界に浸る。ブリュンヒルドで水族館を作るのも面白いかもな。ゲートで海と水槽を繋げて、魚の通り道にすれば世話もしなくてもいいし。

 いや、変な魔獣とかが侵入してきたら困るか。やはりきちんとした水槽で管理した方が……。


「冬夜様?」

「おっと」


 ルーに話しかけられ、思考の海から帰還する。みんな次のコーナーへと向かって歩き始めていた。

 次は……『いやしのくらげ』?

 薄暗いコーナーの壁に、丸い円形の水槽が取り付けられている。まるでレトロな宇宙戦艦の計器類のようだ。覗き込むとそこには小さなクラゲが何匹も水中をぴょこぴょこと泳いでいた。

 癒しのクラゲ……。癒されるの、か? 異世界むこうでも猛毒をもった巨大クラゲの魔獣なんかはいたが、それに比べたらかわいいもんだけども。

 一部のお嫁さんたちはスライムを思い出すのか苦い顔をしているけど、癒されてる?

 彼女らに急かされるようにクラゲゾーンを抜け、協賛企業一覧などが書かれた少し長い通路を抜けると、また外へ繋がる自動ドアがあった。


「かいじゅうひろば?」


 自動ドアの前の壁に書かれていた文字に少し首を捻る。怪獣? あ、海獣か。

 自動ドアのその先には腰の高さほどのアクリル板で囲まれた岩場があり、その上には白と黒の小さな海獣たちが僕らを出迎えていた。


「ペンギン!」


 






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作リンク中。

■スラムで暮らす私、サクラリエルには前世の記憶があった。その私の前に突然、公爵家の使いが現れる。えっ、私が拐われた公爵令嬢?
あれよあれよと言う間に本当の父母と再会、温かく公爵家に迎えられることになったのだが、同時にこの世界が前世でプレイしたことのある乙女ゲームの世界だと気付いた。しかも破滅しまくる悪役令嬢じゃん!
冗談じゃない、なんとか破滅するのを回避しないと! この世界には神様からひとつだけもらえる『ギフト』という能力がある。こいつを使って破滅回避よ! えっ? 私の『ギフト』は【店舗召喚】? これでいったいどうしろと……。


新作「桜色ストレンジガール 〜転生してスラム街の孤児かと思ったら、公爵令嬢で悪役令嬢でした。店舗召喚で生き延びます〜」をよろしくお願い致します。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ