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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
616/637

#616 水族館、そして青の世界。





『お世話になりましたー!』

「ご利用ありがとうございました。またお越しくださいませ」


 次の日、予定通り僕らは旅館『銀月』を後にした。

 久しぶりの温泉旅行、楽しかったな。家族のみんなも満足そうだ。

 旅館の送迎バスで駅から再び僕らは在来線の人となる。カタタン、カタタンというリズムが相変わらず眠気を誘うな……。


「で、今日は水族館に行くのかい?」

「うん。前に動物園に行ったから、今度は水族館はどうかなって。帰りに寄るだけならそれほど疲れないだろうし。父さんと母さんもさすがにもう休めないだろ?」


 二人とも売れっ子作家ではないし、三日以上も休むと収入に差し障りがあると思う……。さすがにいくらか貯金はあると思うが、それを崩させるわけにもいくまい。

 というか、異世界むこうから仕送りとかできればいいんだけどな。宝石とか金とかこっちで現金化すれば……って、変な足がつくか。

 待てよ。ならば現物での仕送りはどうだ? 米とか小麦とか、保存のきく食料を一年に一回、里帰りの時に渡せばいい。

 【ストレージ】を付与した箱とかをそのまま渡せればいいんだけどな……。地球こっちじゃあ魔導具とかはあっという間に魔力が切れて使い物にならなくなるらしいから、野菜や肉や魚なんかの保存の効かないものはダメだろうな。

 まあお金を稼ごうと思ったら、ギャンブルとかいくらでも方法はあるが……魔法を使えば絶対にバレないイカサマもできるし。

 とはいえ、そんなお金を渡されても父さんらは嬉しくないだろう。やはり現物、米、小麦、塩、砂糖、あとは酒とか? そのあたりかな……。


「楽しみだね! 水族館!」

「魚がたくさんいるんだよね!」

「いっぱい食べるんだよ!」


 電車のシートから外を眺めながら、アリスとリンネ、フレイがはしゃいでいる。フレイはなにか勘違いをしているような気がする……。いや、フードコートもあるみたいだから間違ってはいないのか……?

 水族館だから焼き魚定食とか……いや、水槽で見ていた魚とかが調理されて出てくるのは子供的には大丈夫なんだろうか? 泣いたりしない? いや、水槽で泳いでいた魚を直接料理したりしているわけじゃないんだろうけども。

 まあうちの子供たちはそんなヤワではないので、その点は心配がないと思うけどさ。普通に自分たちで倒した魔獣の肉を解体し、料理して食べたりしているからな……。

 来る時にも寄った新幹線が停まる大きな駅の駅前ターミナルから水族館直通のバスに乗る。

 ここから海に近いところにその水族館はあるのだ。

 十五分ほどバスが走り、やがて目当ての水族館が見えてきた。

 白を基調としたなんともオシャレスタイリッシュな水族館だ。なんでもまだ建てられてそんなに経っていないらしい。


『水族館だー!』

「あっ、ちょっ……!」


 バスを降りると子供たちが久遠を除いて入口へ向けて一斉に走り出した。バスの中で水族館ってのはどういうものかと、スマホを使って動画を見せたのが仇となったか。子供たちのテンションが高すぎる。


「子供は元気でござるなー」

「でもちょっと気持ちはわかります。なんかワクワクしますよね!」


 八重とリンゼの声を背後から聞く。お嫁さんたちも楽しみにしているならまあいいか。

 冬花の手を引いて全員分のチケットを買い、待ちきれない子供たちと一緒に館内へと入る。

 天井が高く開放感のあるエントランスを抜けて、館内案内図の前にあったパンフをもらう。

 なるほど、順路に従っていくんだな。一階を通り抜けて二階へ行き、二階をぐるっと回ってまた一階に降りるというコースだ。

 とりあえず一階のコースに沿って通路を進む。

 壁に『にほんのうみ』と書かれている短い通路の天井が水槽になっていて、下から泳ぐ魚などを見ることができた。


「おさかな」

「おさかなだね」


 手を繋いでいる冬花が頭の上を泳ぐ魚をじっと見ていた。上に水槽があって、下から見るってのは変な感覚だな。

 通路を抜けてその先の角を曲がると、突然開けた空間が広がった。


「うわぁ……」


 そう漏らしたのは誰だったか。

 目の前に壁のような大きな水槽があり、その中をいろんな魚が悠々と泳いでいる。二階まで吹き抜けになっている大水槽だ。

 薄暗い中に光る青い水槽の中で、大小様々な魚が泳ぐ姿にしばし声を忘れる。これはすごいな。まさに『青の世界』って感じだ。

 僕は魚の種類にそれほど詳しくはないのでなんの魚かはわからないが、鯛のような魚や、小さなエイのような魚もいるな。小さなサメみたいなのまでいるぞ。


「たくさん集まってる!」

「まんまる!」


 リンネとステフが水槽の中でまるでボールのように群れをなしている魚を指差してはしゃいでいる。

 あれは……イワシか? うん、マイワシだな。ここに説明プレートがある。

 確かベイトボールって言うんだっけ? 捕食者から身を守るために、群れを成すらしいが、逆にそのせいで捕食者に見つかりやすくなってしまうとかテレビで見た記憶があるな。

 球体からマイワシたちが形を変える。水面を覆い尽くすかのように広がって、大水槽にマイワシのふたをされたみたいに見える。

 群れががクルクルと移動するたびにキラキラと光を反射して、まるで水槽自体が光を放っているかのようだ。


「綺麗ね……」

「うん……」


 リーンと桜も幻想的な光景に魅入っているようだ。

 マイワシ以外にもたくさんの魚がいるんだな……。えーっと、スズキ、カワハギ、イサキ、マアジ、マサバ……美味そうな名前が並ぶな……。

 ネコザメとかトビエイなんてのもいるのか。あそこで泳いでいるエイがトビエイかな?

 太陽光が降り注ぐ巨大な水槽の中に広がる幻想的な世界を僕たちは飽きることなく眺めていた。

 とはいえ、いつまでもここにボーッとしているわけにもいかず、次のコーナーへと向かう。

 通路の先は大水槽よりも暗い感じに照明が落とされていて、壁に『つめたいうみ』という表示があった。

 冷たい海に生息する魚たちがいるのか。

 サクラダイ、サギフエ、ウミタナゴ……魚だけじゃないな、ミズダコとかタカアシガニとかもいる。


「でかいなミズダコ……」


 水槽の奥の上の方に張り付くミズダコは、頭だけでもバスケットボールくらいあった。


「これでも小さい方だと思うよ。ミズダコは世界最大のタコで、確か十メートル近いのもいたはずだから」

「なんでそんなこと知ってるの、父さん……」

「漫画家なんて仕事をしてると変な雑学が増えるもんなんだよ」


 そんなものなのかね? 確かにいろいろと調べないといけないことが、仕事上多い気はするけども。

 冬花も気になるのか、父さんに抱っこされて水槽の上に張り付くミズダコをじっと見ている。


「まあ味はその名の通り水っぽくて、マダコの方が美味しいらしいけどね」


 そうなのか。お前あんまり美味くないのか。よかったな、乱獲されなくて……。人によってはこっちの方が好き、って人もいるだろうからなんとも言えないけども。

 向こうの水槽にはタカアシガニがわさわさと長い脚を動かしていた。多いな……。十匹くらいいるのか?

 タカアシガニを見ていると、どうにも邪神の使徒のあのジジイを思い出してモヤッとするな……。


「美味しそうでござるな……」

「美味しそうなんだよ……」


 八雲とフレイがじーっとタカアシガニを見ていると、身の危険を感じたのか、何匹ものタカアシガニがカサカサと水槽の隅へと逃げるように移動していった。

 冷たい海の次は『いろどりのうみ』か。

 魚とともに海藻類も展示されている。さっきとは打って変わって、木目調のフローリングや壁が暖かい雰囲気を出しているな。

 海藻類という海の森の中で、小さな魚たちが縦横無尽に泳いでいた。アイナメやシマソイ、メバルなんていう、僕も聞いたことのある魚たちがいる。

 アイナメは食べたことがあるな。じいちゃんが昔釣ってきて、刺身にしてくれた。けっこう美味かった記憶がある。

 次は『たからのうみ』。

 入ってすぐに目立つ存在がいた。円筒状の水槽の中にいる巨大なマンボウである。

 マンボウは死にやすいなんて話をネット上なんかではよく見るが、あれはガセだって聞いたな。ネットでそれぞれが面白おかしく独自に考えたネタを流していて、それが広まってしまった都市伝説なんだとか。

 ただマンボウがデリケートなのは本当で、泳ぐのが上手くなく、急旋回などができないため、よく水槽にぶつかってしまうらしい。それがストレスになってしまうらしく、水族館によってはビニールのフェンスを付けているところもあるとか。

 ゆったりのんびりと水の中を泳ぐマンボウに、なんとなくほっこりするな……。


「この魚は食べられるのでしょうか?」

「え? どうだろ……?」


 不意に発せられたアーシアの言葉に僕はちょっとぎょっとする。マンボウって食べられるの? というか、これを食べる……?

 ちょっととぼけていてなんとも愛嬌のあるマンボウさんを食べるのはいささか抵抗がないか?


「普通に食べられるよ。刺身や湯引きして酢味噌和えとか、唐揚げや天ぷらも美味いね。冬夜も小さい時に食べたことがあるはずだけど」

「えっ!?」


 母さんの言葉に少なからずショックを受けた。すまん、マンボウ。僕はもうお前を味見していた……。

 マンボウは『見損なったぜ』とばかりにこちらに背を向けて奥へと泳いでいく。ごめんよ……味を覚えていないのが残念だ……。

 マンボウに別れを告げて次のコーナーへと進む。『めぐみのうみ』ね。

 水槽の上から牡蠣が紐でぶら下がっている。いや、真ん中に紐を通したホタテ貝の殻に牡蠣が付いているのか? これって養殖の牡蠣だよね?

 その牡蠣の横の水槽では何匹ものニョロニョロとしたものが泳いでいた。

 ウナギ……いやアナゴか。解説プレートに書いてあった名前を見て、ウナギではなくアナゴなのだとわかった。


「ウナギとアナゴの違いってよくわからないな……」

「ウナギはもっと色が濃くて、黒に近いんですの。全体的に白い点があるのがアナゴで、尾ビレが扇型なのがウナギですわ。ウナギはこってり、アナゴはさっぱりとした味で、天然か養殖かによっても味が違ってくるそうです。でもウナギの方が栄養価はかなり高いとか。夏バテ防止や滋養強壮にはとてもいい食材なんでしょうね」

「お、おお……? 詳しいね……」

「水族館に行くと聞いて、昨日ネットで調べました!」


 ルーがドヤ顔をこちらに向けてくる。

 地球に来たことで、ルーたちのスマホもインターネットに接続できるようになっていた。これがバビロン博士の技術力なのか、神様によるサービスなのかはわからない。

 それ自体は別にいいのだけれども、子供たちやお嫁さんらがネットの海に溢れるガセネタや都市伝説なんかを信じたりしないか心配である。

 一応、ネットには嘘も多く書かれているから、あまり頭から信じないように、と釘を刺してはおいたが。

 しかし、牡蠣にアナゴ……なるほど、海産物の展示なのか。それで『めぐみのうみ』ってわけだ。

 しかしこれだけのアナゴがニョロニョロと泳いでいると、ちょっと気味悪く感じてしまうな。

 たぶんこれがウナギでも同じだろうな。一匹二匹ならなんとも思わないんだが、集団となるとな……。

 ニョロニョロと動き続けるアナゴを背に次のコーナーへ。『ゆりかごのうみ』……? アマモ?


「アマモってこの細長い海藻のことかしら?」

「そうだね。海藻じゃなくて、海中に生える種子植物らしい」


 リーンの疑問に僕はそう答える。海藻ではなく、海草。胞子で増える藻類ではない。

 生き物の隠れ家になったり、産卵の場所になったり、水を綺麗にしたり、水中の酸素を生み出したりと、まさに『海のゆりかご』なのだ……と、ここのプレートに書いてある。

 確かにワカメとかコンブとかああいった感じじゃないな。ススキのような、稲のような感じだ。

 別名『リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ』……。『龍宮の乙姫の元結の切り外し』か? 和名で一番長い植物……。確かに長い。

 龍宮の乙姫様の結っていた髪を切り離したものにたとえての名前なのか。海外ではイールグラス……ウナギ草と呼ばれる……こっちでもウナギかい。

 まあニョロニョロはしていないから気味悪くはないけども。

 魚も泳いでいるとはいえ、水草はあまり興味を引かなかったのか、子供たちはさっさと次のコーナーへと移動していた。

 通路の右と左に『ひがた』と『しんかい』とあり、『ひがた』……干潟の方は腰の高さに水深の浅いプールが設置されていて、そこにいる生き物を間近で観察できるようになっていた。ハマグリにイシガニ、ハゼなんかがいるようだ。

 子供たちはそちらの方へ寄っていき、目線の高さにいる水の中のカニやハゼを追いかけていた。

 僕の方はというと、『しんかい』……深海の方のダイオウグソクムシに目がいっていた。

 ガラスケースの中にひっくり返るようにして、四十センチ以上はあろう、動かないデカいダイオウグソクムシが展示されている。これは剥製か?

 精巧な作り物……? 脱皮した抜け殻じゃないよね……? セミの抜け殻に似てるけど……。

 なかなかに裏側から見るとキモいな……。虫がダメな人はダメだと思う。

 他の深海魚も展示されていたがこれもなかなか……父さんは興味深そうに見ていたけど、抱っこされている冬花は嫌そうな顔してるぞ。妹よ、その感情は正しい。むしろこれを見て喜ぶようなら、お兄ちゃんちょっと不安になる。

 その次の海洋生物を研究するラボのようなコーナーを抜けて一旦外に出る。

 中庭のようなその場所はカーブする通路に屋根が付いていて、その左右に展示物があるような作りになっていた。


「魚がいっぱいいるんだよ!」


 フレイが外に設置された水槽に駆け寄っていく。屋根がついた通路の横、目線の高さの水槽……というか池? の中にたくさんのコイが泳いでいた。フナもいるな。キンブナにギンブナ?

 近くにはなぜかカプセルトイのガチャマシンがあった。なんでこんなところに? と思ったが、どうやら中身はコイの餌らしい。商魂逞しいな……。


「餌をやってみるかい?」

「やる!」

「やりたい!」


 母さんの言葉にリンネとステフがすぐに食い付く。コイよりも食い付きがいいのではないだろうか。

 母さんがリンネたちだけじゃなく、子供たちみんなに百円を渡す。鯉の餌に千円か……。子供が多くて申し訳ない。あとで返そう……。

 百円をもらった子供たちはガチャガチャとハンドルを回し、コイの餌を手に入れる。パンくずかなにかかと思ったけど、ドッグフードのようなペレット状のものだった。

 子供たちが餌を投げ込むと、一斉にコイたちが喰らいつく。

 前言撤回。リンネやステフなんかよりコイの方がはるかに食いつきがよすぎる。口をパクパクと開けて、早くよこせ、早くよこせとこちらに訴えてくるようだ。

 我が我がと言わんばかりにコイが餌に群がる。子供たちも分散してあっちこっちのコイに餌をやっていた。あれかな、平日だから人がいないし、今日はあまり餌をもらってないのかね?

 それを見ながら隣の水槽に目をやると、そこではウグイやオイカワ、アユなんかがいた。

 そのさらに先の水槽にはイワナやヤマメが泳いでいる。

 なるほど、ここは川魚なんかを置いているんだな……と思った僕の目に、またガチャマシンが飛び込んできた。ん? また餌か?


「イワナ・ヤマメ専用……」


 ……いや、コイと餌が違うってのはわかるんだけども。

 コイの餌を全てやってしまった子供たちが、なぜかキラキラした目で父さんを見る。

 引き攣った笑いを浮かべながら、今度は父さんがイワナ・ヤマメの餌を全員に買ってあげていた。すみません、後で返しますんで……。


「りしゅ!」

「え?」


 父さんから預かり、手を繋いでいた冬花が突然上を見て叫ぶ。そちらの方へ視線を向けると、金網でできたパイプのような中を、一匹のリスが走り抜けているところだった。

 左手にリスの餌場のような場所があり、右手には寝床のような場所が金網の中にあった。そこを天井を伝うようにして金網のパイプが繋がれているのだ。

 ってか、なんでリスがいるんだ? 水族館なのに?

 案内板をよく見ると、『うみのみなもと』とある。ああ、山や川から海へと繋がる……ってことなのかな。

 海と山は密接な関係で繋がっている。山の木々から落ちた葉や、森の土壌に含まれるミネラルなんかの栄養素が雨水や地下水を通して川へと流れ、やがて海へと辿り着く。

 それらはやがて植物性プランクトンを生み出し、それは貝類や動物性プランクトンの餌となり、小型の魚、大型の魚と食物連鎖が広がっていくのだ。

 山の栄養が海の栄養となり、山が死ねば海も死ぬ。切っても切れない関係なのだ。

 異世界むこうは精霊たちが頑張ってくれているから大丈夫だけど……それにあぐらをかいていいわけではない。

 自然環境を守るために、やれることはやっていかないといけないよな。

 そんなことを思いながら中庭のような通路を抜けて再び館内に入ると、左手にエスカレーターがある。ここから二階か。

 エスカレーター自体は駅のホームで乗っているので子供たちもそこまでははしゃぐことはなかった。

 エスカレーターを上るとどこからか大きな水飛沫の音と人々の歓声が聞こえてきた。


「おっとこれは……!」


 眼下にはすり鉢状に並ぶ観客席。まるで野球のグラウンドの観客席のようになったその中心には、大きなプールがあった。

 そのプールから一匹のイルカが空中に飛び出して、盛大な水飛沫を上げて着水する。イルカショーか。

 再びイルカが水面から飛び出すと今度はクルクルッと縦に何回転かして着水する。うおっ、すごい回るな!?


「イルカだ!」

「いるきゃ!」


 冬花も派手な動きをしているイルカに大興奮だ。イルカの方も歓迎しますとばかりに今度は横にクルクルッと回転して、バシャン! と着水した。


「どうせなら前の方で見ようか」


 母さんが興奮している子供たちを連れてスタジアムの階段を下りていく。

 平日とあって観客は満席ってほどじゃない。僕らもイルカショーを観るべくスタジアムの真ん中へと下りていった。


 

 





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■スラムで暮らす私、サクラリエルには前世の記憶があった。その私の前に突然、公爵家の使いが現れる。えっ、私が拐われた公爵令嬢?
あれよあれよと言う間に本当の父母と再会、温かく公爵家に迎えられることになったのだが、同時にこの世界が前世でプレイしたことのある乙女ゲームの世界だと気付いた。しかも破滅しまくる悪役令嬢じゃん!
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新作「桜色ストレンジガール 〜転生してスラム街の孤児かと思ったら、公爵令嬢で悪役令嬢でした。店舗召喚で生き延びます〜」をよろしくお願い致します。
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