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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
599/637

#599 敵地へ、そして融機竜。

■イセスマアニメ二期、最後までありがとうございました。原作もいよいよ佳境、この戦いが終わり、子供たちとの最後の章を挟んで、おそらく完結となります。それでもたぶんあと一年以上はかかりそうですが……。もう少しだけお付き合いいただけたら幸いです。






「攻めるなら今……か」

「はい。どう考えてもこの一連の襲撃は綿密に計画されたものではないと思います。まるで人間の魂を狩るだけの……それこそ急いで集めなければならない状況ではなかったのかと」


 ふむ、と僕は戦闘が終わったガルディオ帝国の城塞都市・バレルロルを眺めながら、久遠の提案してきた話を整理していた。

 確かにこの一連の襲撃は力押し過ぎだった気がする。ブリュンヒルドにも融機兵を送りつけて時間を稼ぎ、多方面で魂を狩るという、まるで、この後はどうなってもいいと言わんばかりの雑さだ。

 向こうがなにか切羽詰まった状況なのか、これらのマイナスを背負ってでもプラスに転化させる策があるのか……。

 どっちにしろ久遠の言う通り、後手に回るとマズいことになりそうな気がする。

 悩んでいて手遅れになってしまっては、それこそ取り返しがつかない。


『ボクも久遠君の意見に賛成だね』


 悩んでいると博士の声がして、空中に彼女の映像が浮かぶ。その横にさらに映像が並び、映し出されたのは前にも見た赤い湖に浮かぶ樹木要塞だった。ずいぶんと画像が荒いが……。


『奴らの本拠地……ここらの魔素濃度が著しく下がっている。偵察球からの画像も荒くなるくらいにね。なんとか見えると思うが……この要塞の中央のところを見てくれ』


 博士が提示した樹木要塞の中心、ピラミッドのような祭壇の上でなにかが光っている。荒い画像のため、よく見えないが、なにかが光っていることは確かだ。


「なんだこりゃ……?」

『なにかはわからないが、魔力だけじゃない、なんらかの力が働いているのは確かだね。奴らの目的はこれを起動させることだったんじゃないかな。だとすれば、急いだ方がよさそうだよ』


 博士の言葉を証明するかのように、みるみるうちに樹木要塞の赤い湖が干上がっていく。

 と、同時に要塞を形作る樹木がまるで蛇のようにうねり、どんどんと周囲にその根を広げていった。

 これは……成長しているのか? いや、成長というよりは違う形に変化しようとしている?

 突然ブツンと映像が途切れた。偵察球が魔力を失い、落ちたのだろう。

 【侵蝕】の力を手に入れたゴルドが邪神の使徒を使い、何かをしようとしている。今までの行動は全てその目的のためにされたことなんだろう。

 そこまでしてゴルド……いや、クロム・ランシェスがしようとしていることとはいったい……?

 何をしようとしているのかはわからないが、好きにさせるわけにはいかない。

 

「よし、奴らの本拠地に乗り込もう」

「子供たちはどうします?」

「まだ邪神の使徒はいたはずだ。連れて行こう」


 ユミナの質問にそう返すと、子供たちが『やった!』とばかりに手を鳴らす。遊びに行くんじゃないんだけどな……。

 魔素濃度が著しく薄くなっているなら、【ゲート】で全員を転移させるのは難しいか? となると……。


「とーさま! クジラさんがきた!」

「え?」


 ステフの言葉に顔を上げると、東の空から真っ白い巨大な空飛ぶ戦艦がこちらへとやってくるのが見えた。


「なるほど。ヴァールアルブスか」


 ユミナを仮の契約者マスターとする『白』の王冠、アルブスが操るオーバーギア、ヴァールアルブス。

 こいつなら何機ものフレームギアを一気に運搬することができる。


「そんなにフレームギアが必要でござろうか?」

「向こうもまだ幾らかはキュクロプスを残しているだろうし、なにか隠し球を持っているかもしれないからね」


 八重の疑問に僕はそう答える。いくらなんでも全兵力をこちらへ寄越したとは思えない。警戒するに越したことはないと思う。

 着陸したヴァールアルブスに、ガルディオ帝国へ念の為に数機を残して、全て【ゲート】で格納する。

 乗り込むのはブリュンヒルドの騎士団のみ。


「エンデはどうする?」


 僕は久遠とアリスが仲良く話しているのをしかめっ面で眺めているエンデに声をかけた。


「アリスが行くなら行くに決まってるだろ。応急処置でいいから竜騎士ドラグーンを動けるようにしといてよ」


 ロゼッタの話だと竜騎士ドラグーンは右腕がかなりダメージを受けていて使い物にならないらしい。おそらくアラクネゴレムを倒した時に放ったあの一撃の反動だろう。そもそも竜騎士ドラグーンは格闘用の機体じゃないからなあ。

 応急処置、というのかわからないが、やられた黒騎士ナイトバロンの右腕を竜騎士ドラグーンにつけるんだそうだ。

 通常よりバランスが取りにくくなるが、普通に戦う分にはなんとか大丈夫らしい。ホントかね……?

 まあ、エンデ(こいつ)なら楽々と動かしそうだが……。


「マスター、全機収納完了だゼ!」

「モニカ、ここから目的地までどれくらいかかる?」


 ヴァールアルブスの艦橋ブリッジで、報告をしてきたモニカに移動時間を尋ねる。


「そうだナ……。普通のスピードで行ったら数時間はかかるナ。高速モードで行けば三十分くらいか? ただそのあと、ヴァールアルブスは動けなくなるケドさ」

 

 動けなくなる、か。だけど今は非常時だ。ここで躊躇って間に合わないってのはダメだろう。


「なら高速モードで。ユミナ、頼めるかい?」

「はい。アルブス、高速モードへ移行。目的地まで全速力で」

『了解。高速モードデ航行開始』


 艦橋ブリッジの艦長席に座るユミナに声をかけると、その下に座る『白』の王冠、アルブスが白鯨ヴァールアルブスを発進させる。

 いつものようなゆっくりとした速度ではなく、グンッ、とヴァールアルブスが加速した。

 そこからグン、グン、グン、と段階的に速度が上がり、高速飛行艇である『グングニル』とほぼ変わらないくらいのスピードに達する。


『目的地到着まであと三十二分』


 操縦席に座るアルブスがそう告げる。


「よし、じゃあ今のうちに騎士団のみんなには食事休憩を」

「わかりました」


 ユミナがヴァールアルブスの腹部にある格納庫に待機している騎士団のみんなへと連絡を入れる。

 ブリュンヒルドからずっと連戦で食事をする暇もなかったからな……。今のうちに食べておいた方がいいだろう。腹が減っては戦はできぬ。

 僕らも艦橋ブリッジで、立ったままだがサンドイッチを頬張る。

 ひとまずお腹が落ち着いたところで、アルブスがユミナに語りかけた。


『マスター。外気ノ魔素濃度ガ急激ニ減少中。速度維持不可能。不時着スル』

「ここまでですね」


 その報告にユミナが右手に浮かぶマップウィンドウを見る。

 目的地の湖……もはや赤い水も干涸び、湖というよりはクレーターだが、その中央にある樹木要塞までは行けないようだ。


「ここまで魔素がないと、フレームギアも動かないんじゃない?」

『いや、ヴァールアルブスは外気の精霊から力を借りる精霊炉を積んでいる。この地の精霊はみんな逃げ出してしまっているから、そっちから力を吸収できないだけなんだ。フレームギアは内部魔力のエーテルリキッドでなんとか動くと思うよ。それでも長時間は厳しいが』


 エルゼの疑問に通信で博士が答えてくれた。なるほど、精霊がいない土地に来てヴァールアルブスの出力が落ちてきてるのか。

 ヴァールアルブスの速度が落ち、ゆっくりと下降していく。不時着といってもこれなら事故にはならないだろう。

 樹木要塞までは無理でも、クレーター内までならなんとか行けそうだけど……。


「冬夜さん、あれを!」

「な……!?」


 モニターを指し示したリンゼにつられてそちらに視線を向けると、クレーターの中央にあった樹木要塞が、まるで筍が伸びるかのように、ニョキニョキと上昇していく。

 地面から塔が伸びたみたいだ。太い根が螺旋階段のようにその塔に巻きついている。

 なんとなくだが、僕はタロットカードの『塔』の絵を思い出した。

 破壊、破滅、災害を暗示し、終局を意味する最悪のカード。

 バビロン(うち)にも『塔』があるから、なんともいえないけど、こっちの方が禍々しくてタロットカードの『塔』のイメージが強い。


『慣性中和、反重力制御。不時着スル』


 ズズン……、と静かな衝撃があっただけで、ヴァールアルブスはクレーター内に無事(?)不時着した。


『やはり精霊炉が使い物にならないね。内部魔力である程度動かすことはできそうだが、航行は難しそうだ』


 博士の言葉に、車で言うところのガス欠でもラジオは聞ける、みたいなものなのかな? と思いつつ、ユミナにヴァールアルブスの格納庫を開くように頼んだ。

 なにかのトラブルでそれさえも動かなくなったら、フレームギアが出撃できない。さっさと出撃した方がいいだろう。


「あら、向こうもお出ましのようね」


 リーンの声に視線をモニターに戻す。

 樹木要塞……もはや樹木塔、か? の、根本の空間が歪み、そこからキュクロプスがゾロゾロと現れた。さらに……。

 

「あれは……なんだ?」


 ズモモッ、と歪みの中から現れたのは、見た目は恐竜。だが、身体のあちこちが機械という、融機兵と同じような存在だった。

 サイボーグサウルス、とでも言うのだろうか。融機兵に合わせて融機竜、かな?

 まるでティラノサウルス・レックスのような姿をした融機竜が、キュクロプスと同じようにゾロゾロと歪んだ空間から現れる。


「あ、空からも……!」


 空の一部が歪み、そこからまるでプテラノドンのような融機竜が何頭も飛び出してきた。

 機械と融合した身体と、大きなワイバーンのような飛膜を持ち、嘴と尻尾が長く、尻尾の先にはオナモミのような刺々しいものがついている。プテラノドンはあんなに尻尾は長くなかったような。プテラノドンではなくやっぱり別の何かだ。


「ひょっとしてあれは召喚魔法なのかしら。別の世界から召喚して操っている?」


 リーンがモニター内を飛び回る融機竜……融機飛竜? を見ながらそんな分析を述べる。

 召喚魔法か。あり得なくはないな。東方大陸にやってきたクロム・ランシェスが興味を持たないはずがない。

 邪神の使徒の力を使って、別の世界から魔獣を召喚しているのか? まさか無限に呼び出せるわけじゃないだろうが……。


「守りが堅くなる前にこちらから攻めた方がいいかしらね……」

「拙者たちも出るでござる! 行こう、ヒルダ殿!」

「ええ!」

「母上、我らも!」

「あっ、待ってなんだよ!」


 リーンの呟きにモニターを見ていた八重とヒルダ、八雲とフレイが慌ただしく艦橋ブリッジを飛び出して行った。


「僕たちも行こう。ここで終わらせる」

「ですね。あ、アルブスはここに残って監視と援護を続けて下さい」

『了解』


 ユミナが艦長席から降りる。ヴァールアルブスにはそれなりの兵装がされている。動けなくとも砲台として活躍はできるはずだ。

 ゴルド……クロム・ランシェスの記憶を受け継いだ、過去の亡霊。いったいなにをしようとしている?



          ◇ ◇ ◇



 戦端が開かれる。

 桜の乗るロスヴァイセから放たれる、歌による支援魔法、そこからのリーンのグリムゲルデによる『一斉射撃フルバースト』。

 これによりキュクロプスの何機かは沈んだが、T-レックスの融機竜は晶弾を何発かその身に受けても突進をやめなかった。かなり頑強なやつらしい。

 プテラノドンの融機竜は、大半が樹木塔の周辺を旋回しており、攻めてきたのは数十体だけだ。こちらは慎重派か? いや、そう命令されているだけなんだろうな。

 騎士団のみんなが駆る重騎士シュバリエたちが融機竜と激突する。

 そのうちの一機が振り回された融機竜の尻尾に当たり、勢いよく吹っ飛ばされて焦ったが、盾で防いだらしくなんとか立ち上がり、僕はホッと胸を撫で下ろした。受け止めた盾はぐにゃりと歪んでいたが。


『尻尾に注意しろ! 迂闊に近寄るな!』


 騎士団長・レインさんからの指示が飛ぶ。槍を持つ数機で牽制、その隙に大剣を持った機体が尻尾を切断、その後数機で叩く。

 基本的にフレームギアの武器は晶材でできているので、硬そうな融機竜の尻尾でもなんとか切断できる。


『ふっ!』


 エルゼのゲルヒルデが正面から融機竜の鼻っ柱をぶん殴る。ゴキリという音とともに顔面を歪まさせて吹っ飛んだ融機竜は、それきり起きてこなかった。どうやら首が折れたらしい。


『九重真鳴流奥義、紫電一閃しでんいっせん!』

『レスティア流剣術、三式・斬鉄!』

 

 八重のシュヴェルトライテと、ヒルダのジークルーネが同時に二頭の融機竜の首を刎ねる。

 スピーカーから『私にも代わってほしいんだよー!』という声が聞こえてきたが、あの声はヒルダと一緒に乗っているフレイだな。

 たとえ神魔毒を撒かれても耐毒のパイロットスーツがあるので、フレイの出番はないと思う。邪神の使徒が出てきたら頼むね。

 あの子たちが未来に帰ったら、専用のフレームギアをねだられそうで怖いなあ……。頑張れ、未来の僕。


『冬夜さん、空飛ぶやつは私たちで!』

「了解」


 リンゼからの通信に僕もレギンレイヴを飛び立たせる。……? あれ? 出力が落ちてる?


「博士、これって?」

『……改装したとき、レギンレイヴの飛行動力に一部精霊炉を使ってみたんだが、それが裏目に出たね……。ここだと使い物にならないな。魔力だけでも飛べることは飛べると思うが……。冬夜君、精霊を呼び出して力を借りることはできないか?』


 いや、それはどうだろ……。

 過酷な環境下に無理矢理呼び出して、強制的に働け、って言っているようなもので。

 できなくはないだろうけど、精霊たちの信頼が著しく下がりそうだ。


「仕方ない、下から迎撃するか」


 僕は飛ぶのを諦めて着地し、背中の十二枚の水晶板を剣の形に変化させ、プテラノドンの融機竜へと撃ち出した。

 水晶の剣はミサイルのように飛んでいき、融機竜の胴体に風穴を開ける。

 瞬間、プテラノドンが盛大にドガン! と大爆発した。


「な……!?」


 ふと横を見ると、飛行形態で飛んでいるリンゼのヘルムヴィーゲに、別のプテラノドンが突っ込んでいくところだった。なにか……なにかヤバい!


「リンゼ! 近寄らせるな! そいつは爆発する!」

『はっ、はい!』


 突っ込んでくるプテラノドンに晶弾の雨を喰らわせるヘルムヴィーゲ。

 カッ! と爆発したプテラノドンの中をヘルムヴィーゲが突き抜けて飛んでいく。一瞬焦ったが、大丈夫のようだ。


「内部に爆弾でも積んでいるのか? それとも最初から自爆するように命令されているのか?」


 どっちにしろ近寄らせるわけにはいかない。あれが地上で戦っているみんなのところに突っ込んだら大変なことになる。

 プテラノドンのヤバさに気がついたのか、ユミナの駆るブリュンヒルデや、ルーのヴァルトラウテ(キャスター)ユニットの遠距離攻撃もプテラノドンへと向かう。

 後方から巨大化した瑠璃と紅玉もやってきて、プテラノドンへドラゴンブレスと火炎弾を撃ち込んでいた。

 ただ、ユミナのスナイパーライフルでは頭や翼を撃ち抜き、落下させると地上で爆発してしまうため、狙撃が難しそうだった。

 おそらく胸部か腹部に爆弾があるのだと思うが、その見極めが難しいと思われる。

 まとめて吹き飛ばせる火力があればなんとか空中で爆発させることができるのだが。

 様子を窺っていた(?)塔の方にいたプテラノドンもこちらへと向かって飛んでくる。どうやら数で押す気らしい。


「【飛操剣フラガラッハ】!」


 十二本の晶剣が縦横無尽に宙を飛ぶ。それぞれが十二体のプテラノドンの腹や胸を突き破り、ドカドカドカン! と、十二の爆発を生み出す。

 なるべく下に誰もいないところで倒したが、プテラノドンのバラバラになったパーツと肉片が地面へと無惨に落ちていく。

 爆発はかなりの威力だ。フレームギアに近づいて自爆されたら、一匹でも大破してしまう。

 みんなに近づけるわけにはいかない。全て叩き落とさなければ。


『ギュエア!?』


 僕の背後からプテラノドンに向けて晶弾の連続射撃が放たれる。

 初手に『一斉射撃フルバースト』をかましたリーンのグリムゲルデがクールダウンから復帰したらしい。


『ダーリン。ここは私たちに任せて、あなたは塔へ向かった方がいいわ』


 リーンからそんな通信が入る。確かにここで時間を取られるのは本意ではない。

 レギンレイヴで飛べることは飛べる。リーンの言う通り、一気に塔の最上階へ飛んで行ってもいいんだが……。

 以前、世界神様が言っていた。僕や奥さん、子供たちは体内に神気を宿しているのでゴルドの持つ、【侵蝕】の力に対抗できる。

 しかしフレームギアはそうではない。最悪、レギンレイヴを乗っ取られる、なんてこともあるかもししれないのだ。さすがにそれは避けたい。

 

「生身で行くしかない、か」


 僕はコックピットから飛び出し、レギンレイヴを【ストレージ】に収納する。と、そこへ琥珀に乗った久遠がやってくる。

 あれ? ユミナのブリュンヒルデに乗ってたんじゃ?


「邪神の使徒がいるかもしれないので、父上についていけと母上が。僕もお供します」


 奥さんと子供に心配される父親ってのはどうなんだろう……? いや、家族なら普通のことだよな。普通、だよね? 頼りないとかそういうことじゃないよね?

 確かに邪神の使徒がいた場合、僕では手を出せないから間違っちゃいないが……。

 うん、あくまでこの戦いは地上の人間がなんとかしなきゃならない。僕はそのサポート。未来から来た久遠でも地上の人間には変わりないから問題はない。

 息子の戦いをサポートするのが今の僕の役割なのだ。主役は彼であって僕ではない。


「わかった。じゃあ行こうか」

「はい」


 僕は琥珀と久遠に【レビテーション】を、自分に【フライ】をかけて、一気に空へと飛び上がった。

 

 


 




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