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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
584/637

#584 神々の懸念、そして作戦家族会議。





 うちの奥さんたちを広告塔にしたパーティーでの眼鏡の売り込みは、驚くほど反応が良かった。

 東方大陸に比べて機械技術の発達した西方大陸でも、やはり眼鏡は目の悪い者がかける、視力矯正用のお高い道具としか見られていない。

 基本的にオシャレとして身につけるものとは捉えていなかったのだ。

 新しいお菓子や料理、面白い遊具や便利な小道具などを発信してきたブリュンヒルドの王妃たちが揃って眼鏡をかけている。目が悪いわけでもないのに。

 なるほど、眼鏡もファッションの一つなのだと、初めて認識されたわけだ。

 そうとなれば、王族はもとより、上流貴族の者たちが食いつかない理由はなかった。特に女性陣は。

 もともと眼鏡をかけていた者も、気分によって違う眼鏡をかけるのもアリなんだということに気づいたようだ。

 そこに僕が大量の眼鏡を並べたものだから、あっという間に眼鏡の熱が広がっていく。

 まずはその日の主役でもある聖王国アレントの姉妹姫に眼鏡をプレゼント。

 そのギャップに炎国ダウバーンと氷国ザードニアの若き国王陛下たちはあらためて新妻にハートを撃ち抜かれた。うん、気持ちはよくわかる。

 そこからは皆がそれぞれがお気に入りの眼鏡を探すようになり、奥方、令嬢を中心に広まっていった。

 そっちの方は奥さんたちに任せ、僕は御年配の方たちに遠近両用眼鏡を勧めていた。

 一枚のレンズの中に、遠距離、中距離、近距離用のレンズが入っていて視線を上下に動かすことで遠くも近くも見ることができる。

 加齢などにより、ピントが合いづらくなったというレグルスの皇帝陛下などはこれをいたく喜んでくれた。

 昔からそういった傾向はあったらしいのだが、近年それがさらに酷くなったらしい。

 ……ひょっとして、いや、ひょっとしなくても僕がスマホをあげたからですかね……? 一応、拡大縮小の機能はついているんだけどな……。

 ううむ。正直、眼鏡なんか流行ろうと流行るまいと関係ないや、と思っていたが、こうなってくると、責任の一端を感じてしまう。

 視力低下は【リカバリー】でも治せないからな……。スゥのお母さんであるエレンさんのような、病気による後遺症なんかは治せたけど。

 罪滅ぼしというわけではないが、レンズの研磨技術が発展している西方大陸の国王陛下たちに、眼鏡神グラシィさんから預かったレンズ加工の指南書を渡しておく。

 こういったものは本来、それぞれの工房の秘伝とされるものなので、僕がポンと渡してきたことにみんな驚いていたな。

 その代わり、と言ってはなんだが、レンズ職人でうちに移住してもいいという人がいたら紹介して、と頼み込んでおいたけども。

 眼鏡神頼りではなく、地上の人の力である程度の眼鏡は作れるようにならないと、平民たちまで広まらないからさ。職人を育てるのも為政者の務めだ。


「それで眼鏡神は?」

「パーティーを開催してた聖王国アレントに。あそこの貴族たちがこぞって眼鏡を取り入れ始めてさ。しばらくあの国で眼鏡を広めるって」


 眼鏡神が居なくなったタイミングを見計らって現れた花恋姉さんと酔花に、これまでの経緯を説明する。


「というか、眼鏡神のことを全部僕に押し付けて、どこ行ってたんだよ?」

「眼鏡神は話が長いから……。面倒くさいのよ。それに変な眼鏡を勧めてくるし」


 そう言って花恋姉さんが収納空間から取り出した眼鏡はピンク色のハート型フレームのサングラスだった。

 漫画なんかで見たことはあるけど、本当にあるんだな、こんな眼鏡。まあ、ある意味花恋姉さんにピッタリな気もするけど。


「いいじゃん。似合うんじゃない? ぶはっ」


 すちゃっとハートサングラスをかけた花恋姉さんの姿に思わず吹き出してしまった。あまりにも胡散臭い感じが溢れ出ていて……!

 笑いを堪える僕の鳩尾に、花恋姉さんのボディブローが突き刺さる。


「ぐふう!?」

「笑い過ぎなのよ」


 ぐおお……笑いが止まった……。

 

「花恋お姉ちゃんはまだいいのだ。あちしなんかこんなだぞ」


 今度は酔花がすちゃっと眼鏡をかける。かけた眼鏡には太い眉毛と赤っ鼻にちょび髭がついていた。いわゆる鼻メガネである。


「あはははは! 最高!」


 あまりにもおかしくて笑い転げる。酔っ払いの酔花にはピッタリな眼鏡だろ!


「ぐふう!?」

「笑い過ぎなのだ」


 うぐう……同じところを殴るな……!


「まあ、面倒くさいやつが出て行ってホッとしたのよ。この国に居座られたら眼鏡の国にされていたところなのよ」

「さすがにそれは困るな……」


 眼鏡を平民にまで普及するという考えには賛同するが、全国民が眼鏡という考えには賛同できない。

 奥さんたちもさすがに城に帰ってきたら眼鏡を外してたし。

 ときどき気分転換する感じでかけるようにする、とは言ってたけども。

 エルゼや八重なんかは客の顔を覚えるのが苦手なので、これからも鑑定眼鏡をかけそうだ。そういった意味では便利だからな、あれ。

 子供たちにもいろいろ配ってたけど、まだファッションとして身につける、とまではいかないようだ。

 たまにクーンとヨシノがかけてるくらいか? あの子らが子供たちの中ではオシャレに気を遣っている方だし。

 ヨシノに至っては神器のハープボウをスコープ機能が付いた眼鏡で長距離射撃してたな。これに関しては使える眼鏡をくれたと感謝している。


「ところで冬夜君が問い合わせしていた【異空間転移】の話だけど……」


 お。花恋姉さんが切り出してきた話題に、僕は少し前のめりになる。

 全てが片付いたら子供たちを地球に連れていってあげたいと思い、僕が【異空間転移】でみんなを地球に転移させてあげるのはアリなのか、いう話を前に花恋姉さんとしていたのだ。

 僕自身が【異空間転移】で地球に行くことはすでに可能になっている。

 だけど、この姿のままで行くことはできないとか、向こうではいろいろな力を使ってはいけないなどのいろいろと細かい規制がある。

 地上に降りて、好き勝手に力を使っていたら、それは堕神に堕とされた侵蝕神となんらかわらなくなってしまうからな。


「結論としては問題ないのよ。ただ、冬夜君の【異空間転移】だと、微妙にズレる可能性があるのよ」

「ズレる?」

「【異空間転移】は世界さえも飛び越えて移動する神技だけれど、本来は時間さえも超えられるのよ。時空神……時江おばあちゃんみたいに自由自在とまではいかないけど。この世界を移動するだけなら大して問題はないけど、地球みたいに別世界だときちんと考えて跳ばないと、時間軸がズレてしまう可能性があるのよ。それこそ下手すれば江戸時代なんかに出るかもなのよ」


 え、そういうズレ? さすがに江戸時代にタイムスリップするのは困るな……。

 うーん、やっぱり新婚旅行の時と同じく世界神様に頼むか……。できれば自分の力で連れて行ってあげたかったが、わざわざ危険な方法を取ることはあるまい。


「それともう一つの、【異空間転移】で邪神の使徒の船に潜入するのはアリなのか、っていう話だけど……」


 おっと、そっち。そっちの方も大事、というか、そっちが通って問題が解決しないことには地球にも行けない。

 神気を使った【異空間転移】で、邪神の使徒の結界を超えて『方舟アーク』に潜入、は、神々のルール的にセーフだろうか? という話。

 直接的に神の力で地上に影響を与えてはいないからギリセーフだと思うんだけど。セーフかアウトかちゃんと聞いてからじゃないと作戦も立てられない。


「【異空間転移】による邪神の使徒への直接的な干渉、それによって冬夜君、またはその眷属による強襲にならないのであれば大丈夫らしいのよ」


 えーっとつまり、【異空間転移】によって邪神の使徒を直接こちらへ転移させたり、僕やユミナたちが転移による不意打ち攻撃をしないのであればOKってこと?

 基本的に神気を使った攻撃は禁止されている。神の力を地上の戦いでは使うな、ってことなんだろうけども、たとえば【異空間転移】で邪神の使徒の背後に現れてガツン! なんてのは、直接的ではないにしろ神気を使った戦闘行為と見做されるってわけか。

 『方舟アーク」に侵入するだけなら目を瞑る……ということでOK?


「OKなのよ。でも本当に冬夜君自身が神気を使って邪神の使徒を倒したりしちゃダメなのよ? さすがに世界神様でも庇えないから。最悪、何千年単位での封印刑ってこともあり得るのよ?」


 封印刑……。何千年も閉じ込められるのは勘弁だな。まあ、邪神の使徒と戦っても神気さえ使わなければいい……いや、そもそも僕が前に出て戦うこと自体があまり良くないのか。

 うん、僕はみんなのサポート役に徹することにしよう。


「本当に大丈夫かにゃー。冬夜お兄ちゃん、カッとなるとこがあるから……」

「そうなのよ。普段はヘラヘラしてるくせに、ユミナちゃんたちに何かあるとすぐにサーチ&デストロイになるから不安なのよ」

「普段もヘラヘラなんかしてないやい」


 確かに奥さんたちや子供たちになにかあったら、花恋姉さんの言う通り、完膚なきまでに叩きのめすと思うが。いや、叩きのめしたらダメなのか……。


「だから基本的に神々は地上に降りたりせず、神器を勇者に与えるだけにしてるのよ。自分の怒りにまかせて力を振るってしまうと、地上の世界を壊しかねないから。神の怒りに触れて、海の底に沈められた大陸とか、一瞬で焼き払われた都市とか、やらかしちゃった例はいくつもあるのよ」


 ううむ、やらかしちゃった、というレベルが半端ないんだが……。さすがに僕でもそこまではしないと思う。


「そうかにゃー? 神器を使うのって子供たちっしょ? あの子らがピンチになったら冬夜お兄ちゃんが出張ってドーン! ってやりそう」


 うっ……。酔花の言う通り、確かにやってしまいそうな気がしてきた……。


「子供のケンカに親が出て行くのはみっともないのよ? 干渉するなって言ってるんじゃなくて、信じて見守れってこと。過保護が成長の妨げになるなんて、よくあることなんだから」


 花恋姉さんの言うこの場合の『子供』とは、単に久遠たちのことではなく、『地上の人々』のことなんだろうなあ。

 なんでもかんでも手助けをすればいいってもんじゃないって言いたいんだろうけど……難しいもんだな。



          ◇ ◇ ◇

 


 作戦としては【異空間転移】で『方舟アーク』に潜入、できれば邪神の使徒のすぐ近くまで。

この時点では神器の特性である【神気無効化】はOFFにしておく。じゃないと神気で転移できないからね。

 で、転移したらすぐさま神器の【神気無効化】をONにして、邪神の使徒の能力を封じる。

 第一の標的、というか、絶対に倒さなければならないのは潜水ヘルメットの邪神の使徒だ。インディゴとかいったか。

 あいつを倒して転移能力を封じないと、また逃げられてしまう。さらに失敗すれば今度は何かしらの対策をされる可能性もある。チャンスは一度きりと見た方がいい。


「奴とは一度刃を交えたことがあります。私が適任かと」

 

 そう言ってインディゴを倒す役を買って出たのは八雲だ。

 八雲お姉ちゃんずるいー! とリンネがごねていたが、八雲の【ゲート】を使った不意打ちや、戦闘における技量から任せても問題ないとは思う。

 ただ八雲が神器を使うとなると、刀形態の神器になるのだが、刀形態の神器は【神気無効化】の範囲が狭い。せいぜい五メートルあるかないかだ。

 八雲が近づくまでに転移されて逃げられては本末転倒である。


「そこは【ゲート】で瞬間的に距離を詰めるつもりですが……」

「うーん……初手はそれで良くても、そのあと距離を取られて転移で逃げられる可能もあるだろ?」


 五メートルの距離をずっと保ちつつ戦うってのはかなりの技量がいるぞ。確かプロレスのリングでさえ一辺六メートル以上はあったはずだ。


「はいはい! ステフがにげられないように【プリズン】をはるよ!」


 神気を封じた時点で五メートルほどの【プリズン】で八雲ごと閉じ込める、か?

 確かに中にいるインディゴは、八雲が一緒にいる以上神気を使えないから、【プリズン】を壊せず、逃げられない。

 だけど八雲としては狭い空間で戦わなきゃならなくなる。刀だとなかなかにキツくないか? 狭い空間だと向こうの手斧の方が有利な気がする。

 やはり一撃必殺……【ゲート】で瞬間的に接近し、一刀のもとに葬る。これが一番か? だけど八雲にそれができるか……。失敗すれば間違いなくインディゴは転移で逃げてしまうだろう。それならば狭い【プリズン】の方がまだ確実性が……。


「あの」


 どうするべきか僕が頭を悩ませていると、小さく久遠が手を挙げた。

 

「そもそも刀の神器で斬り込む必要はないのでは? 【神気無効化】の効果が広いハープボウなどを八雲姉様に持たせて、普通の晶刀で戦えばいいかと。とどめは神器を使う必要がありますが」

「あ」


 久遠の言葉に目から鱗が落ちた。ああ、そうか! 別に八雲が別の形態の神器を持ったっていいんだ。

 子供たち一人一人に合わせて設定したものだから、それ以外を使うって考えが頭からすっぽりと抜けていた。初めはそういう考えもしてたのになんで忘れるかね?

 ハープボウだと五十メートルくらいまで【神気無効化】の効果が及ぶ。ただ距離が遠くなると効果が薄れるので、それなりの距離から始めたいところだ。

 効果が薄いといっても転移を阻害するくらいはあるだろうし、八雲が近づけば近づくほど相手は転移を使えなくなるはずだ。大丈夫だと思う。


「問題は向こうにどれくらいの戦力があるかってことと、ピンポイントでその潜水ヘルメットの奴を狙えるかってことね」

「そうだな……」


 確かにリーンの言う通り、できればインディゴが一人のところを狙いたい。

 僕らが把握している限り、まだ邪神の使徒にはペストマスクの男と鉄仮面の女がいる。それに『金』の王冠も。さらに僕らの知らない邪神の使徒がいる可能性だってある。

 神気を使った【サーチ】は僕の限界があるため、そこまで広範囲を探せない。だけど『方舟アーク』の広さくらいなら問題なく探索できる。

 『方舟アーク』に潜入し、神気を含んだ【サーチ】を使えば、インディゴの場所がわかるはずだ。

 ……えーっとそうなると、『方舟アーク』に【異空間転移】で潜入→【サーチ】でインディゴを見つける→再び【異空間転移】でインディゴの近くへ転移→【神気無効化】発動→八雲特攻……の流れかな?


「潜水ヘルメットの周りに邪神の使徒がいたらどうするんでござるか?」

「それは僕らで抑えるしかないと思う。八雲の邪魔をされないためにもやっぱり二人を広めの【プリズン】で囲った方がいいかな?」


 ただ、僕らが邪神の使徒を倒してはいけないので、基本は子供たちに任せちゃうことになるし、子供たちも八雲が神器を持っている以上、決め手に欠けるのだが。

 まあ八雲がインディゴを倒すまでの時間稼ぎくらいならできるだろう。インディゴを倒し、転移をできなくさせてから各個撃破すればいい。


「子供たちに手伝わせるってのはやっぱり気が引けるわ……」


 エルゼがそう言って、隣のエルナの頭を撫でる。するとふるふるとエルナは首を横に振った。


「お父さんとお母さんたちが戦うなら私も戦う。私たちはきっとそのためにここに来たんだよ。だから任せて。みんながいればきっと大丈夫だよ」

「ああもう! なんていい子なの! ホントにエルナは私の自慢の娘だわ!」


 ぎゅーっ、とエルナを抱きしめて涙ぐむエルゼ。

 確かに子供たちがここに来なければ、もっと面倒なことになっていたかもしれない。

 未来の僕たちはこうなることを知っていたのだろうが、やがて来るその未来で、僕は子供たちを信じて送り出すことができるだろうか。

 心配で引き止めたくなりそうな気がする。結果がわかっているとしても。

 子供たちが未来から来たということは、その未来では邪神の使徒をどうにかできた……ということなんだとは思うけど、神の力が関わるとその未来も歪みかねない。

 よくあるタイムスリップ映画のように、過去が変わったことで未来から来た主人公の存在が危うくなり、世界から消えてしまいそうになる……なんて展開はないよな?

 タイムパラドックスを修正してくれる時の精霊でも神の力で起された事象は変えられない。

 今の未来と大きくズレてしまった場合、子供たちは未来へ帰れなくなってしまうのだろうか。時江おばあちゃんがなんとかしてくれるとは思うけど……。

 なんにしろ失敗するわけにはいかない。ここは慎重に行くべきだな。

 決意を新たにする僕の懐のスマホが、博士からの着信を告げる。


『冬夜君、アルブスから連絡が入った。ラーゼ武王国の海底周辺に設置しておいた探査機に反応あり。未確認の機体を含めた多数のキュクロプス、及び岩巨人、半魚人の群れがラーゼ武王国へ向かっている』


 また性懲りもなく……! ……いや待てよ、これはチャンスなのでは……?

 ラーゼ武王国に向かっている一団は、少なくとも邪神の使徒の誰かが率いていると思う。それはつまり、『方舟アーク』にいる邪神の使徒が一人少ないってことだろ?

 最悪、ラーゼ武王国に向かっているのが潜水ヘルメットのインディゴである可能性もあるが、その確率は低いと思う。

 『方舟アーク』のいる海底とラーゼ武王国までかなりの距離がある。おそらくはインディゴが転移させたのではなかろうか。

 だとすればかなりの神力を使ったはずだ。そんな状態でラーゼ武王国と一戦交えるとは思えない。疲れたインディゴが『方舟アーク』に残っている可能性は高い。

 どうする……? 『堕神』などの不安要素もある。慎重に行くべきと思ったが……。


「『方舟アーク』に向かいましょう、父上。幸運の猫が目の前を走り抜けるのを、ただ見ているわけにはいきません」


 僕の逡巡を見抜いたかのように久遠が語りかけてくる。他のみんなにも視線を向けると、全員が小さく頷いていた。

 子供に背中を押されるなんて、なんとも情けないな……。ま、それも悪くないか。


「……よし、『方舟アーク』強襲作戦を開始する!」








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■スラムで暮らす私、サクラリエルには前世の記憶があった。その私の前に突然、公爵家の使いが現れる。えっ、私が拐われた公爵令嬢?
あれよあれよと言う間に本当の父母と再会、温かく公爵家に迎えられることになったのだが、同時にこの世界が前世でプレイしたことのある乙女ゲームの世界だと気付いた。しかも破滅しまくる悪役令嬢じゃん!
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新作「桜色ストレンジガール 〜転生してスラム街の孤児かと思ったら、公爵令嬢で悪役令嬢でした。店舗召喚で生き延びます〜」をよろしくお願い致します。
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