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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
546/637

#546 未来の王妃、そしてその父。

■今週末、6/19に『異世界はスマートフォンとともに。』第24巻発売です。よろしくお願い致します。





「ぬぐっ……! この、くぉぉぉぉぉ!?」


 苦しそうに奇声を発する僕を、リンネとフレイが遠巻きに見守る。僕の両手の中にはバレーボールほどの丸い光の塊があった。


「おとーさん、変な顔してなにしてるの?」

「さあ……お父様の奇行は今に始まったことじゃないんだよ」


 リンネとフレイの声が僕の耳に届く。奇行て。これも神器を作るための重要な一環で……! あっ!?

 集中をわずかに乱した瞬間、狙ったように光の球は弾け飛び、キラキラとした光の粒になって辺りに降り注いだ。


「また失敗か……」


 気力体力に加え、魔力神力までも奪われた僕は、がっくりとその場に座り込む。


「なんかよくわからないけど、失敗?」

「そーだね……」


 小首を傾げるリンネに力無く言葉を返す。

 僕が今やっていたのは神器を作る際に一番の要となる『神核』というものの作製だ。

 これはいわゆる神器の力の元になるもので、まあ言ってみれば電池のようなものである。

 自分の神気を凝縮に凝縮し、小さいコアへと変えていくのだが、これが非常に厳しい。

 世界神様の眷属である僕は上級神とほぼ同じくらいの神格を持つため、神気の密度が高いのだ。

 感覚的には大きな紙をひたすら二つに折れと言われている感じがする。

 最初の方は簡単に折れるが、段々と折るのが難しくなっていく。

 確かテレビかなんかで、厚さ0.1mmの紙を26回折れたら富士山を越えるとか見たけど、コレ無理なんじゃない……?

 とにかく力のコントロールが難しい。こっちを押さえればあっちが、あっちを押さえれば今度はそっちが、と平均的に神気を凝縮することができない。

 まずはこれを作れるようにならんと話にならんと工芸神であるクラフトさんに宿題を出された。

 クラフトさんに神器にする『器』を決めろと言われたが、そっちも実はまだ決まっていない。

 あの潜水服男の使うものが転移魔法なのか、それとも邪神の神力を使った転移術なのかわからない。

 なので、ここは手堅く『転移を封じる』という効果のある神器を作りたいと思った。

 しかし、転移を封じるに相応しい『器』ってなに? と考えが止まってしまう。

 たとえば『弓』などにして、『放った矢を受けた者は転移できなくなる』なんて神器にしても、確実に矢を当てられる腕前の人じゃないといけないし、そもそも矢が当たる前に、向こうが転移してしまったらなにもならない。キュクロプスに乗っている可能性もあるし。

 なら『一定範囲内の転移を封じる』効果を持たせたアクセサリーや宝玉なんてのはどうかと思ったのだけれど、僕の今の実力ではあまり広い範囲をカバーする神器を作ることは無理らしく、せいぜい十メートルくらいなんだそうだ。

 うん、その距離なら普通に攻撃した方がよくない? ってなるよね……。

 神器が自分で使えないってのがまたもどかしい。『刺された者は転移できなくなる』って短剣を作り、【テレポート】を使って転移される前に刺せば楽勝だと思うんだが。

 一つ誤算があって、僕は神族だから神器がつかえない。ユミナたち奥さんも天使と同じく神の眷属となっているため使用不可能。

 なのでエンデにでも使ってもらおうかと思っていたのだが、エンデも武神である武流たける叔父の眷属になっていたため、アウトだった。

 こうなってくると神器を託す相手がしぼられてくる。僕としては反対なのだが、一番適しているのが……。

 僕はちらりと子供たちを見遣る。

 彼女たちは半神であるが地上の者で、僕の眷属ではない。

 神器を与える理想的な人物ではあるのだけれど、邪神の使徒との戦いに巻き込むのはどうかと親としては思ってしまうわけで。

 

「どーしたの、おとーさん?」

「いや、なんでもないよ」


 小首を傾げるリンネを撫でて立ち上がる。

 メルやネイ、リセといったフレイズ組でも大丈夫な気がするんだが、神力を扱う以上、半神である子供たちの方が適しているんだよなぁ……。

 僕の作る神器って上級神が作るレベルのものになるらしいから、普通の人間には負担が大きいらしいんだよね。

 本来なら人間にも使えるように調整するんだそうだけど、初心者の僕にそんな匙加減はできないわけで……。

 その点、子供たちなら半神である上に、僕の神力との相性はバッチリなのだ。製作者本人の血を引いているのだから当たり前だけども。

 まあとにかく今は『器』より、『神核』を作れるように訓練するしかない。

 

「よし、もう一度やってみるか!」


 僕は気合を入れ直し、再び神気を凝縮し始めた。


「ぬぐぐ……、この、ふぬぬぬ……!」

「やっぱり変な顔」


 リンネの悪気のない言葉に傷ついた僕は、またしても辺りに神気を弾けさせた。

 さすがにもう限界だ。気力がもたない……。


「はぁ、疲れた……。ちょっと休憩しよ……」

 

 僕は城の中庭にあるベンチに腰掛け、ぐでっ、と背もたれにもたれた。

 子供たちがいる前でこんなだらしない恰好はどうかとも思ったが、今さら取り繕っても仕方あるまい。

 どうせ未来でもっとだらしないところを見られているような気がするし。

 世界神様の眷属である僕の神気はそうそう減りはしないのだが、とにかく『神核』を作ると体力気力ともにめちゃくちゃ疲れる。

 神族になってからここまで疲れる体験は初めてだ。

 神気を使った疲れだからなのか、【リフレッシュ】も効かないんだもんなァ……。

 僕が疲れを癒していると、リンネとフレイも見るのに飽きたのかどこかへと行ってしまった。お父さん、サミシイ……。

 しばらくそのままベンチで風に当たっていると、中庭を通りがかったユミナがいそいそとこちらへと駆けてくる。何かあったのかな?


「冬夜さん、冬夜さん、大変です! 久遠が……!」

「えっ、久遠が!? どうかしたのか!?」


 朝から久遠は見かけなかったけど、なにがあった!? 思わず僕はベンチから腰を浮かす。


「今日デートなんだそうです!」

「え? ……ああ、そうなんだ……」


 笑顔で語るユミナに気が抜けた僕はベンチに腰を下ろした。なんだよ、驚いて損した……。


「またアリスとかい?」

「みたいです。やっぱりあの二人、相思相愛なんでしょうか?」


 ユミナが僕の隣に楽しそうに腰掛ける。相思相愛……ねえ。一方的にアリスが迫っているような気もしないでもないが。


「アリスをどう思います? 久遠の婚約者として」

「気が早いなあ。まだ六歳ですよ?」


 仮にも一国の王子、後々国を継ぐわけだから、王妃選びは大切だと思うけれども。実際にはまだ生まれてもいないんだよ?


「王位継承者の婚約者は早いうちに決めた方がいいとされています。相手の婚約者に自覚を促し、王妃としての教育を早くからすることができますから」

「言ってることはわかるんだけれども……」


 確かに国王の伴侶となる王妃、特に正妃にはそれなりの教養や礼節、社交性などが求められる。

 僕の場合もユミナがいなかったらいろいろと大変だったと思うし。ヒルダとルーはそう言った教育を小さな頃から受けてたからまだ大丈夫だけど、スゥなんかかなり自由に育てられていたし、八重、エルゼ、リンゼあたりはそのへん苦手だと思うしなぁ。今でも他国のパーティーとか嫌がるもんな。


「というか、そもそもアリスが正妃でいいの? 思いっきり平民だけど」

「王女と結婚した平民の冬夜さんが、それ言います?」


 おっと、ブーメランが飛んできた。いや、僕もね、身分なんか関係ないと思っているけど、一応確認のためにね。


「どうしても身分が必要ならば、エンデさんをブリュンヒルドの貴族ってことにしちゃえばいいわけですし。自国の貴族令嬢なら問題ないでしょう?」

「力技だなぁ……」


 エンデを貴族にねえ……。受けるかな、あいつ。アリスを嫁に出したくなくて、『貴族になんてならないぞ!』とか言い出しそうだが。


「だったらメルさんの方を女性貴族にしちゃえばいいんですよ」

「力技だなぁ……」


 確かにアリスの母親であるメルが貴族になればアリスは貴族令嬢だけれども。

 そもそもアリスに貴族のマナーとか礼儀作法とか教えられるのか? 馬の耳に念仏じゃないの?


「だから今のうちに自覚させるんじゃないですか。まあ、アリスが側妃でもいいというならそこまでうるさく言わなくてもいいと思いますけど」


 うーん、基本的に僕の場合はみんな正妃であって、側妃という立場の者はいない。ブリュンヒルド(うち)の王室はその伝統(?)を継いでいってほしいとも思うが、奥さんが皆平等だと、それはそれで後継者争いが起こる可能性も高い。

 基本は『長男が継ぐ』という世間一般の習慣に従ってもいいとは思うけど、愚兄賢弟であった場合国を潰すことにもなりかねないし、難しいところだ。


「久遠が側妃をもらうかどうかわからないんじゃない?」

「いいえ! あんなカッコよくて賢くて、とても優しい、王子の中の王子たる久遠がモテないわけはありません! 世界中の女の子を虜にしちゃうに決まってます! 冬夜さん以上のお嫁さんをもらうかも……!」


 おっと、おふざけで言ってるのかと思ったらこれはガチだ。ユミナの目が爛々と輝いている。まあ確かにうちの息子はカッコいいけれども。

 だからといってあまりたくさんお嫁さんをもらうと大変だぞ、いろいろと……。身近に見て、久遠もそれはわかっていると思うのだが。


しゅうとめとして、お嫁さんたちと仲良く付き合っていかなくてはなりませんね。きっとたくさん子供たちが生まれますよ。私たちの孫ですね! みんな可愛いと思います!」

「いやいやいや。気が早い、気が早い」


 孫って。息子も生まれてないのに。最近ユミナが久遠のことになるとポンコツ化してきた。僕も最近、親バカとか言われるが、はたから見たらこんな感じなのだろうか。ちょっと反省。

 まあ孫はさておき、僕としては久遠の婚約者とかを早急に決める気はない。

 できれば政略結婚ではなく恋愛結婚してほしいと思うし、この後どうなるかなんて時空神である時江おばあちゃんくらいにしかわからない。

 アリスが別の誰かを好きになることだってあるし、久遠が他の一人だけを大切に想う可能性だってあるわけだし。

 万が一婚約破棄なんて状況になったらどちらも傷つくことになりかねないしな。

 というか、そんなことになったら間違いなくあの親父エンデが殴り込んでくる。下手したら国が滅びかねんぞ。

 まあアリスに淑女教育をするのは賛成だけど。うちの子と一緒に遊び感覚で仲間に入れたらいいんじゃないかね。母親であるメルにいい含ませてもらえば素直に従うと思うんだが。

 未来の僕もそんな感じに考えていると思うよ。たぶん。



          ◇ ◇ ◇



「ねえねえ久遠、これ見て! かわいい!」

「木彫りの猫の置物ですか。作りも細かく丁寧な仕上げですね。いい作品です」


 アリスが手に取って見せてきた猫の置物に久遠がそんなふうに感想を述べる。

 自分自身もジオラマなどを作る側であるためか、久遠の物の良し悪しは作り手側の目線であった。アリスのように可愛いか可愛くないかで判断はしない。


「坊っちゃん、なかなかいい目をしていますね。こちらは最近ミスミドで頭角を表してきた木工職人が作った物でして。今はこの値段ですが、後々価値が上がってくると思いますよ」


 ストランド商会の店員が二人に声をかける。犬の獣人であるその店員は、同じ作者の作品であるという木工芸品をいろいろと久遠に見せてくれた。久遠の目から見ても、どれもこれも一流、いやそれ以上の職人が作ったように思える。やがて価値が上がるというのは嘘ではないのだろう。


「この木彫りの熊なんて実にリアルです。神がかっている……」


 実のところ、これらは工芸神こと、クラフトが作った作品であるので、久遠の感想は実に的を射ていた。

 といっても手慰みに適当に作ったやつなので、本気で作った物に比べると数段レベルは落ちるのだが。


「欲しいですね、この熊……」

「買ったら? この間陛下から貰ったお小遣い、まだあるよね?」


 この間というのは、時を超えて現れた絶滅種、魔獣マルコシアスを倒した時のことだ。

 父親である冬夜にオークションの手続きを頼み、その代わりといってはなんだが貰ったお小遣い金貨一枚である。

 地球の価値にして十万円という、子供が持つにはとんでもない額だが、彼らは未来でそれ以上の資産を持っているため、微妙に少なく感じてしまう。

 それでもこの木彫りの熊を買うくらいはなんでもないのだが、久遠は母親であるユミナに叩き込まれた『無駄遣いをしない』という教えに、心の天秤を揺らしていた。


「ううーん……」

「じゃあボクが買う。おじさん、この木彫りの熊をちょうだい!」

「え?」

「はい。毎度ありがとうございます」


 久遠がなにか言う前に、アリスがさっさと木彫りの熊をカウンターに持っていってお金を払ってしまっていた。

 アリスはポカンとしている久遠の前に、買った木彫りの熊が入った紙袋を差し出す。


「はい、プレゼント!」

「え、と、あ、ありがとうございます……?」


 当然のように渡してきたアリスに久遠は思わず受け取ってしまった。

 少し微笑んだアリスはちらっと先ほど見ていた猫の置物に目をやる。

 ああ、そういうことか、と久遠は猫の置物をカウンターへ持っていき、それを自腹で購入した。

 紙袋に入ったそれを、今度はアリスに渡す。


「はい、アリス。プレゼントです」

「ありがとう、久遠!」


 これはプレゼントである。自分のためにお金を使ったわけではない。贈る相手を喜ばせるためのものを無駄遣いとは言わない。

 自分の逡巡を咄嗟に見抜き、即座に行動に移すアリスに久遠は感心していた。

 幼馴染みの彼女はこういう細かい機微を察する鋭いところがある。それが計算されたものなのか、野生的な本能なのかはわからないが。


「ありがとうございましたー!」


 二人は連れ立ってストランド商会を出る。買った置物はスマホの【ストレージ】に収納した。


「さて、次はどこに行きましょうか?」

「せっかくあの馬鹿剣もいないことだし、どこか落ち着けるところがいいかなー」


 アリスの言う馬鹿剣とは、『銀』の【王冠】、シルヴァーのことである。

 彼は現在、『金』の【王冠】であるゴールドとの情報交換&メンテナンスという名目でバビロンの『研究所』にいるエルカ技師の下にいる。

 『金』と『銀』は同時期に作られた物ということで、類似する部分の検証や、シンクロスキャンによる記憶の再生を試みているらしい。

 アリスにしてみればうるさいお邪魔虫がいないこのチャンスを最大限に活かして、久遠と心ゆくまでデートを楽しみたいと思っていた。

 久遠としても些細なことで口論を始めるシルヴァーとアリスにいささか辟易としていたので、今日は心穏やかに過ごせると思っていた。……のだが。

 久遠は先ほどからこちらを窺う強い視線をずっと感じていた。

 町中の建物の陰から、怨念とも嫉妬とも微妙に違う、なんとも言えない念のこもった視線が久遠を貫く。

 視線はアリスには向けられておらず、どうやら現在、自分だけがそれに気が付いているようだった。

 久遠がそっと横目で視線の来るほうを見る。

 見てから、久遠は大きなため息とともに顔を押さえた。間違いなく面倒なことになると察したからだ。


「どしたの、久遠?」

「いや……」


 なんと言ったらいいべきか久遠が悩みつつ、自分に向けられた視線の先をちらりと見ると、それにつられてアリスの目もそちらの方を向く。


「あれ? お父さん?」

「や、やあ、アリス! 偶然だね!」


 建物の陰から白髪のマフラーをした青年エンデがいささかわざとらしく登場した。店を出てからずっとけてきておいて偶然と言うのは無理がないかと久遠は思ったが、顔には出さなかった。面倒なので。

 一応、久遠も挨拶をする。


「こんにちは、エンデさん」

「やあ、こんにちは」


 にこやかな返事とは裏腹に目が笑っていないエンデを見ても、久遠は特に動じなかった。このお父さんは未来でも同じような感じなので今さらである。


「なんだエンデミュオン。こんなところにいたのか。む、アリスではないか。どうしたのだ?」

「ネイお母さん!」


 人波の中からアリスの母親の一人であるネイがやってきた。手には果物の入った紙袋を持っている。

 エンデはネイと一緒に買い物に来ていた。途中、ストランド商会へ楽しげに入る二人を見つけ、店から出てくるのを待ち伏せし、そのまま尾行していたというわけだ。一歩間違えれば親だってストーカーである。


「こんにちは、ネイさん」

「うむ、こんにちはだ。そうか、久遠とお出かけだったな。アリス、楽しんでいるか?」

「うん!」


 この世界に来るまでのネイを知る者なら、間違いなく別人と思うほどの微笑みを浮かべて、彼女は愛しい娘の頭を撫でる。


「そうだ、久遠。よかったら昼食はうちで食べないか?」

「え? 昼食をですか?」

「うむ。たまには我が家も客を迎えたいのでな。リセもメル様もお前とはじっくり話をしてみたいと言っていたし」

 

 ネイから思いがけない招待を受けて、久遠が目を丸くする。

 確かにお昼はすでに過ぎている。遅い昼食を久遠はアリスとともに一旦城へ帰って食べようかと考えていた。

 せっかく町中にいるのだから、喫茶店や食堂に入ればいいと思われるだろうが、子供二人だけではどうしても人の目を引いてしまうし、面倒な輩に絡まれる可能性もあるため、久遠はそれらの選択肢を排除していた。


「おいでよ、久遠。ここからならうちの方が近いし」

「うーん……」


 食べにいくのは別に構わないのだが、と思いつつ、久遠はエンデの方に目を向ける。彼は普通の顔をキープしていたが、わずかに眉が寄っているのを久遠は確認した。

 嫌われている、とまではいかないまでも、エンデに妙な敵愾心を持たれていることを久遠も察している。

 それが娘可愛さからくる男親特有のものであることも、もちろん察している。身近に同じような父親とうやがいるので。

 姉と妹たちに近づく男の子たちに睨みを効かせるため、何度『看破の魔眼』を使わされたか。まあ、久遠も下心があるような男を姉たちに近づけさせる気はなかったので、進んで協力はしていたが。

 面倒ですね、と思いはしたが、あえて断ることもないだろう。ただ、昼食をいただくだけだ。

 

「……ではお言葉に甘えて」


 エンデのことは気になるが、今さらであると考え直し、久遠はネイからの招待を了承した。







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