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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
531/637

#531 オルファン龍鳳国、そして鳳帝。





「うーむ、どうしたものか……」


 僕は目の前に置いてある鎧を見ながら腕を組んで悩んでいた。

 なんとも悪趣味なおどろおどろしい、呪われた『ダームエルの鎧』である。

 オークションでフェルゼン国王に落札されたこれがなんで僕のところにあるかというと、ぶっちゃけた話、フェルゼン国王から買ったのである。

 あ、無理矢理買ったわけではないよ? 向こうから『買ってくれ!』ってきたんだからね?

 なんでそんなことになったかというと、フェルゼン国王が婚約者のエリシアさんと宰相さんに怒られたからだ。やっぱり予定金額をかなり超えてたらしい。

 オークションでは買ったものの、即『売れ!』と言われたため、僕のところに話が来たのだ。

 僕個人としてはこんな鎧いらないのだが、フェルゼン国王があまりにも不憫だったもので買い取った。あそこまで値段を釣り上げたのは僕だしな……。

 問題はこの鎧をどうするか、である。

 結局、オークションでこの鎧を落札できなかったフレイは、用意していた鎧のお金で他に落札した短剣の代金を自分で払った。なので僕はフレイにお金を出してはいない。

 おかげでヒルダに怒られることもなかったわけだが、この鎧をフレイにプレゼント、とすると、結局怒られてしまうよな……。ヒルダはフレイから鎧の金額を聞いているし。

 おいそれとあげることもできないものを買ってしまったな……。しばらく【ストレージ】の中で寝かせておいて、フレイが大人になってからプレゼントするか。成人してからならヒルダもとやかく言うまい。

 …………あれ? もしかしてこれって未来でダームエルの鎧が行方不明になった理由なのか……? 僕がずっと【ストレージ】に収納していたから?


「…………ま、細かいことはいいか」


 僕がダームエルの鎧を【ストレージ】にしまっていると、コンコンとノックをしてユミナが入ってきた。


「冬夜さん、ラーゼ武王国の武王陛下からお手紙が来てますよ」

「ラーゼの武王から?」


 ラーゼ武王国。西方大陸のさらに西方にある、武を尊ぶ武人たちの国。国王である武王、ギムレット・ガル・ラーゼは竜人族ドラゴニュートである。

 ミスミドと同じく亜人が多いこの国は、かつて南にあった魔工国アイゼンガルドからの侵略を幾度も退けている。

 基本的にこの国の人々は自分たちで戦うことを好むので、国に配備されているゴレムも装備型が多いんだとか。

 一応、ラーゼ武王国も世界同盟の参加国だから、僕のところに手紙が来てもおかしくはないが、なんでメールじゃないんだろ? スマホは渡したはずだが。


「正式に国として通達する場合は書面の方が間違いがないですからね。ブリュンヒルド(うち)もそうしてますよ? 冬夜さんがハンコ押してますよね?」


 あ、そうだった。ってことは、私的な話じゃなく、ラーゼ武王国としての公式文書ってことか。

 ユミナは主に他の国との交渉や根回し、連絡事項などの情報整理などを担当している。言ってみればブリュンヒルドの外交官、いや外務大臣と言ったところだ。今では他の国との公式なやり取りは、ユミナを通すことが多くなりつつある。

 手紙をユミナから受け取り、中身に目を通す。


「うーん……」

「どうかしましたか?」

「いや、ラーゼ武王国を通してオルファン龍鳳国が世界同盟に加入したいってことらしいんだけど……」


 オルファン龍鳳国はラーゼ武王国のさらに西に位置する島国である。表世界でいうイーシェンの位置と対になる国だ。

 だからかもしれないが、この国もイーシェンと同じく、日本との共通点が多い。

 まず、着ているものが和服に近い。イーシェンよりは和洋折衷よりだが。武器も刀を使う者が多く、食べ物も箸で食べるらしい。

 イーシェンでは白姫さんが『みかど』として頂点にいるが、オルファンでは『龍帝りゅうてい』『鳳帝ほうてい』と呼ばれる者がトップにいる。ま、王様だな。

 この『龍帝』と『鳳帝』という呼び名は、帝位につく者の出身で決まる。『りゅう』の一族なら『龍帝』となり、『おおとり』の一族なら『鳳帝』ってわけだ。

 オルファン龍鳳国の貴族は『龍』の一族と『鳳』の一族により分かれていて、『龍帝』及び『鳳帝』は、先代が崩御すると次代は違う一族の者から選出される。つまり、『龍帝』の次は『鳳帝』、そして次はまた『龍帝』と変わりばんこに帝位に就いているってわけだ。

 そんなオルファン龍鳳国から世界同盟への加入希望だが、どうやら目的は別にあるらしい。

 現在オルファン龍鳳国では『黄金魔薬』と呼ばれる薬が出回っている。言うまでもなく『邪神の使徒』がばら撒いている魔薬だ。

 強い『呪い』がかけられているこの薬は常習性があり、やがて精神を蝕まれ、廃人になる恐ろしい薬だ。

 僕は八雲が持ち帰ったこの薬を『錬金棟』のフローラに解析させ、回復薬の製造を命じた。

 元が変異種の体からできているためか、その呪いを解呪するための素材がいろいろと必要になったが、なんとか先日完成したばかりだった。

 少量ではあったが、僕はそれを被害の多いラーゼ武王国、ストレイン王国、トリハラン神帝国の三国に先んじて回した。

 一番被害の多いのは旧アイゼンガルド地域なのだが、あそこは未だ無政府状態でこういった薬を配ろうものなら大騒動になるのが目に見えている。

 数も限りがあるし、まずは同盟国の三国からとなったのだが、オルファン龍鳳国がそれを知って、同盟加入を決めたらしい。

 まあ、理由はどうあれ加入してくれるのは嬉しいが、回復薬の在庫ってどれぐらいあったかな……?

 僕の【リカバリー】でも治せることは治せるけど、数が数だしな。


「ちょっとバビロン(うえ)に行ってくる」


 ユミナにそう告げて、【テレポート】でバビロンの『錬金棟』へと転移する。

 『錬金棟』では管理人であるフローラと、意外と言ったらアレだが、エルゼとその娘であるエルナがいた。


「二人ともここにいるなんて珍しいな。なんかあったのか?」

「あたしはエルナの付き添い。この子がね、ポーションの作り方をフローラに習いたいって言うから」


 ポーションは飲んだり傷口に振りかけることで怪我や傷を治す薬である。回復魔法ほどではないが、それなりに効果があり、冒険者ギルドでも扱っている。

 当然、バビロンにもポーションがあるが、古代魔法王国の技術で作られたその効果は桁違いで、大怪我でさえも一瞬にして治せるほどだ。

 便利極まりないものだが、バビロン製のポーションは素材がとんでもなく高価な物が必要になる。

 なにしろ古代魔法王国時代には普通にいた魔獣の素材を使ってたりするのだが、現代では絶滅危惧種になっていたりするからだ。

 一応、これらのレシピは冒険者ギルドに提供してあるので、理論上、素材さえ集めれば精製が可能なはずだ。

 しかしなんだってまたエルナはポーションなんかを?

 エルナは光属性の魔法を使える。回復魔法の使い手なのだ。ポーションは不必要だと思うのだが。

 エルナは何故か恥ずかしそうにもじもじとしていたが、やがておずおずと口を開いた。


「えと、あの、素材が安くて効果の高いポーションを作れないかと思って……。それを冒険者ギルドに置いてもらえればもっと命が助かる人が増えると思うの。だから……」

「どう!? 私の娘、最高にいい子でしょ!」

「激しく同意!」


 エルナにぎゅーっと抱きついたエルゼに被さるように僕もエルナを抱きしめる。


「あうう……」

「親バカが二人いまスの」


 冷めたような呆れたような目をフローラに向けられた。なんとでも言え。うちの子はなんて優しくていい子なんだろう。きっと両親の教育が良かったからだな!

 僕が自画自賛に浸っていると、「それでマスターは何用でスの?」というフローラの言葉に自分の目的を思い出した。


「ああ、えーっと、例の黄金魔薬の回復薬ってどれくらいストックがある?」

「あれでスか? たぶん百本ほどでスけれども」


 百本か。まあ、無いよりはましだが……。


「さらに作るとなると素材が足りませんでスの。特に月光樹の雫が。もう『蔵』にあった在庫も無くなってしまいましたの」

「月光樹の雫?」

「月光樹っていう木の朝露。普通の朝露じゃなくて、満月の晩の次の朝のやつじゃないと効果が薄いんだって」


 僕の疑問にエルナが答えてくれる。おお……よく知ってるね……。僕が褒めたらフローラに教えてもらったと照れ臭そうにエルナが答えた。


「それってどこにあるんだ?」

「五千年前ならここより南の……今で言うサンドラ地方あたりにけっこう残っていたのでスが」

 

 サンドラ地方? いや、あそこって今は砂漠しかないぞ。一部オアシスはあるけれども。

 かつてサンドラ王国があったところは、現在サンドラ王国の名を受け継ぐ都市国家がいくつかあるだけの砂漠地帯である。

 治安が悪く、盗賊や悪漢、人攫いなんかが横行しているという噂だ。早いとこ誰かがまとめて治めてくれんもんか。


「あんな砂漠に今でもそんな木があるのかね……。まあ一応検索してみるか」


 フローラから月光樹の記憶を【リコール】で覗かせてもらってサンドラ地方を検索してみると、見事なまでにそこには月光樹が一本もなかった。うむむ、絶滅かあ。


「他のところにはないの? 世界中探せば一本くらいあるんじゃない?」


 エルゼの言うことももっともだ。僕は範囲を拡大して全世界で検索をかける。範囲が広いので時間がかかるな……っと、お! 出た! まだ絶滅してなかったか!

 地図を見るとブリュンヒルドのある東方大陸にはほとんどないが、西方大陸にはかなりの数が残っている。

 一番多いのは北のレア王国だな。さすが緑の王国と呼ばれるだけのことは……あれ? オルファン龍鳳国にもけっこうあるじゃないか。これならレシピさえ回せば自給自足で作れるんじゃないの?


「この国にはない素材もありまスから、全部を賄うのは無理でスの。他の国と素材の交易をすれば可能だと思いまスの」


 ふむ。オルファンは『月光樹の雫』を。他の国はそれ以外の素材を。お互い交換すれば回復薬を自国で作れるってことだな。

 よし、じゃあラーゼの武王に頼んでオルファンの王様を紹介してもらうか。

 えっと、確か今代は『鳳帝』なんだっけか? なら紅玉を連れて行くかね。

 『おおとり』の一族の『おおとり』って紅玉の配下にいる鳳凰やフェニックスのことだよな。『聖樹』を作る際にフェニックスの尾とか使わせてもらったけど。

 いっそフェニックスの尾を土産として持ってくか? 『聖樹』を作った際の残りが確か【ストレージ】で眠っていたはず。喜んでもらえるかはわからないが……。

 フェニックスの尾は蘇生薬の素材にもなるものだ。死んですぐになら生き返ることが可能だという。もちろん五体満足でなければいけないし、老衰なんかだと意味がないらしいが。

 実を言うと蘇生薬は一個ずつ同盟国には渡してある。本当の『もしも』のためにね。

 滅多に手に入るものではないので喜んでもらえるとは思うんだけど、『我らが崇める鳳凰様の尾をもぎ取るとは!』なんて怒られないか心配だ。

 もぎ取ったわけじゃなくて、ちゃんと頼んでもらったものだからね? 最悪、フェニックス自身を呼び出してわかってもらわないといけないかもしれないなあ。


「なに冬夜、オルファン龍鳳国に行くの?」

「ん、ちょっとね。薬を届けようかと。今、あの国で例の魔薬が蔓延しつつあるみたいでさ、ここで作った回復薬とそのレシピを持って行こうかと。行ったことないからついでにオルファンを見学してこようかなって……」


 エルゼにそう話していると、くいっとエルナにコートの袖を引かれる。ん? どした?


「お、お父さん、私も行ったらダメ、かな? 私なら【リカバリー】も使えるし、魔薬の効果も消せるよ。困っている人がいるならお手伝いしたい……」

「ああもう! なんていい子なの! 天使じゃないかしら!」


 エルゼが感極まって泣きながらエルナにまた抱きつく。

 うん、まあエルナは僕の娘であるから正確には半神なのだが。半分は神。つまりは天使と同じってことだな! うちの子、天使!


「親バカが加速してまスの」


 うるさい。異論も反論も認めないぞ。あるのはうちの子が天使だという事実だけだ。


「じゃあエルナも一緒に行こうか」

「うん!」

「エルナ、あたしも行くからね! お母さんが守ってあげるから!」


 そう言って拳を握りしめるお母さん。いや、殴り込みに行くわけじゃないんだけども。どちらかというと救助に行くんだけどね。

 ラーゼ武王国を通して、オルファン龍鳳国に連絡を入れてもらおう。前触れなしでいきなり行くのは失礼だしな。

 手土産にフェニックスの尾は持ってくけど、同盟に加入してくれるなら量産型のスマホも渡さないといけないか。

 さて、準備準備と。


          ◇ ◇ ◇



「ここがオルファン龍鳳国か……」


 僕はこの国に来たことのある八雲が開いた【ゲート】を通り、オルファン龍鳳国の王都、オルフェウスに来ていた。

 目の前には和風と洋風を足したような町並みが広がる。真っ先に頭に浮かんだのは大正時代のイメージ。レトロとモダンがせめぎあって存在しているように感じる。

 町行く人たちもどこか大正を思わせるような服装をしていた。シャツの上に和服と袴、足下はブーツとか。ハイカラもいればバンカラもいる。

 種族は人間だけじゃなく、獣人もいるようだ。差別的な感じはしない。普通に一般市民として暮らしているようだな。

 僕らと同じような外国人もちらほらと見かけるが、それほど気にしてはいないようだ。ラーゼ武王国と交流しているだけあって、そこらへんは開けているようである。ラーゼ武王国は亜人が多い国だしな。


「あ、なんか立派そうな馬車が来るわよ? あれが出迎えじゃない?」

 

 僕がオルフェウスの町並みに感心しているとエルゼが向こうからやってくる馬車に目を止めた。四頭立ての立派なやつだ。

 この時間、ここにやってくることはラーゼ武王国から伝えてある。エルゼの言う通り、たぶんあれだと思うんだけど。


「失礼致します。ブリュンヒルド公国公王、望月冬夜陛下、並びにユミナ公妃殿下、エルゼ公妃殿下であらせられますか?」


 馬車の御者台にいた一人が僕らの前に降りて尋ねてくる。肯定すると馬車の扉が開かれ、中へと誘われた。

 今回のオルファン龍鳳国外交使節一行は、僕と外交官としてユミナ、エルゼとエルナ母娘、それに何人かの護衛騎士、そして久遠もついてきた。

 久遠に関してはユミナが強引に連れてきたのであるが。ちょっと息子と旅行気分を味わいたかったらしい。

 久遠もああいう性格だから断ることもなく、『いいですよ』と軽い感じでついてきた。息子よ、断ってもよかったんやで……。

 ちなみにシルヴァーも短剣サイズになって久遠が身につけている。

 親戚の子も連れて行きますとオルファンには事前に伝えてあったので、久遠とエルナに関しては問題なかったようだが、エルナの護衛にと連れてきた紅玉にオルファン人の視線が集まっている。なんだ?

 紅玉はエルナの肩にとまっていたので、視線を向けられたエルナはなんとも居心地の悪そうに顔を赤くしていた。

 それを気遣ってか、紅玉が僕の肩に飛び移る。それに合わせて皆の視線も移り、エルナがホッと安堵の息を吐いた。


「あの、なにか?」

「あ、いえ……。そちらの鳥が、我々が崇める瑞鳥によく似ていたものですから……」


 瑞鳥とはおそらく鳳凰のことであろう。僕も一度しか見たことはないが、鳳凰と紅玉は色や姿がよく似ている。あれほど尾羽は長くないけどな。

 オルファンの用意した馬車は広く、僕とユミナに久遠、エルゼとエルナの家族五人が乗っても平気なようだった。


「この時代ではまだ鳳帝が治めているのですね」


 窓から流れる町並みを見ながら久遠がポツリとつぶやく。


「それってどういうことだ、久遠?」

「いえ、僕らの時代では龍帝が治めていたもので」


 なるほど。現在から久遠たちがいた未来に至るまでに、世代交代が行われたわけか。すると今現在の鳳帝陛下はかなりのご高齢なのかな? いや、亡くなったとも限らないか。元気なうちに禅譲とかもあり得るし。

 やがて馬車は豪奢な造りの宮殿へとついた。その建物を見た時、僕はなるほど、と妙に納得してしまった。

 オルファン龍鳳国の宮殿は見た目が平等院鳳堂によく似ていたのである。十円玉の表にあるあれだ。

 イーシェンの城も日本の城に似ていたし、異世界でもこういう共通する部分ってあるんだよね。

 なんでも宮殿は二つあって、龍帝の治世だと別の宮殿になるらしい。そっちもどんな建物なのか気になるな。龍が巻きついていたりして。

 案内役の役人に連れられて、赤い柱と赤い絨毯の中を僕らは進んでいく。

 やがて向かい合った大きな鳳凰が彫られた両扉が開かれ、会議室のような場所へと辿り着いた。


「ようこそ、オルファンへ。ブリュンヒルド公王陛下、並びに両公妃殿下。お会いできて光栄です」


 そう言って僕らを出迎えてくれた人物の頭には、小さな黄金の冠が載っていた。この人がオルファンの鳳帝か?

 意外と言ったらなんだが、思っていたより若い人物であった。しかも女性である。

 年の頃は二十代半ばくらいか? 金糸銀糸の鳳凰の刺繍がされた、豪奢な礼服を纏っている。艶のある長い赤い髪と、切れ長のこれまた赤い目が印象的な女性であった。


「お招きありがとうございます。鳳帝陛下。ブリュンヒルドを代表して心からの感謝を」


 ちらりと周辺を窺うと、鳳帝を中心に、家臣たちが赤系統の衣装を纏う者たちと、青系統の衣装を纏う者たちで左右真っ二つに割れている。

 おそらく彼らが『鳳』の一族と『龍』の一族なんだろうな。

 しかし、この若い鳳帝陛下があと十数年で代替わりするとは思えないのだが。

 ……まさか、暗殺された、とかじゃないよね?

 脳裏に浮かんだ物騒な考えを僕は首を振って追い払った。







 

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