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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
524/637

#524 七色の魔眼、そして母と子。





「【七色の魔眼】?」

「はい。僕の両眼には七種の魔眼が宿っていて、自分の意思で発動させることができます」


 久遠にその話を聞かされて驚いた。魔眼を複数持っているなんて初めて聞いた。しかも七つもか。

 普通、魔眼は片目どちらかで、本来持っている眼とは違う色になったりする。【遠見の魔眼】を持っている、くのいち三人娘のほむらみたいに、片方だけが少しだけ茶色で、パッと見、両眼とも同じに見えるって者もいるが、久遠の場合、どう見ても両眼とも黒目だ。


「ちょっと使ってみてくれるか?」

「いいですよ。じゃあ、小さく【ライト】を使ってもらえますか?」


 【ライト】? よくわからないが、言われるままに僕は小さな魔法の明かりを空中に生み出した。

 久遠がその光の球をじっと見つめる。その目が薄らと青を含んだ金色に変化すると、たちまち【ライト】が消失してしまった。これは……。


「【霧消の魔眼】です。魔法を無効化できる魔眼ですね。視認していないと効果がありませんけど」


 魔法無効化か。こりゃすごい。僕の使う吸収魔法【アブソーブ】みたいなものかな?


「すごいです、久遠! 他にはどんな魔眼を持っているんですか!?」


 ユミナのテンションが爆上がりだ。息子に自分と同じ魔眼持ちの特性が受け継がれたのが嬉しいらしい。気持ちはわかるけど、ちょっと落ち着け、お母さん。

 久遠が説明してくれた【七色の魔眼】は以下のようなものだった。


■緑:臣従の魔眼:動物、魔獣を従える魔眼。

■黄:固定の魔眼:物体の動きを止める魔眼。

■青:霧消の魔眼:魔法を無効化する魔眼。

■白:看破の魔眼:人の善悪が読める魔眼。

■赤:圧壊の魔眼:物質を破壊する魔眼。

■橙:先見の魔眼:未来視の魔眼。

■紫:幻惑の魔眼:幻を見せる魔眼。


 【看破の魔眼】と【先見の魔眼】は間違いなくユミナから受け継がれたものだろう。

 どれもこれも便利そうな魔眼だが、色々と制限もあるらしい。

 例えば【固定の魔眼】は瞬きをすると解けてしまうらしいし、【臣従の魔眼】は人間には効かず、一匹に二十四時間しか効かないらしい。それでもかなり役立つ能力には違いないが。


「魔法は使えるのか?」

「無属性魔法だけです。【スリップ】と【パラライズ】ですね」


 おっと、こっちは僕がよく使う魔法を受け継いだっぽいな。どっちも便利だろ?


「さすが私と冬夜さんの息子です! くふふ、いい子いい子してあげますね!」

「あの、母上、それはちょっと恥ずかしいので……」


 久遠の隣に座ったユミナが息子君を抱き寄せて頭を撫で撫でしている。なんとも居心地の悪そうな久遠だが、されるがままになっていた。


「デレデレでござるな……」

「あんなユミナさん、初めて見ますわ……」


 という、八重とルーの声が聞こえてきたが、僕も同じ気持ちだ。傍目には『弟を可愛がっている姉』のようにしか見えないのだが。


「だけどなんか堅いのよね。礼儀正しいのはいいけど、男の子はもっと元気な方がいいんじゃない? ユミナってばどんな教育したのかしら」

「むう。いいじゃないですか。一国の王子たるもの、礼儀正しく、立ち振る舞いは優雅でかつ毅然としていないと! さすが私です! よく教育しました!」


 エルゼの言葉にユミナが反論する。しかしそれに今度はアーシアが異を唱えた。


「いえ、ユミナお母様は国家運営で基本的にいつも忙しかったので、久遠の教育はほぼ別な者がやっていたのですが……」

「「え!? 誰が!?」」


 僕とユミナがそう切り返すと、子供たちの視線が一点に集まる。そこにはソファーの上でゴロンと横になった白い子虎が一匹。


『はい?』

「「琥珀ぅ!?」」

「生まれてからずっと琥珀は久遠のそばにいましたからね。言葉も琥珀から覚えたんですよ」


 あ、ああ! そういや似てるわ! 琥珀の話し方と久遠の話し方! そうか、琥珀の話し方を真似て覚えてしまったのか!

 アーシアの話によるとそれだけじゃなく、マナーや学習教育、戦い方、果てはダンスに至るまで、王子としての立ち振る舞いなどは全て琥珀指導で叩き込まれたという。


「そういえば琥珀は久遠の護衛になるって聞いてたな……。護衛だけじゃなく教育係でもあったのか」

『なるほど……。で、あるならば誇らしいことです。よく頑張ったと未来の自分を褒めるべきでしょうか』

「うう……。未来の私はなにをやってるんですか……」


 どこか誇らしげな琥珀に反して、ユミナが肩を落として落ち込んでいる。


「いえ、母上は父上を支え、この国をより良くしようと頑張っておられます。母上のその真摯な姿を僕は大変尊敬していますので」

「冬夜さん! 息子かわいい!」


 ユミナはまたしてもぎゅうっと抱き付き、頭を撫でくり撫でくりし始めた。ハゲるかもしれないからやめなさい。

 僕が息子の頭を心配していると、リビングの扉がドバン! と開き、クーンと彼女を地下都市アガルタに迎えに行った八雲が入ってきた。


「銀の『王冠』はどこ!」


 クーンの第一声に、みんな残念そうな顔をする。まずはやっと辿り着いた弟に目を向けなさい。

 クーンは久遠のところへつかつかと進み、彼の傍らに置いてあったシルヴァーを手に取った。


「これね! まさか銀の『王冠』が武装型のゴレムだとは思わなかったわ。クロム・ランシェスの武装ゴレム……ふふふ、ギガンテスは博士たちに取られたけど、これはいいものが手に入ったわ!」

『坊っちゃん! この姐さん、めっちゃ怖いんスけど! 特に目が! 目がなんか怖い!』


 クーンに掴まれ怯えるシルヴァー。今すぐにそのまま研究室へ走り出しそうなクーンを母であるリーンが止める。


「こら。まずは弟君に『おかえり』の一言でも言いなさい。それにその剣は彼のものよ。勝手なことしないの。あなた、弟の物を奪って姉として恥ずかしくないの?」

「あいたっ!?」


 クーンの頭にリーンのチョップが落ちる。うん、今の態度は怒られるよ。


「あ、えと、ごめんなさい……。おかえり、久遠。無事でよかったわ。それでその、この剣、ちょっと見せてもらえる?」


 リーンに叱られて、ちょっとしょぼんとしたクーンが、それでもやっぱりシルヴァーが気になるのか、申し訳なさそうに久遠に尋ねる。


「あなたね……」

「リーン母様、お気になさらず。クーン姉様がこうなるのは毎度のことなので。それにその剣はもともとクーン姉様へのおみや……」

『おおっとぉ!? 坊っちゃん、坊っちゃん、坊っちゃーん!? あっしらは一心同体でやんスよね!? あっしを手放すなんて、そんな惨たらしいことを坊っちゃんはするわけねぇと信じてやすよ!? 信じてやすからっ!?』

「あー……もともとクーン姉様に調べてもらおうと思ってたので。はい」


 今、おみやげって言おうとしてなかったか?

 必死の懇願が効いたのか、久遠はシルヴァーを譲ったりはしなかったようだ。調べさせることは調べさせるみたいだが。


「壊さないで下さいね、クーン姉様」

「しないわよっ。これがどれだけ貴重なものか私にだってわかるわ。さすがに細かいところは博士の【アナライズ】で調べてもらうから」


 分析魔法【アナライズ】か。僕も使えるけど、僕は知識がないから、中を見てもなにがなんだかわからないからなあ。

 シルヴァーにしてみたらCTスキャンを受けるようなものなんだろうかね?


『不安しかないでやんス……』


 震えているのかクーンの手の中でシルヴァーが鍔鳴りを放っている。器用なやつだな。


「それよりも! 久遠の服をなんとかしないといけません! これから一緒にザナックさんのお店へ行きますよ!」

「えっ? この服じゃダメですか?」


 ユミナの突然の発言に久遠は自分の服を見下ろした。まあ、元はそれなりにいい服だったのかもしれないが、長い旅路のせいか、ちょっとヨレヨレなところもある。息子にそんな服を着せておくことがユミナには許せなかったのかもしれない。


「あ、じゃあボクも行く! 久遠に似合う服を選んであげるよ!」


 アリスが手を挙げて久遠たちに同行を申し出る。アリスー、うしろーうしろー。君の親父が苦虫を噛み潰したような顔をしてるぞ。

 久遠も苦笑いしてるな。エンデのこの反応はどうやら未来でもいつものことらしい。


「あ、じゃああたしも行こうっと。エルナも行きましょ? かわいい服を買ってあげるわ」

「え? この前買ってもらったばかりだけど……」


 エルゼの言葉にエルナがいいのかな? という顔を見せた。子供たちの中で、一番服を買ってもらっているのはエルナだと思う。エルゼがあれもこれも似合う、かわいいと買い与えるのだ。

 確かにどれもこれも似合ってたし、かわいかったから僕としては止める気はない。

 たぶんユミナも同じ状態なんだな。息子君にいろんな服を着せたいんだろう。だとすれば僕ができることは一つ。

 僕はザナックさんの店に近い路地裏まで【ゲート】を開いた。


「行っといで。琥珀と八雲もついていってくれ。帰りは頼むよ」

「わかりました」

「さ、久遠、行きますよ! お母さんとお出かけです!」


 ユミナが久遠の手を引いて【ゲート】の中へと消える。そのあとアリス、琥珀、エルゼ、エルナ、八雲と続き、エンデが通ろうとしたところで【ゲート】を閉じた。


「ちょっと!?」

「お前がついていったら久遠が落ち着いて選べないだろ。少しは気を使えっての」

「くっ! 僕はアリスに服を買いたいだけだから! 君の息子といちゃいちゃしないように見張るわけじゃないぞ!」


 本音が漏れてますぜ、旦那。

 エンデはリビングに続くベランダから飛び降りて、そのまま出ていってしまった。

 城下にあるザナックさんの店まで行く気だな。あいつの足なら数分で着くだろう。すまん、久遠。彼女の馬鹿親父が行くけど耐えてくれ。


「しかしエンデもあそこまで親馬鹿とはなあ。娘の彼氏の一人や二人、受け入れる度量が欲しいね」


 僕がそんな呟きを漏らすと、フレイ、クーン、アーシアあたりから呆れたような視線が飛んできた。なんだよう。


「思いっきりブーメランなんだよ……」

「私たちに言い寄ってきた男の子を、片っ端から睨みつけていた人のセリフとは思えないわね」

「録音しておきましょうか?」


 子供たちが何やら言っているが聞こえない、聞こえない。


「ところでクーン。ガンディリスから譲って貰った鋼材は『格納庫』に置いておけばいいのか?」


 僕はシルヴァーをブンブンと振り回しているクーンに尋ねた。こら、危ないから室内で振り回すのはやめなさい。ほら、リーンにまた叩かれた。

 ガンディリスに安く譲ってもらうはずだった鋼材は、地下都市アガルタの発見とギガンテスの譲渡(共同分析はするが、物自体は譲った。壊れた物をもらっても仕方ないし)という条件によって無料でもらった。量が量だけに遠慮しようかとも思ったが、それだけの価値があるというのでありがたくもらっておいた。


「うう……。全て格納庫に入れておいて下さい。設計はできているので、すぐにでも製作に入れます」


 またもやリーンにチョップを食らったクーンが頭を押さえながら返事をする。

 しかしもらった鋼材はとんでもない量なんだけど、何を作る気だ? アルブスのオーバーギアなんだよな? 何機か作ってギガンテスみたいに合体するとか?


「それは完成してからのお楽しみです。それじゃあ私は銀の『王冠』を分析しますので、これで!」


 ぴゅうっ、と風のようにクーンが去っていく。あの様子だとアルブスのオーバーギアはすぐに製作とはいかないようだぞ……。


「まったく落ち着きのない……。弟君を見習ってほしいわ。私もクーンが生まれたら教育は琥珀に頼もうかしら……」


 いやいや、久遠の場合は特殊な例だと思うぞ。それに時江おばあちゃんの話だと、時の精霊による強制力で未来は変わらないらしいから無駄だと思う。ただ、この強制力も神の力の前には及ばないという。

 つまり邪神絡みだと未来も変わってしまう可能性があるということだ。もちろんそんなことはさせないが。

 時江おばあちゃんが子供たちを未来へすぐには返せないというのも、邪神問題を片付けて、憂いをなくしてから、ということなのかもしれない。


「さて! 久遠も来たことですし、今晩の夕食はひとつ豪勢にいきましょう! お母様、どちらが久遠を喜ばせるか勝負といきましょうか!」

「懲りませんね、アーシア……。あなた、一度負けたのを忘れてしまったようですわね」

「ふふーん、お母様は久遠の好みを知らないでしょう? 私はあの子が生まれた頃から食の好みを知っています。今回は私がいただきます!」

「むっ……」


 睨み合うな、睨み合うな。アーシアとルーがお互いに不敵な笑みを浮かべながらバチバチと火花を散らしている。


「アーちゃんは相変わらずズル賢いんだよ……」


 ため息とともに呆れたようなフレイの声が聞こえた。



          ◇ ◇ ◇



「おお……。似合う、似合う。まるで王子様だ」

「ふふん。久遠はなにを着せても似合いますからね! さすが我が息子です!」

「はは……」


 ドヤ顔でふんぞり返っているユミナに、引きつったような笑いを浮かべる久遠。お母さん、息子が引いてるぞ。

 ザナックさんの店から帰ってきた久遠は白いシャツに紺地のベスト、紺地のリボンタイに黒のズボンとシックな出で立ちであったが、醸し出すオーラが王子のそれであった。ううむ、我が息子ながら凛々しい……はっ!? これではあまりユミナのことを言えないぞ。

 もちろんこの服だけではなく、他にも紙袋に山のように買ってきたようだが。

 その後、アーシアとルーの作った夕飯がこれでもかとばかりに食卓に並べられた。アーシアは久遠の食の好みを知っていたようだが、買収(お菓子で釣った)に屈したヨシノとリンネから情報を得て、ルーもそれに劣らぬ料理を作り上げていた。


「ぐぬぬ……。ズルいですわ!」


 アーシアが文句をつける。この子は……。どの口が言うのやら。

 どっちが美味しかったかと迫る二人に、久遠は『どちらも家族の味ですので甲乙はつけられません』と、にこやかに返してその場を切り抜けた。そのテクニック、お父さんにも教えてほしい……。

 美味しいご飯を食べたあとはユミナにお風呂に連れて行かれそうになった久遠だが、さすがにもう母親と入るのは抵抗があるのか全力で拒否していた。

 その代わり『一緒に寝ます!』と寝室に引きずられていったが。まあ、ユミナはずっと久遠と会えることを楽しみにしていたからなあ。息子よ、それくらい付き合ってやってくれ。


「いいのう……。わらわもステフと早く会いたいのじゃ」


 スゥが寝室へと向かうユミナと久遠を羨ましそうに見送る。まだ来ていないのはスゥの娘であるステファニアだけだ。スゥが羨ましいと思っても仕方がない。

 僕は小さなお嫁さんを抱きしめて慰める。


「大丈夫。久遠が来たんだからステフもすぐに来るさ」

「……うむ。来たら思いっきりかわいがってやるのじゃ。一緒にお風呂に入って、一緒に遊んで、一緒に寝るぞ」

「うん。親子で川の字になって寝ような」

「うむ」


 まだちょっと元気がないが、少しは落ち着いたようだ。

 その様子を見ていたリンネとエルナが、スゥの左右に来て、その手をそれぞれ握る。


「スゥおかーさん、今日は私が一緒に寝てあげる」

「わ、私も。スゥお母さんと一緒に寝たい……」

「な、なんじゃ、お前たち。わらわは別に寂しいわけではないぞ!? ……こほん。しかし、お前たちがそこまで言うのなら一緒に寝るとするかのう」


 それを見ていたエルゼとリンゼが苦笑気味に肩を竦める。にこにことした笑顔でスゥはエルナとリンネを抱きしめていた。

 優しい娘たちを持って僕は幸せ者だよ。



          ◇ ◇ ◇



 翌朝。

 久遠はさっそく八重とヒルダに訓練場に連れて行かれ、早朝訓練に付き合わされた。

 魔眼を使わない剣の試合だったが、なかなかに強いと思われる。八雲、フレイとまではいかないが、そこらへんの冒険者なんかより遥かに強い。

 一緒に見学していた八雲たちの話だと、小さい頃から八重やヒルダ、諸刃姉さんたちに鍛えられていたそうだ。どうりで。

 ちなみに魔眼を使われると八雲やフレイでも面倒らしい。【固定の魔眼】で一瞬動きを止めさせられるからだそうだ。

 【固定の魔眼】とは言うが、完全に止められるわけではないらしく、全力で力を込めればなんとか動けないこともないらしい(常人にはほぼ無理らしいが)。瞬きさえさせれば消せるので、そういうときは目を狙う、とか言っていたが、君らどんな訓練してたんだよ……。


「久遠ー! 来たよー!」


 大声を上げて、訓練場の向こうからアリスがやってきた。朝から元気だなぁ……。おや? その後ろにアリスの母親ら三人が来てる。メル、ネイ、リセ、のフレイズ支配種三人組だ。

 久遠のところへ一直線のアリスをよそに、やってきた三人は僕のところへと来た。


「三人揃ってどうしたんだ? エンデは?」

「エンデミュオンは今日はギルドの方で仕事を。私たちはアリスが夢中な殿方を見に来ました」

「お前の息子とはいえ、変な輩にアリスを嫁には出せんからな」

「確認する。これ大事」


 ああ、品定めに来たってこと? 親父エンデだけじゃなく、母親こっちの方も過保護だなぁ……。

 僕の考えが顔に出たのか、それを見てメルがくすりと笑う。


「私はアリスが選んだのなら、なんの反対もしませんよ? ただ将来義理の息子になるかもしれない子なんですから、見ておきたいとは思うでしょう?」

「ま、気持ちはわからんでもない」


 メルたちの視線は訓練場で八重と戦う久遠へと向けられる。

 久遠とアリスが結婚ねえ……。未来の未来の話だな。何年先の話だよ。

 しかしそうなると、将来アリスがブリュンヒルドの王妃になるのか? ……そっちの方が大丈夫か?

 うちの娘たちと一緒に淑女教育をさせておいた方がいいのでは? と、僕は将来に向けたことを考えていた。










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■スラムで暮らす私、サクラリエルには前世の記憶があった。その私の前に突然、公爵家の使いが現れる。えっ、私が拐われた公爵令嬢?
あれよあれよと言う間に本当の父母と再会、温かく公爵家に迎えられることになったのだが、同時にこの世界が前世でプレイしたことのある乙女ゲームの世界だと気付いた。しかも破滅しまくる悪役令嬢じゃん!
冗談じゃない、なんとか破滅するのを回避しないと! この世界には神様からひとつだけもらえる『ギフト』という能力がある。こいつを使って破滅回避よ! えっ? 私の『ギフト』は【店舗召喚】? これでいったいどうしろと……。


新作「桜色ストレンジガール 〜転生してスラム街の孤児かと思ったら、公爵令嬢で悪役令嬢でした。店舗召喚で生き延びます〜」をよろしくお願い致します。
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