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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
487/637

#487 娘のお願い、そして遊園地。





「えいっ!」


 エルナの放った水晶の星が回転しながら飛び、リンネへと向かう。愛用のガントレットを握りしめ、それを迎え撃つリンネ。


「ふんっ! さいっ!」


 ガキャアッ! っと派手な音を立ててぶつかったガントレットと星は、どちらも砕けることはなかった。弾かれた星が大きく弧を描いてエルナの下に戻り、構えた杖にドッキングする。

 砕けなかった星を見て、隣のリンゼが呟く。


「私のより硬いですね」

「エルナの杖は晶材でできているからね」


 当然、あの星も晶材でできている。僕の魔力をかなり注ぎ込み、充分な硬度を持たせた。リンネのガントレットも同じ硬度を持っているようだが。未来の僕め、気合い入れたな?


「ふっ!」


 地面を蹴って、リンネがエルナに肉薄する。エルナに繰り出したリンネのローキックが不可視の障壁に阻まれた。

 エルゼが、へえ、と声を漏らす。


「杖本体にも【シールド】の効果があるのね」

「近付かれた時の保険にね。それだけじゃないぞ。ほら」


 エルナが杖をくるりと回すと、杖の先にある星からキラキラとした光が放たれる。

 クルンと彼女が一回転すると、まるで土星の輪のようにエルナの周りに光のリングができた。


「【ブースト】っ」


 母親と同じ魔法を使い、強化した脚力で地面を蹴ると、エルナは四メートルほどの高さまで飛び上がり、そのまま空中に静止してしまった。うまく使いこなしてるな。


「空も飛べるんですか……?」

「空に逃げられれば安全だろ? 矢とか飛んできても【シールド】があるし」

「ちょっと冬夜。いくらなんでも過保護過ぎない? あたしとしてはありがたいけどさ」


 うん、まあ、エルゼの言う通り、ちょーっと、調子に乗ったかもしれない……。だってさ、『お父さん、すごい!』って、いちいち素直に喜んでくれるんだもの。こうなりますよ。

 とりあえず充分な性能を示せたので二人の模擬戦を終わらせた。


「エルナお姉ちゃん、いいなぁ。あたしも空飛びたい」

「えへへ。でもリンネは地面を踏んでいないと技の威力が出ないと思うよ」

「そうだけどぉ……」


 にこやかに笑顔を浮かべるエルナと対照的に少し拗ねた感じのリンネ。そしてもう一人、うずうずして駆け出そうとするのを母親に止められている子がいたりする。


「エルナ! 次は私なんだよ! 私と遊ぶんだよー!」

「あっ、フレイ!? もうっ……!」


 首根っこを押さえていたヒルダを振り切ってフレイが突撃していく。さすがは武器マニア。未知の武器を見て堪らなくなったらしい。我が娘ながら少し残念だが、そこも可愛く見えてしまうのは親の欲目だろうか。


「普段は大人しくていい子なんですけれど……なんで武器のことになるとあんな風になるのか……」

「まあまあ」


 ため息をつくヒルダを慰める。それもフレイの個性ってやつだからさ。無理矢理相手にさせられているエルナはちょっとかわいそうだけれども。

 エルナ対フレイの戦いが始まった。直接的な魔法は禁止となっているから、さすがにエルナに分が悪いかな。フレイにも【ストレージ】による武器換装は無しとなったみたいだけど。

 あくまでこれはエルナが『星の杖』に慣れるための訓練なんだから、勝ち負けは必要ないんだよね。フレイも武器性能を体感できれば満足だろうし、キリのいいところでやめさせないとな。


「ねぇねぇ、おとーさん」

「ん? どうした、リンネ」


 くいくいと袖を引かれて、視線をリンネへと落とす。


「あのね、こないだアリスと話してたんだけど……。おとーさん『ゆーえんち』はまだ造らないの?」

「はい?」


 ゆーえんち? ゆーえんちって、遊園地? ちょっと待て、未来の僕ってそんなもん造ってたのか!?

 まさか自分の子供たちのために? いやいや、そこまで親バカじゃない……と信じたい。国民のために娯楽施設を、って考えたに違いない。……たぶん。


「ちなみにそれってどういう……」

「えっとねー、観覧車があって、じぇっとこーすたーがあって、あとパレードも……あ、見せた方が早いのかな」


 リンネはごそごそとポケットを探し、僕が川底から回収してきたスマホを取り出してちょこちょことフリックし始めた。川に落ちたところで【プロテクション】がかけられているあのスマホは故障することはない。リンネもエルナも普通に使っている。


「ほらこれ」

「っ!?」


 笑顔と共にリンネが差し出してきた画像には、同じように笑顔で微笑むリンネと、少しだけ大人になったリンゼが映っていた。二人ともいかにも遊園地といった場所で、ツーショットで映っている。

 リンネがフリックするたびに、エルナとのツーショット、アリスと大人エルゼ、リンネのツーショットなど、僕にとってお宝写真が流れていく。

 もっとしっかり見ようと前のめりになった時、ひょいとリンネのスマホが横から伸びた手につまみ上げられてしまった。


「はい、そこまで〜、なのよ」

「花恋姉さん!?」


 いつの間にか僕の横に、リンネのスマホを取り上げた花恋姉さんが立っていた。わざとらしくため息なんかつきながら、リンネへと視線を向ける。


「リンネちゃん、あんまり未来の情報を話すのはダメなのよ? 時江おばあちゃんに言われたでしょう? 冬夜君の楽しみを奪っちゃかわいそうって」

「あ、そだった……」


 リンネが花恋姉さんに言われて、しまった、という顔をする。いや、少しくらいいいんじゃないですかねえ!

 未来の話を聞いて未来が変わりそうなら時の精霊とやらが修正してくれるんでしょう? ならちょこっとくらいいいと思うんだけどなぁ。

 確かに先がわかっているとその時に生まれる喜びは半減するかもしれないが、それまでの時間を楽しめるとも考えられるわけで。


「花恋お姉ちゃん、ごめんなさい……」

「ま、別に遊園地のことは構わないのよ。ただ、その写真の中にはまだ来てない子らも映ってるでしょう? 初めて見る子供のその姿は、やっぱり写真じゃなくて、本物を見て欲しいのよ」


 うぬう。言いたいことはわかるけどさ。って言うか、遊園地のことはいいのかよ。


「建設現場は城下町から南西が最適なのよ」

「え? それって造れってこと?」

「『工房』があるのよ?」


 いや、そうですけれども。遊園地をブリュンヒルドに? 工事自体は『工房』があればできなくはないけれども、素材は必要なんだぞ? 安全性を高めるならいろんな【エンチャント】を施さなきゃならないし。それやるの僕なんですけど?


「ううん……。ん?」


 僕が考え込んでいると、じっとこちらを見つめる小さな瞳が二つ。母親と同じ青い目で、期待した眼差しを向ける僕のリンネ

 この攻撃に耐えられるほど、僕は場数を踏んじゃいない。


「と、とりあえず……。高坂さんと話をつけてから、ね……」

「うんっ!」


 こうしてリンネのおねだりにより、ブリュンヒルドに遊園地計画が持ち上がったのである。



          ◇ ◇ ◇



「ふむ。悪くはないと思います。この国に観光客が集まれば、町も潤い、国も潤います。ですが、全て陛下一人でやるのはおやめください。建設を請け負う者たちから仕事を奪うことになりますからな」


 高坂さんから許可はもらえたが、ぶっとい釘を刺された。ううむ。『工房』で造ってしまえは三日とかからずできるんだがなあ。

 まあ、観覧車とか、ジェットコースターとか、そういう部分はこちらで造るんだけれども。土台の部分は土木作業用の魔導機械、ドヴェルグや土魔法の使い手がメインとなってやってくれるみたいだが。

 数ヶ月もあればそっちは出来上がるんだそうだ。土台が出来上がってから、僕が『工房』で造ったアトラクションを設置すればいいか。

 とはいえ、僕一人でジェットコースターなんかを造ることはできない。それはバビロン博士に丸投げかな。僕は観覧車とかメリーゴーラウンドとか、動きが簡単な方を担当しよう。

 とりあえず博士に話をするためにバビロンへと転移した。




「わざわざ造らなくても遊園地なら似たようなのが『蔵』の中にあるけど」

「もうあるのかよ!」


 僕の話を聞いた博士がこともなげに言い放った。いや、遊園地だぞ!? そんなものが『蔵』のどこにあるってんだ!?


「時空魔法を使えば別空間に保存しておけるじゃないか。箱庭シリーズとしていくつか造った中の一つだよ」

「ああ、そういや前にみんなでサイコロの中に閉じ込められたっけ……」


 以前、『蔵』の整理をしていた時に、不思議なサイコロの中にみんなで閉じ込められて、双六のようなゲームをやらされたことがある。(八巻・幕間劇にて)

 サイコロの中は広く、時空魔法を応用した擬似空間となっていた。構造的にはバビロンの『格納庫』と同じである。アレと同じタイプの魔道具アーティファクトか。


「まだ使えるのか?」

「そりゃ保護魔法をかけているから五千年経っても大丈夫さ。ただ、現代人の感性だと面白いかどうかわからないけどね。五千年前のボクらは魔法ありきの生活だったから」


 古代文明の人たちが楽しんだ娯楽施設が、現代人に馴染むかは微妙なところかなあ。古代マヤ文明ではサッカーのような球技があったけど、ボールは処刑された人間の頭だったとか聞いたことがある。

 ともかくそれなら子供たちと遊べる施設になるかな? ただ、これだと一般公開はできないから僕ら専用の施設ってことになってしまう。遊園地とかああいうのって、他の人たちもいるから楽しいって部分もあるからなあ。

 あ、でも使えるのがあれば取り外してブリュンヒルドの遊園地に設置するってのアリか。

 とりあえずみんなが楽しめるものだといいけど。


「危険はないんだな?」

「ないよ。ああ、驚かすようなものもあるから、気の弱い人はやめた方がいいかもしれないけど」


 ああ、ジェットコースターとかスリルを味わうタイプのやつかな。ああいうのは慣れない人だと気持ち悪くなるかもしれないからな。


「古代文明の遊園地ですか……。どんな魔工機械が使われているか興味がありますね」


 『研究所』に入り浸っていたクーンが僕らの会話に入ってきた。好奇心は母親譲りである。まあ、魔道具アーティファクトである以上、黙っているとは思わなかったけどさ。


「お父様。その箱庭、私も入ってみたいのですけれど……」

「いや、どんなものかまだわからないし、なにか他に危険なものがあるかもしれない。クーンが入るのはまた今度……」


 に、と言いかけて、言葉が止まる。僕を見上げるクーンの悲しそうな顔に胸が締め付けられた。……くっ! それ反則だろ!? っていうか、絶対作ってるよね、その顔!?


「お父様……?」

「……こ、今度、じゃなくても、いい、かな……。博士も安全だって言ってるし……」

「ありがとう、お父様っ!」


 うるうるしていた瞳を喜びで輝かせて、クーンが僕に抱きついてくる。くそぉ、してやられたとわかっちゃいるけど、許しちゃう自分が情けない!


「チョロいなあ」

「チョロいわねー」

『チョロいのである』


 バビロン博士、エルカ技師、フェンリルの声が聞こえてくる。うるさいやい。こんなの無条件降伏するに決まってる。勝てない戦はしないのだ、僕は。

 しかしリンネの時といい、クーンの時といい、僕って娘たちに手玉に取られてないか……?

 

「そうと決まればみんなを呼びましょう。あ、アリスも呼びませんと」


 僕から離れたクーンが善は急げとばかりに、スマホで電話をかけ始めた。うわぁ、なんか大ごとになりそうな予感がプンプンするぞう……。



          ◇ ◇ ◇



「で、冬夜。本当に危険はないんだよね?」

「ない。……たぶん」


 エンデからの厳しい視線を逸らす。そう言われても入ったことがないから僕にもわからんよ。

 バビロンの『庭園』には、クーンが呼び出したみんなが集合していた。プラス、アリス一家もお呼ばれしている。当然ながら父親であるエンデもだ。

 こいつらにはもうすでにバビロンの存在は知られているからいいんだけど、娘以上に母親三人が何かしでかしそうで不安だ……。

 僕らの目の前では博士がサイコロ状の魔道具アーティファクトの表面にピピピッ、とタッチパネルのごとく素早く指を走らせていた。

 上の部分がガラス張りのようになっていて、中身が見える。小さくてよく見えないが、まるでジオラマのような箱庭が広がっていた。海あり森ありと遊園地といえば遊園地に見えないこともない。


「よし、じゃあ時間は八時間としとこう。時間になれば自動的にここへ戻ってこられるから心配ない。たとえ迷子になっても大丈夫だよ」

「え……ちょ、ちょっと待って下さい。迷子になるほど広いんです、か?」


 博士の言葉にリンゼが待ったをかける。遊園地で子供がはぐれて迷子になるなんて、よくあるシチュエーションだけど、何時間も一人っきりってのはさすがに心配だ。


「中はそれなりに広い敷地だからね。でもまあ、迷子になったとしても冬夜君の【サーチ】ならすぐに探せるだろ?」

「前の双六みたいに魔法が使えない状態になるんじゃないんだな?」

「一部の施設は魔法でやってしまうと面白くないので封印結界そういったものがあるけど、遊園地自体は大丈夫だよ」


 魔法を使えるとつまらなくなる……体感アトラクション的な物があるってことか? 安全性が確かなら問題ないけど……。


「おとーさん! 行こ! 早く行こ!」


 きらっきらの目で僕を見上げるリンネには悪いが、内心、僕はいくばくかの不安が拭えないでいる。

 果たしてこの異世界の遊園地は僕の知っている遊園地と同じものなのか。あの双六の時みたいに酷い目にあいやしないかという不安だ。


「ボクは遠慮しとくよ。やることが他にあるんでね。シェスカを案内に付けるから家族水入らずで楽しんでくるといいさ」

「オ任せ下さイ。遊園地の情報は全て覚えテおりまス」


 博士の言葉に横に控えていたシェスカが任せろ、とばかりに胸を軽く叩く。え、お前来んの……? 不安が増したんだけど……。


「じゃあ開くよ」


 ピッ、と博士がキューブ状の箱庭に触れて素早く離れると、箱の上部が少しだけ円形に開いて、ヒュオンッ! という音とともに周りにいた僕らは箱庭に吸い込まれた。


「いってらっしゃーい」


 博士のそんな声を聞きながら、僕は意識が暗転するのを感じた。



          ◇ ◇ ◇



「お父さん……お父さんっ」

「う……?」


 チチチ……という小鳥のさえずりの中、エルナに揺さぶられて僕は目を覚ます。

 起き上がると、広い芝生の上に僕らは倒れていた。僕らの近く、つまり芝生の中心にバビロンの施設にあるのと同じ黒いモノリスが立っており、その周りをぐるりと円形に白い金属的な柱で造られた、門のような物が取り囲んでいる。あれだ、まるでイギリスのストーンヘンジのようにも見える。

 ストーンヘンジならトリリトンと呼ばれる門状のその先にはどこまでも草原が広がっていた。

 みんなも起き上がり、ポカンとした表情で門の先を眺めている。


「……なんだこれ? これが遊園地?」

「ココは博士の遊園地……バビロンパークの、いわば入場門のようナものでス。少々オ待ちを」


 『庭園』にあるモノリスと同じようにシェスカが芝生に立つモノリスを操作する。

 やがて空中に遊園地の全体マップのようなものが浮かび上がった。なにやら文字が書いてあるが読めない。古代パルテノ文字か。


「バビロンパークにはそれぞれイロんなテーマに沿った遊具施設、娯楽施設がアリまス。例えばコの【闇】エリアでは、擬似的な心霊現象による恐怖心やスリリングさを楽シめまス」

「ひぃ……」

「お母さん?」


 変な声を小さく上げたエルゼにエルナが視線を向ける。あー、ホラーハウス系のアトラクションか。エルゼは苦手そうだな。

 娘から向けられた訝しげな視線に、咳払いをひとつして『なんでもないわ』と笑顔で答えるエルゼ。

 娘の手前ということに免じてか、他のみんなからツッコミが入ることはなかった。


「よくわからないけど、まずはみんなで遊べるようなやつがいいんじゃないかしら」

「ですね。初めから過激なものは避けた方がいいかと」


 リーンとユミナがそんな話をしている。彼女たち、つまり僕の奥さんたちだが、今まで見せた映画のデートシーンなどで、いくつかの遊園地を観ている。おおまかにだが、遊園地がどういうものか知識としては知っているのだ。

 

わたくしはあの馬の乗り物がぐるぐると回るものに乗ってみたいのですけれど」

「あー、それメリーゴーラウンドって言うんだよ、お母様。私も好きなんだよ」


 ヒルダの言葉に彼女と手を繋いだフレイが、にぱっと笑いながら答える。どうやらフレイは未来の世界で僕が造ったメリーゴーラウンドに乗ったことがあるらしい。騎士だけに馬には興味があるようだ。

 しかしアレは地球の遊園地のやつで。古代文明の遊園地にあるかね?


「馬でスか。馬ではアりませンが、魔法生物に乗る娯楽施設はアりまスが」

「魔法生物? 魔法で動く擬似的な動物ってこと?」

「そのよウなものでス」


 魔法仕掛けの動物か。地球で言うところのアニマトロニクスってやつだろうか? ゴーレム馬とか?


「魔法の動物!? 乗ってみたい!」

「よし、モチヅキトウヤ。それに決定だ」


 アリスがわくわくした目で声を上げると、即座にネイが僕に向けてそう言い放った。ここにも親馬鹿がおるわい。


「自然と戯れるコトのできル【地】エリアでスね。ではそちらデ。【地】エリアの扉に繋ぎまス」


 マップの一点が点滅する。それと同時に、トリリトンの一つが同じように点滅していた。【ゲート】のようにポイントポイントに転移して移動できるらしい。

 シェスカの先導で僕たちも門をくぐり転移すると、そこは緑の野原が柵で囲まれた牧場のようなところだった。んん? とても遊園地のようには見えないんだけど……?


「あ。おとーさん、あれ!」

「え?」


 リンネが指し示した先には何やらポヨンポヨンと跳ね回る物体が。バランスボールのような大きさで形もそれに近い。赤、青、緑、黄色にオレンジと色々とカラフルな色が揃っている。しかも背中に何やら鞍のようなものが付けられているぞ。あれって……。


「スライム乗り場でございまス」


 シェスカの言葉に僕の奥さんの何人かが露骨に嫌な顔をした。








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■スラムで暮らす私、サクラリエルには前世の記憶があった。その私の前に突然、公爵家の使いが現れる。えっ、私が拐われた公爵令嬢?
あれよあれよと言う間に本当の父母と再会、温かく公爵家に迎えられることになったのだが、同時にこの世界が前世でプレイしたことのある乙女ゲームの世界だと気付いた。しかも破滅しまくる悪役令嬢じゃん!
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新作「桜色ストレンジガール 〜転生してスラム街の孤児かと思ったら、公爵令嬢で悪役令嬢でした。店舗召喚で生き延びます〜」をよろしくお願い致します。
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