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異世界はスマートフォンとともに。  作者: 冬原パトラ
第32章 めぐり逢えたら。
470/637

#470 黒仮面の正体、そして意気投合。

■なんとか再入院しないですみました。無事に夏を乗り切りたい。





「「えっ?」」


 目の前のユミナとリンゼがポカンとした顔を僕に見せ、動きを止めた。うん、まあ、そんな反応になるよね。


「えっ……と、冬夜さん? すみません、どういうことですか? リリ姉様の捜している人が……」

「女性……だ、と?」


 とりあえず突き詰めた真相を、リリエル皇女と親しい二人だけに話してみた。

 まだ本人には知らせていない。というか、どうやって知らせたらいいものかわからないので二人に知恵を借りようと思ったのだ。


「リリ姉様のお話ではお相手は男の方だったと思うんですが……」

「【ミラージュ】、のような幻影魔法が使われていた、とか?」

「いや、違うよ。普通に男装してたんだ」


 まさか女性枠入場し、その後男装して参加するとか思いもしないじゃないか。

 入場チェックは衣装部屋に入る前にしてたからわからなかったよ。仮面付けたら認識阻害されるしな。一緒に参加したその国の女性陣は知っていたみたいだけど。


「本人に確認したら認めた。黒仮面を付けて男として参加してたってさ」

「なんでそんなことを?」

「うーん……。本人によるとひらひらしたドレスとか着たくなかったから、って。恥ずかしいとも言ってたな」


 なにが恥ずかしいのかわからんけども。人それぞれ羞恥するポイントは違うから、こればっかりは本人じゃないとなんとも言えない。

 

「て、その……、男装してた黒仮面さん、は……」

「トリハラン神帝国のリスティス皇女。ほら、元老院がずっと牛耳ってた国の、第二皇子と偽ってた……」

「ああ。エンデさんが操られてた時の……。なるほど、それで……」


 リスティス皇女はトリハラン神帝国の皇女として生まれたが、当時トリハランを思うがままに支配していた元老院の目を欺くため、皇子と偽って育てられた。

 長い間、男性として育てられたため、性格もどちらかというと竹を割ったようなさっぱりとした性格である。僕の場合、初めて会った時から男装姿だったが、確かにあの姿は少女漫画に出てきそうな実に皇子様した皇子様だった。

 あの姿で現れたら、例え仮面を被ってなくても女性とは思うまい。仕草や話し方が男性のそれなんだもの。荒々しい、という意味ではなく、紳士たる、という方面の。

 あ、男の感覚からするとひらひらしたドレスなんて着るのは恥ずかしいか。だからか?


「確か、プリムラ王国との戦争では指揮官として参加してたんです、よね?」

「うん、そう。そりゃ荒事にも慣れているはずだよね」


 ちなみにリスティス皇女の兄であるルーフェウス皇太子。彼は魔工学を趣味で勉強している学者肌の青年で妹とは正反対だ。

 この皇太子は魔動乗用車エーテルビークルのレースがきっかけで、ストレイン王国のベルリエッタ王女と婚約が決まっている。

 兄に続いて妹も、とトリハラン皇帝陛下は思ったのかもしれないが……。


「間違いなくご本人なんですか?」

「ハンカチの件も知っていたし、間違いないと思うよ」


 間違いであって欲しかったが。ややこしい話がさらにややこしいことになってしまった。


「ええっと……これは……」

「どうしましょう、か……」


 ユミナとリンゼが顔を見合わせる。気持ちはわかる。


「まあ、二つに一つだと思うんだ。このことをリリエル皇女に正直に話すか話さないか。結局見つかりませんでした、と言って、この恋に幕を引くこともできるけど……」

「でも……勝手に人の恋を終わりにしてしまうのはどうかと思います。それも含めてどうするかを決めるのはリリ姉様かと」


 だよね。僕もそう思う。例えどんな結果に終わってもさ。

 しかしそんなユミナの発言に、隣のリンゼはなぜか難しい顔をしている。……どしたん?


「いえ……ちょっと気になるんです、けど……。リル先生ってそっちの作品も書いているんですよ、ね……」

「そっちの……って?」

「男性だけで構成される騎士団での様々な恋愛模様を描いたのがリル先生の代表作、『薔薇の騎士団』なんですけど、その外伝的作品もシリーズで

出しているん、です。女性のみの近衛部隊を中心にした『百合の親衛隊』って作品で……」


 え、なにそれ。そんなスピンオフも書いてたの? 確か演劇の脚本も書いてたし、幅広く手を出しているんだな……。


「凛々しい先輩女性騎士と、田舎から出てきた新米少女騎士との恋愛劇……なんですけど、その、かなり深い愛情表現の描写までされていて……。い、一応、先生にもそういう関係を望む可能性もあるのかなあ、と……」


 後半はごにょごにょと掠れたような声だったが、リンゼの説明を聞いてユミナの顔がボッ、と赤くなる。なにを想像したのか小一時間ほど聞いてみたいが、とりあえずそれは置いておこう。

 そういう作品を書くからといって、そういう趣味嗜好があるとは限らないけどね。まあ、好きだったり、興味がなけりゃ書いたりはしないと思うけどさ。

 初恋(?)の相手が同性だとわかった彼女に対して、どうフォローしたらいいのかね……。まったくフォローの言葉が浮かばないんだが。

 

「とりあえず、僕らが言葉を並べても信じてもらえないかもしれない。本人同士を会わせた方がいいか」

「そ、そうです、ね。実際に話してみれば、捜していた人かわかるはずですし……」


 まあ、ほとんど間違いないと思うけどね。一抹どころか百抹の不安を抱えながら、僕はリリエル皇女に連絡を取るため、懐からスマホを取り出した。



          ◇ ◇ ◇



「みっ、見つかったってホント!? でっ、どっ、どこの誰だったの!?」

「まあまあ、落ち着いて、落ち着いて。どうどう。座りなさい。静かに」

「馬扱いしない!」


 ガタンと椅子を鳴らせて立ち上がったリリエル皇女を落ち着かせる。大丈夫かな、これ……。隣にいるユミナとリンゼに視線を向ける。二人とも引きつった笑いを浮かべていたが、今さらやめるわけにもいかない。

 ここはリーフリース城の中にある、王族個人の中庭で、家族といえども断りもなしに勝手に入ってくることはない。よって誰かに話を聞かれる心配もないわけだけれど、一応念のため、な。


「えっと、とりあえずここに連れてきてもいいかな?」

「ッ!? こっ、こっ、ここにっ!? でっ、でも、心の準備が!」


 僕の言葉に慌てふためいて、オロオロと挙動不審になるリリエル皇女。……ショック受けないといいなあ……。いや、受けるに決まってるか。

 ユミナとリンゼに小声で話しかける。


「これさ……やっぱり先に真実を知らせておいた方がいいんじゃないかな? 本人に告げられたらダメージ大きいぞ?」

「ううん……。確かにそうなんですけども……」

「信じますか、ね?」


 見るからに浮かれてる今の状態で、そんなことを言っても冗談にしか聞こえない、か。


「そういった耐性はあるはずなので、私たちが思っているよりは大丈夫だと思いますけど……」

「なら、連れてくるか。向こうで彼女を待たせるのも悪いし」

「彼女?」


 僕らの言葉に小さく首を傾げるリリエル皇女をあえて無視して、僕は【ゲート】を繋ぐ。本来なら転移魔法を防ぐため、ここには城の結界があるのだが、リリエル皇女に話してあらかじめ解除してもらっている。


「ああ、やっとお迎えか。待ちくたびれたよ」


 僕らの目の前で【ゲート】を抜けてひょいとやってきた人物は、着なれないというドレスの裾を両手で持ちながら、リーフリースの地に再び降り立った。

 出会った時は短かった金髪も少し伸び、薄化粧をしているのか、いつもより女性らしさが前面に出ている。ま、そういう風にお付きのメイドさんたちに僕たちが頼んだんだけれども。

 決して派手ではない薄青のプリンセスドレスだが、見事に彼女にマッチしている。ついてきた二人のメイドさんたちが、後ろでふふんとドヤ顔をしているぞ。気合い入れたなあ。

 普段からこういった女性らしい格好をしてくれないと言ってたからな。そりゃ気合いも入るか。


「えっと……? 誰?」


 会いたい男性ではなく、まったく知らない女性が【ゲート】から出てきて、キョトンとしていたリリエル皇女が僕らへ向けて尋ねてきた。


「えーっと、こちらの方は西方大陸のトリハラン神帝国、その第一皇女であるリスティス・レ・トリハラン。で、こちらは東方大陸、リーフリース皇国の第一皇女である、リリエル・リーム・リーフリース」


 僕が両者を紹介すると、先にリスティス皇女がドレスの裾を持ち、カーテシーで挨拶をする。


「御招待ありがとうございます、リリエル皇女。トリハラン神帝国が第一皇女、リスティス・レ・トリハランです。よろしく」

「……え、招待? あ、えっと、リーフリース皇国第一皇女、リリエル・リーム・リーフリース、です。ようこそリーフリースへ」


 疑問を押しとどめ、同じくカーテシーで答えるリリエル皇女。しかしその目は、どういうこと? と、キョロキョロと僕らとの間を行き来していた。

 そんなリリエル皇女に意を決したようにユミナが声をかける。


「リリ姉様、よく聞いて下さいね? この方が『黒仮面』さん、です」

「…………………………………………は?」


 時が止まったかのように、しばし固まったリリエル皇女の口から短い疑問の声が漏れる。なに言ってんの? という心の声が聞こえてきそうだ。

 ススス、とこちらに近づいてきたリリエル皇女は小さな声で僕らへと話しかける。


「あのね、私の探している『黒仮面』は男の人で……」

「パーティーに出ていた時は男装していたそう、です。その、いろいろと事情があって」

「またまた〜。その手には乗らないわよ、リンゼ。そんな娯楽小説みたいなことありますかっての」


 いや、それがあるんだなあ……。否定しながらも少し引きつっているリリエル皇女を置いて、僕は彼女から預かっていたものをポケットから取り出した。


「リスティス皇女。こちらのリリエル皇女が先日のパーティーでお世話になったとか。このハンカチは貴女のものですね?」

「え? ……ああ! あの時の彼女か! 仮面を被っていた時の印象とまるで違うからわからなかったよ! ……って、私も仮面をしていたから同じか。そりゃあ、わからないよねえ」

「……………………………………………………………………………………はあぁッ!?!?」


 先程より長い沈黙の後、リリエル皇女が腹の底から絞り出したような声を上げる。目の前の衝撃の現実に、驚いた表情のまま凍りついているようだ。


「こ、公王陛下……。大丈夫かい、彼女? なんかすごい形相で固まっているけど……」


 リリエル皇女の反応に、少しうろたえたリスティス皇女が心配そうに僕に尋ねる。うん、女性としてあの顔はどうかと僕も思うけど、彼女の心情をおもんばかると仕方がないかもと思えるんで、そこはスルーしとこう。やはりダメージは大きかったようだ。


「その……リリ姉様はリスティス様が男性だとずっと思い込んでましたので、びっくりされたんだと……」

「あー……それは申し訳ない……。どうしてもドレスとかは苦手でね。あの日はこっそり用意した男物の服に着替えて参加したんだ。あとでじいにしこたま怒られたよ」


 じい? ああ、確かゼロリック卿だったか。リスティス皇女の世話係の。


「今回のこのドレス、公王陛下の差し金だろ? じいにも念押しされたぞ。まったく……なんで世の中の女たちはこんなヒラヒラした服を着たいのか、私にはさっぱりわからないな。動きやすい服の方がなにかと便利だろうに」


 今回の招待については『くれぐれも女性的な正装で』とトリハラン皇帝陛下にも電話してある。一目で『女性』とわかる姿じゃないと困るからな。

 まあ、もう目的は達成したので着替えても問題はないんだが。


「でもよく似合ってますよ。とても素敵です」

「そうかな? 自分ではよくわからないけど」


 ユミナの言葉を受けてリスティス皇女が自分のドレスの裾を軽く持ち上げる。

 動きづらいのだろうか。とりあえずリスティス皇女を庭園の椅子に座らせる。ショックで固まったままのリリエル皇女もな。そろそろこっちに戻ってきてほしいが。


「慣れなきゃいけないとは思ってるんだけどね……。兄上が婚約しただろ? 私も早く相手を見つけたらどうだと、父上がうるさいし」


 あ、やっぱり。トリハラン皇帝陛下はずいぶんと舞踏会に乗り気だったもんなあ。

 ところが娘は男装して参加してたわけだ。相手が見つかるわけがない。いやまあ、ある意味見つかったようなものだけれども……。


「その、リスティス様は、好きな『男性』はおられないのです、か?」


 リンゼが幾分か含んだ迂遠な物言いでリスティス皇女に質問する。


「うーん、なんていうか、私はずっと男として生きてきたからね。そういった感情はよくわからない、かな。女の子の方がわかりやすいだけ一緒にいてまだ気が楽だよ。男は野心とかプライドとか面倒なものが多くて扱いにくい」


 おっとなんかチラリとこっちを見られましたよ? この場にいる男は僕だけなので、仕方ないのかもしれないが。


「だからあの時、困っていたリリエル皇女を見てつい、ね。典型的な横暴男だったから」

「いえ、本当の男性でもそういった場面で助けに入ることができない者もいますから。リスティス様の行いは素晴らしいかと。今日はそのお礼にとお招きしたのですけれど……」


 ユミナが魂が抜けたように白くなっているリリエル皇女を横目で見て困ったような声を出す。そんなにショックだったのか。


「こんなに驚かれたのは初めてだね。未だによく男だと間違えられることは多いけど。まるで『百合親ゆりしん』のシャノンみたいだな」


 リスティス皇女の言葉に、ぴくっ、とリリエル皇女が反応する。ユミナとリンゼも驚いた顔をしていた。

 ゆりしん? シャノン? 誰だ、それ?


「えっ、リスティス様、『百合親』知ってるんですか!?」

「知ってるもなにも、ブリュンヒルドから贈られた本だろ? なかなか面白くて一気に読んでしまったよ。ああいった本はこちらにはあまりないし」


 ユミナの言葉に笑いながら答えるリスティス皇女。

 うちから? そういえばトリハランやプリムラなど、あちらの国々の文化を理解するためとか言って、いろんな本の交換をしたな。

 正直なにをピックアップすればいいのかわからなかったので、他の人に任せたんだっけ。確かあれを任せたのは『図書館』のファムと……。

 『あ』といった顔のリンゼと目が合う。


「……『ゆりしん』ってなに? 本のタイトル?」

「あれ? 公王陛下は知らないのかい? 『百合の親衛隊』っていって……」

「……っ、ああ!」


 再びリンゼの方を向くと露骨に視線を逸らされた。ちょい待ち! 任せたのは僕だけど、なんでこの残念皇女の作品を入れた!?

 リンゼは彼女のファンだからわからないでもないけど、それって一般的な本なの!?


「シャノンってのはその『百合の親衛隊』に出てくる主人公の少女でね。田舎から出てきて悪漢に絡まれたところを凛々しい美形騎士に助けられるんだ。で、親衛隊の試験会場に行って、その人が先輩の女性騎士だとわかり、大きな衝撃を受けてしまうのさ。今のリリエル皇女と似ているだろう?」

「いや、似ているというか……」


 それ書いたご本人なんスけど……。ユミナやリンゼも僕と同じく引きつった笑いを浮かべていた。


「よ、ほど、気に入ったんですね……。こっちでも珍しいジャンルのものなんですけど……」

「ジャンルがどうだろうと、面白いものは面白い。男だとか女だとか、そんなことは些細なことさ。そういったものにとらわれないからこそ、まっすぐな純愛だとも言えるんじゃないかな」

「我が意を得たりッ!」


 ガタンッ! と、椅子を後ろに蹴倒して、リリエル皇女が突然立ち上がる。うわっ、びっくりした! もっと静かに復活しろ!


「貴女、作品の本質をよくわかっているわね! そうよ、描きたかったところはそこなのよ! 愛に性別も年齢も種族も身分も関係ないってこと! わかってくれて嬉しいわ!」


 興奮気味にまくし立てるリリエル皇女を僕とユミナは驚きつつ見ていたが、リンゼはうんうんと頷いていた。


「あれ、リリエル皇女も『ゆりしん』の読者なのかい? 面白いよね、あれ」

「当然よ! 私が書いたんだからね!」

「…………………………………………は?」


 時が止まったかのように、しばし固まったリスティス皇女の口から短い疑問の声が漏れる……って、なにこのデジャヴ。


「ええと、です、ね。実はこちらのリリエル様が、『百合の親衛隊』の作者、リル・リフリス先生、なんです」


 リンゼがなぜか申し訳なさそうにリスティス皇女に正体を告げる。っていうか、正体バラしてよかったのか、これ。本人が言ってしまっているので、構わないとは思うんだけど。


「え? ……本当に?」

「本当に、です」

「ええ……? なんだって一国の皇女がそんなことを?」

「そこに書きたいものがあるからよ!」


 リリエル皇女がひっくり返した椅子を戻して、ダンッ! と、その上に立ち、拳を天に向ける。テンション上がりすぎだろ……。さっきの死んだ目をしていたやつと同一人物には思えないな。とりあえず椅子から下り給え。

 ポカンとするリスティス皇女にリンゼがにじり寄る。


「リスティス様はどの登場人物が好きなんです、か?」

「私? そうだなぁ……シャノンが憧れるクリスエルもいいけど、やっぱり三番隊隊長の『氷のフリージア』かな。カッコいいよね、彼女」

「いいとこつくわね! フリージアはこれから出番が多くなるの。彼女は実は……おっと、これはまだ話せないわね」

「ちょっ、気になりますよ!? あ、四巻で出てたフードをした謎の人物絡み、ですか?」

「あー、あの。明らかになにか企んでいるよね」

「ふふふん。まだ秘密〜」


 三人がなにやら作品について熱く語っているが、僕とユミナにはさっぱりだった。ユミナは作品自体は知っているけども、中身までは熟読しているわけではないとのこと。


「えーっと……。これって、丸く収まった……んでしょうか?」

「か、な? なんというか、心配する必要もなかったというか……」


 まるで数年来の親友同士のように会話する三人を見て、僕らは顔を合わせた。同好の士が一人増えたということなのだろう。めでたしめでたし……なのか?

 首をひねる僕の懐に着信が入る。取り出してみると花恋姉さんからだ。今ごろかよ。もう全部片付いたぞ。

 恋愛神なのにまったく役に……いや、今回のは恋愛絡みにはならなかったけど。


「はい、もしもし?」

『おねえちゃんぴんち。たっけて』


 はい?











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■スラムで暮らす私、サクラリエルには前世の記憶があった。その私の前に突然、公爵家の使いが現れる。えっ、私が拐われた公爵令嬢?
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