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ここまで読んでくださりありがとうございました。
3月いっぱいはお休みさせていただきます。
尚、再開は4月を予定しております。
あん。もぅ。
イヤになっちゃう。
なんでこう、縫っても縫っても綻んじゃうのかしら。
お姉さま達と違って、わたし、細かい作業ってホント苦手なのよね。
おかげで時々、変なモノが迷い込んできちゃうし…
――ほら、また来た。
もぅ。
この世界、いっそのこと、壊して創り直そうかしら?
でも、そんなことしたら、内緒で創ったことがお父様にバレて怒られちゃうし……
お父様、怒るとホントに怖いのよね。
あ~ぁ。
わたしでも出来ると思ったんだけどなぁ。
見よう見真似で創ってみるもんじゃないわね。
それにしても、この子、何処から来たのかしら?
――あぁ。
以前、お兄さまが真似しようとしていた世界から来た子なのね。
あそこって、多種多様に富み過ぎて、ちょっとよく分かんなかったのよね。
暇さえあれば争いばっかりしていたし。
って、やだ……信じらんない!
この子、このわたしに供物なんて!!
やだ、うれしぃ~!
随分と気が利くじゃない!
……なにこれ。
始めて飲むけど、この日本酒?
甘いのか辛いのかよくわからないけど、飲みやすくて良いじゃない。
なんか、クセになりそう。
この食べ物……「おでん」って言うのね。
味が繊細ですっっごく美味しい!
特にこのダイコンっていうの?
味がしみて好きだわぁ~。
今度、お兄さまにも持って行ってあげましょ。
あらら。
この子ったら、神水をあんなに飲んじゃって……
飲んでも若返るだけで、寿命は延びないのにねー。
飲み過ぎて原点回帰しちゃって赤ちゃんに戻っちゃったじゃない。
また成長しちゃったけど。
――…このタマゴ、黄身がホロホロしていて最高!
まぁ良いわ。
この美味しい供物に免じて、ご希望通り、言葉と文字くらい分からせてあげましょう。
わたしって、なんて太っ腹なのかしら。
――…何、このとろとろでぷるぷるの食感。
ギュウスジっていうのね。
すごく……美味しいわ。
それにしても、この子、変わってるわね。
せっかく貰ったドラゴンの宝珠に、去り逝くものの安寧を願うなんて。
人ってホント、何考えてるのか分かんないわぁ。
あんなに大切にしなさいって云った世界樹を枯らしたくせに。
だからせっかく創ったこの世界が、こんなにも不安定になったっていう自覚ないのかしら?
――…これは何かしら?
味がしないような……いえ、するわ。
コンニャクっていうの?
弾力が……すごいわね……
美味しいけど、どのタイミングで飲み込めばいいのかしら?
このドラゴンも、ちょっと何言ってるのか分かんないわね。
あなた達の先祖が勝手に守護をかって出ただけで、別にわたしが守護を命じたわけでもないんだけど。
まぁ、この子に関しては、『人徳』があるから、変なものとか引き付けないし、大丈夫なんじゃない?
「幸多からんことを……」っていうドラゴンからの言祝ぎも貰ったみたいだしね。
あら、この指輪、良いわね。
私の美しく可愛らしい指にピッタリだわ。
もぅ、ホントに気が利く子ね。
あん。もぅ。
言ったそばから綻んじゃったじゃない。
ホント、イヤになっちゃう。
これ以上変なものが入り込まないように、さっさと縫っておかなくちゃ。
――…最期にスープ?出汁っていうの?飲んじゃおっと。
これ……ホントに美味しいわね。
おかわりないかしら?
卵の黄身を出汁に溶かして飲む派です。




