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第5話 


 その頃のクーラル王国。

「ウラル、王太子妃教育は進んでいるかい?」

「王太子妃教育って必要なの?なんでもかんでも講師達は「パール様はこんな事は6歳の時にはできていました」とかみんなパールパールって義姉様と比較されてウンザリよ!あんな講師達はもう解雇しちゃってよ!」

「でもなぁ、王妃教育もこの後待っているわけだし……」

「はぁ?まだ勉強しなきゃなんないの?本当に必要なの?」

「そうは言ってもだなぁ。国のトップの女性として知性・教養・品性の全てにおいて貴族たちよりも抜きんでている必要があるわけだからなぁ」

「あなたは、王太子教育が進んでいるのかしら?」

「あ、……ああ、もちろんだとも。今日はツゥウェレ語だったかな?」

「それは一体どこの国の言葉なのよ!」

「なんかどっかの国の部族の言葉らしいけど、それについては本当に知る必要があるのかと思うよ。文化とかならわかるけど」

「幼い頃からやってる王太子様ですら思うんですもの。つい最近王太子教育を始めたばかりの私が思ってもなんら不思議はありませんわ。本当に必要なのかしら?」

「そうだよな!私も本当は昔から疑問だったんだよ。王族として最低限のマナーとかできれば、あとは文官に任せてしまえばいいのだから、必要ないだろうと!」


――――――――


『っていう会話をしてたんだって~!』

『すごいね、お花畑にもほどがあるわね。どこまでも自分に甘いのかしら?』

『将来的に文官が政を操るんだろうな』

『そうだろうね』

 精霊さん達は紙に『クーラル王国の二人はお花畑過ぎて、勉強を放棄しようとしてる。将来は文官達の操り人形になると思う』と書いた。


 予想はしていたけど、やっぱり現実にそうなんだーって思っちゃうなぁ。私一人だけど、追放されてよかったって思っちゃうなぁ。

 こういうの知ったら、亡命したがる貴族の方々が沢山いるんじゃないかと思うけど?亡命か、国王を操る方かどっちかよね。


「パール様いかがなされました?」

「いや、あの…。クーラル王国の現状について精霊さんからいろいろ報告を受けたんです。予想はしてたんですけど、実際にそうなるのかと思うとちょっとどうかな?と思いますね。あちらに気にするような家族はいませんが、母のお墓はありますので」

「なるほど。領民の生活も気になりますよね。なんだか大変そうですね。信仰先が王家で、王家の人間の頭がお花畑…んんっ、信仰先が信用できないようでは国民も生活に不安が出るでしょうね。そうならないように、このブルハング帝国では精霊様を信仰しているのですが…」


『そうだよそうだよ!』

『僕らならお花畑になる前に諫めるもんね』

『お花畑になるような人に懐かないよ?』

 私はお花畑にならないんだ。この先の事がわかってなんだか安心。それより…カエラルがさっき咳払いしなかった?


お花畑を極めたんだ…。もう国としてどうかと思う…。

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